横と縦

 「横縦原稿」という言葉がある。横書きの資料を縦書きに変えただけで独自取材をしていない怠慢仕事を指す。記者時代、「お前、これ横縦やないか!」と先輩に叱られる同僚がいた。幸い、迂生は横縦をしたことは無い。

 今日は横と縦で勉強になった、という話。

 「縦」や「恣」の訓読みが「ほしいまま」というのは知っていた。「横」にも同じ意味があるのを偶然知った(「擅」「肆」「誕」にも)。確かに「縦横無尽」「横行」という言葉はあるけれど。

 それで、漢和辞典を引いてみた。例えば「漢辞海」には、「横造」=ほしいままつくる、「横殺」=ほしいままころす、などがあり、同意字の組み合わせで「横恣」「横肆」=(どちらも)勝手気ままなさま=の語も。

 「横征」は厳しく徴税すること、「横政」は悪政、暴政のこと。まさに、長く続く自公政権のことだ。だが、私たちもそれを「縦容」(やりたいようにさせて黙認)してしまっている。「縦政」という言葉は無いようなのは不思議だ。

 「縦情」は情欲をほしいままにするという意味だか、何故か「縦淫」は度を越してわがままな様、の意。

 迂生としては「縦放」「放縦」(勝手気ままに)に「縦酒」(思う存分飲む)余生としたい。

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