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スタッドランスの冬の移籍市場での動きと現時点での来季補強ポイント



1.1月の移籍市場におけるMatusiwa売却とakieme・stambouli獲得

2024年1月の移籍市場でスタッドランスの首脳陣は大きく動きました。主力であった守備的MFのAzor Matusiwaを移籍金1550万€でレンヌに売却、ラ・リーガのアルメリアに所属する左SBのSergio akiemeを移籍金600万€で、Matusiwaの代役としてフリーのBenjanmin stambouliを半年契約で獲得しています。
まず、Matusiwaの売却から説明するとレンヌの守備的MFであるNemanja maticとレンヌ側の関係が悪化する事になり代役を求める事を決めたレンヌ首脳陣がMatusiwaに獲得オファーを出してMatusiwa本人とスタッドランス首脳陣はそれを承諾する形となりました。この移籍に関してはレンヌ側の印象を悪化させ見切られる事になったmatic本人にほぼ原因があるのでしょうがないでしょう。
続いて補強ポジションの左SBにラ・リーガのアルメリアに所属する左SBであるserigio akiemeを600万€で、トルコのアダナ・デミルスポルに所属していたBenejamin stambouliをフリーで獲得しています。
これでスタッドランスのフロントは2023夏・2024冬の移籍市場併せて移籍金約7500万€、夏・冬の移籍市場で投下した移籍金は約5300万€で残りの2000万€が夏の移籍市場で使えると思われる方もおられるでしょうがこれははっきり言って難しいです。

ファンメディアサイト「Reims Media Football」によると、リーグアンの国内放映権を購入するプラットフォームが未だに決められず目標のリーグ放映権料10億€を下降修正しなければならない事、更に定期的に行われているクラブ施設への投資が一定の赤字を生み出しており従来の放映権料・チケット料金・スポンサー料といった収益では埋める事が出来ない可能性を指摘されています。
クラブのフロント自身も中・長期的計画を持った経営を志向しているようで、Matusiwaの売却に至ったと思われます。問題は選手たちを統括する監督のWill STillがMatusiwaの売却に不満を抱いていたようで、英語圏のスポーツメディア「The Athletic」にクラブフロントへの不満を思わせる内容のインタビューに答えております。
この騒動の複雑さはさておき、左SBのJosh willson Esblandが保有権を持つマンチェスターシティ側の判断でレンタルバックとなり余剰戦力となっていたFWのAmine salamaがリーグドゥ(フランス二部)のカーン、右SBのibrahim Diakiteがスイス一部のスタッド・ローザンヌにレンタル移籍となっております。
また、リーグドゥのポーにレンタル移籍して14試合1146分出場して1Gを挙げる活躍を見せた右SBのTherence koudouをレンタルバックさせて冬の移籍市場後はトップチームに在籍させております。

2.主将のabdelhamidとの契約を今シーズン限りにする事を決定


更に、第23節のル・アーブル戦前にフランスの大手スポーツメディア「レキップ」がスタッドランスの首脳陣が主将であるAbdelhamidとの今シーズンで終了する契約を延長しない事を報道しました。今シーズンのabdelhamidは攻守に高いパフォーマンスを発揮し3得点を挙げる活躍でモロッコ代表にも復帰しています。本人もスタッドランスで引退したいと答えるなど、契約延長したい意向である事が伺えました。この契約延長を行わない問題はクラブ側が支給するabdelhaid本人のサラリーが関わっていると推測する事が出来現在のabdelhamidのサラリーが伊東と同額のクラブ2位の週給である事が判明しています。契約延長を行いたかった場合、来シーズン37歳になるベテランCBにクラブでMohamed daramyに次ぐ単独2位のサラリーを約束する事になり来シーズン以降のパフォーマンス低下を考慮すれば難しいのではないでしょうか。
ただ、abdelhamidの退団が決定する事でトップチームに左利きのCBが居なくなるのは確実なので来シーズンの夏の移籍市場でこのポジションは補強しなければなりません

3.レンタルされている若手選手と下部組織に在籍する若手選手の現況


1試合4ゴールの活躍を見せたが、れっきとしたレギュラーとは言い難いDoumbia

ヨーロッパのビッグクラブが各国に存在する若手を下部組織に集めて保有権を得て、時期が来たら欧州各国の中小クラブ・プロビンチャにレンタルさせて選手の成長を促進させる光景はありふれていると思われますがリーグアンのプロビンチャであるスタッドランスも同様の事を行っています。
今シーズンのスタッドランスだと躍進するブレストで今シーズンを過ごす攻撃的MFのkamory doumbia、リーグドゥのバスティアに在籍するCBのChieck keita、リーグドゥのアヌシーに在籍するセントラルMFのMartin Adelineらが該当します。ただ、これらの選手がレンタル先のチームで確固たる主力かというとそうではなくDoumbiaは第十七節に1試合4ゴールを挙げましたが16試合532分出場して5G2A、chieck keitaは19試合1710分出場して1G、adelineは18試合1377分出場して1G1Aの結果です。問題はこれらの選手がレンタルバックする場合、DFラインはともかく現行のスカッドだと中盤が多すぎて出場機会を約束する事が出来ない選手が出てしまう事です。
更に、Doumbiaはマリ代表でレギュラー格の選手でもあるため一層の注意が必要である事も考慮しなければなりません。彼との契約は2025年まである事も含めると来シーズン売却するのも両者のために必要な手段だと思われます。


