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R3商法で、基本の思考プロセスを学ぶ【答案改造ビフォーアフターVol.7】

生まれつきのグウタラな性格で子供の時から損ばかりしている。

小学校に居る時分夏休みの宿題をサボり最後の数日で無理やり終わらせた事がある。なぜそんなアホをやったと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。単純に締め切りギリギリにならないとエンジンがかからない性格、というだけのことである。……

みなさま、ごきげんよう。怠惰な自分を恨みつつ、毎日泣きながら短答直前期の詰め込みに勤しんでいるOLSライターの別宮です。

OLS予備試験採点実感講義も、いよいよ最終回がやってまいりました。最後の科目は商法。題材は令和3年予備試験。講義担当はOLSオーナー、安田先生です。

それでは、さっそく本編とまいりましょう。

ひさしぶりに答案を書いてみたよ!の巻

今回、実は久々の起案でした。というのも、短答の成績がやばすぎて、年明けからほぼ短答に全振りするような格好になったからです。

それでも会社法はインプットが全然追いついておらず、正直「答案書けるのか?」状態ではありました。

確かに某塾で基礎講義は受けましたし、知識ゼロというわけではなかったんですが……いかんせん反復回数が少なかった上に、前回のインプットからあまりにも間隔が空きすぎていました。

慌てて「ストゥディア会社法をサラッと一読してみた」くらいの状態での起案は……まあ、いろいろと無理がありますよね。

ここで一つ未来の自分に向けて残しておきたい教訓を。それは、「今習った知識は、数日後、数ヶ月後には絶対に忘れている」ということです(あたりまえ)。

仮に、1ヶ月民訴をやって、その次に1ヶ月かけて刑法をやって、という感じの学習スケジュールを組んだとしましょう。おそらく、半年後には最初の方にやった科目のことはキレイさっぱり忘れています。

要するに、私のような凡人は、数回触れた程度の知識を何ヶ月も保持できるほど頭が良くないのです。だからこそ自分の能力を過信せず、全科目&試験に出そうな範囲全部を高速・短時間で猛烈に反復することが重要で、それなくして質の高いアウトプットはあり得ないGarbage In, Garbage Out!!

試験直前期の受験生の吐く台詞とは思えない低レベルっぷりを曝け出しましたが、短答本番2ヶ月前に気づいたのがせめてもの救いというやつでしょうか。うん、自分の精神安定のためにもそう信じることにしましょう。

そして、「アホー、わたしのアホー!!」と心の中で叫びながら、起案に挑んだ結果がこちらになります。


筆がもつれて進まない……
知識漏れがありすぎて、「何書いたらいいのかわかんないよ」状態で暗闇を進む。
時間が足りなくなって苦し紛れにごまかす。

基本的なところが抜けているせいか、書いている途中はものすごく苦しかったです。何を書いたらいいのか手探り状態だと、論理も紡ぎにくいんですよね。

なお、この答案は師匠でもある安田先生の添削にも出したのですが、「原則論から書けていない。思いついた制度から書いてる印象がある」という手痛いコメントが返ってきました。

ううむ……これ、書き方次第でもう少しマシな答案になったのか……知識量云々以前に、致命的な欠陥がある気がしてきたぞ……。

講義を受けて

今回、先生がお題としてこの問題を選んだのは、「基本的な思考プロセスを辿ることをきちんと癖づけてほしい」という理由からのようです。

実際の講義では、出題趣旨を踏まえつつ、「問題文をちゃんと読んで事案を分析してくれ」「論証パターンに頼りすぎていない?」「原則論から書けてない人が多すぎる」等々、論点・判例云々以前の問題についての指摘が。

「うーん……」と思いながら受講していたのですが、「合格者をみていると、できている人が結構多い」というコメントを聞いて青ざめました。これは、やばいぞ。

当たり前といえば当たり前なのですが、少数の人間を通す試験である以上、「みんなが書けることを書いても受からない」んだそうです。

受かる人と受からない人との差がどこでつくのか、今の自分に足りないものが何なのか。

今後の学習方針を含め、改めて考えさせられた授業になりました。

おわりに

全7回にわたって開かれた本講座も、今回で最終回。

単なる過去問の解説を超え、担当講師陣が「これまでの自分の経験などから学んだ良い論文を書くためのノウハウ」を惜しみなく伝える場になっていたような気がします。

論文対策というと、受験生としては「論証パターンを暗記しろ」や「とにかく起案しろ、問題解け」といった上っ面の対策に目が行きがちですが、それは論文を書く上では本質的な問題ではないんだな、と感じました。

考え方のプロセスであったり、ライティングの技法であったり、もっと根本的なところでたくさん気をつけなければいけないところがある、という印象です。

という感じで、たくさんの気づきがあった採点実感講義。このままレギュラー化してくれる、ということですので、短答明けが本当に楽しみです。

まずは目の前の短答をやっつけなければならないし、論文についても課題が山積みですが……一歩一歩着実に、今自分がやるべきことを淡々とやっていこうと思います。

それでは、またいつか、この場所でお会いしましょう。

(執筆・別宮央都/編集・OLS編集部)

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