栃木 龍王峡
感染症が流行して2年は経った。家族旅なんていつぶりだろうか。
父の運転はかなり荒く、いつも車酔いするのだが、今回はなぜかそんなこともなかった。旅先は1ヶ月ほど前から決まっていたが、特に巡る場所も決めておらず、いつも分単位で決まっている家族旅とは別物であった。
とりあえず、泊まる旅館先までの道中にある観光地に行ってみようということになった。
幹線道路、人のいない静かな駅、廃墟の多い温泉街。そして木々に囲まれた道路になった。
その後、広い駐車場が見えてきた。龍王峡とある。
とりあえず車を停め、降りると猫がお出迎えをしてくれた。
入口から山道を歩くともう水の音がしてきた。木々が風に揺れる音、光、匂い。全てが自分を自然に取り込んでくれた。
坂道をかなり下ると滝が見えた。
水が落ちてくる音は空腹に響いた。こんな水量の滝をすぐ近くで見たことはなかったので少し怖くもあった。
ここはアイスランドではないが、「北北西に雲と往け」の一部シーンを思い出した。
人間が観光しやすいように舗装された道ではなく、自然の恐怖と隣り合わせのような最低限しか人の手が加えられていないグトルフォスのようだ。(それよりも手は加えられているが。)
以前は西沢渓谷や尾白川渓谷などの場所にも行ったことがあったが、自然に囲まれたのはとても久しぶりで、気持ちがよかった。
オチは特にないのでおやすみなさい。
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