今シーズン移籍して、Bチームで大きな結果を残しているAdama bojang

下部組織のBチーム(フランス5部在籍)に在籍する選手だとCFのChrist-Emmanuel Letono Mbondiがトップチームの15試合779分出場9G、トップチームのベンチ入りメンバーに入る事が珍しくないCFのAdama bojangが7試合779分出場8G、攻撃的MFのYirigue Sekongoが11試合904分出場7G、セントラルMFのYaya Fofanaが7試合547分5Gと攻撃面で大きく活躍するのがこの4選手です。
試合ごとのトップチームのベンチ入りメンバーに入る事が少ない選手だとbojang以外だとセントラルMFのAmadou koneは度々トップチームの試合に出場する事も珍しくなく、その他にもCBのKillian Prouchetらが該当します。また、昨年のU-17ワールドカップでのフランス代表のメンバーに選ばれたのが左SBのNhoa Sangui、CBのArthur Tchaptchetの二名です。
ただ、自国や世界各地から青田買いされて集められるビッグクラブの下部組織出身の若手でもプロビンチャにレンタル移籍されるが中々出場機会を得られず苦戦する事も珍しくないですし、あくまで将来の戦力の一つとして考えた方が無難だと思います。

4.現時点で見つかった来シーズンの補強ポイント

①決定力の高い若手センターフォワード


2024夏の移籍市場で争奪戦が予想されるkevin Denkey

昨シーズンチームの得点源になっていたBalogunが退団し、補強ポイントとなっていて活躍した後の売却が見込める選手として若手のoumar diakite・amine salama・adama bojangといった複数のCFを確保しましたがsalama・bojangはまだまだ能力不足と判断されておりレギュラーで度々使われるO.diakiteは決定力不足を露呈するシーンが見られており当然来シーズンの補強ポイントとなるのは確実です。
ただ、例えばベルギーリーグで得点王を走るCFのKevin Denkeyとかロリアンの若手FWのEli junior Kroupiを獲得したいなら当然他チームとの争奪戦が勃発する事が予想されますし夏の移籍市場に投下できる金額の額に限りがある以上加熱する争奪戦に参加したくなるかというとNoですかといって安価で獲得できて活躍すれば移籍金収入が見込める若手CFの獲得に走ると実力不足で他の若手CFと一緒に共倒れする可能性もありますし、この判断はかなり難しいです。
また、若手のO.Diakiteやbojangらにトップチームで出場機会を与えられるのかといった問題も出てくるので中々判断が難しい話でもあります。

②実力のある左利きのCB


スタッドランスの補強ポジションに合致している町田浩樹

前述の通りabdelhamidの退団が決定し、またトップチームに左利きのCBがabdelhamidだけという状況を考えるとセンターフォワード以上に補強は重要なポイントです。例えば、日本人選手だとベルギー一部のユニオンSGに在籍するCBの町田浩樹選手はこの補強ポイントに合致します。ただ、2023年夏以前の移籍市場での動きが「選手を売却して得た資金で200~300万€以下の安価で獲得できる複数の選手を獲得していく」というムーブなので、移籍市場で使える予算に限りがある以上そういったムーブもありだと思われます。また、2022年夏に伊東・2023年夏に中村を獲得したのでリーグアンの規定に決められたEU外国籍選手枠3枠の内2枠を伊東・中村で使っているのでEU圏内の二重国籍を持ってない外国籍選手に使える枠は一つだけだという事も把握するべきだと思われます。

③Foketに代わる右SB


2024年冬の移籍市場で補強ポイントとして挙げられていた両SBの内左SBにAkiemeを補強しましたが、右SBをFoket・koudou・I.Diakiteの三人のままで良いのかという状況です。前述の通りこのポジションも200~300万€の金額で使える選手の範囲で補強するのも手ではありますが、金をかけて活躍すれば倍以上の移籍金が見込める若手の右SBに賭けるのも一つの手段です。右SBの若手に詳しくないのでどういった補強になるのか予想つかないですね。

④現時点の正GKであるDioufの実力を上回る正GK


今シーズンのパフォーマンスが充実しているとは言い難いDiouf

昨シーズンから正GKを務めるYehvan Dioufが今シーズンも正GKを務めている訳ですが、今シーズンの彼のパフォーマンスは全く満足できるものではありません。試合の中で危ないシーンを作るのは日常になり、シュートストップ率も昨シーズンの78%から今シーズンは65%に低下する状況でかつ守備的な貢献はある程度望めてもビルドアップ面などの攻撃面で大きな貢献は望めない選手でもあるので補強ポジションになってしまう状況です。
GKは大きく移籍金を望めないポジションではありますが、昨年の3月にDioufと契約延長を結んで評価の高い状態で売りぬきたいという個人的な思惑はあるので他チームに今のパフォーマンスがバレてない状況でさっさと高く移籍金を得たいですね…

6.どれだけあれこれ言っても移籍市場でどれだけお金使えるかは選手を売らないとどうしようもない


下部組織出身で活躍して巨額の移籍金を残したEkitike

しかし結局、個人的な視点であべこべものを言っても結局どれだけ移籍市場で動けるかは今のトップチームで在籍している選手を売らなきゃ始まらないと頭の中で理解した方が良いと考えております。2023夏の移籍市場であれだけ資金を使えたのはHugo Ekitike・Jens Cajuste・Dion lopyら一部の主力・余剰戦力を売却して得た資金である事を考慮すればままならないでしょう。
UEFAのFFPやフランスでクラブの財務状態を調査するDNCGの監査で来シーズンの予算が降りる事もまた考えなくてはならないです。

最後まで見ていただきありがとうございました。このnoteでまた自分の文章を読んでいただける機会があれば、また縁がある事を祈ります。



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