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続・早すぎた口述対策の実現【口述体験談編】

みなさまこんにちは! OLS編集部です。このたび見事予備抜けを果たしたOLSライター・小牧くんから、まさかの「早すぎた口述対策の実現」の続編が届きました。今回は口述体験談編として、現地入りから試験終了までの様子をリアルにレポートします。

はじめに〜ライターからのご挨拶

OLSイベント「早すぎた口述対策の実現」を視聴してから約1か月、まさか本当に口述試験を受けることになるとは………

もちろん論文に合格していたのは有り難いものの、得たものの嬉しさよりも、失う恐さが大きいのは、人の常なのかもしれません。

落ちたら再び短答から。もっとも、そんな気力は失われ、落ちたら撤退しようとまで考えていました。

客観的には合格が当然とみられがちですが、主観的にはそこまで追いつめられる試験です。

さて、来年以降、口述試験を受ける方にとって、今できる最大の対策は何でしょうか?

それは、口述試験があるということを忘れないこと、そして試験本番のイメージを少しは持っておくことです。(私は両方できていませんでしたけれども)

そこで、今回は、口述体験談を執筆させて頂きます。

いざ決戦の旅路

では、ここで想像してください。あなたは今、口述試験の前日の早朝、住んでいる街の空港にいます。出発ゲートを通り、待合スペースで、A◯A FESTAで購入した生ビールを……というわけにもいかず、必死に大島本を読んでいます。

2週間頑張ってきたから大丈夫……なんて思えるわけがなく、はたから見たらヤバい殺気をまとっていたかもしれません。

数時間後、飛行機は羽田空港に着陸しました。

「お客様の次の搭乗を、乗務員一同心よりお待ちしております。」

というアナウンスを聞きながら、「あー、次の搭乗のことなんて、想像できないな。」と、試験が終わった後の世界は別世界に感じています。 

羽田空港から、新浦安行きの高速バスに乗車します。

そこで、なんと、見慣れた本を読む人の姿が……基本刑法!!

某夢の国のガイドブックではなく、我らがバイブル(?)基本刑法

ライバルを目にすると、俄然やる気が出てきます。

あゝ、夢の国と大島本

お昼前、高速バスは新浦安に到着しました。宿泊先のホテルは、会場まで徒歩5分、ホテルエ◯オン東◯ベイです。(受験生とディ◯ニー客に人気のホテルなので、早く予約しましょう。)

チェックインまで時間があるので、荷物をカウンターに預けた後、近隣のハワイ料理店に入店し、ハワイ料理を頂きます。

腹が減っては戦はできない。

料理が来るまではもちろん、大島本(初日が民事なので、数日前から民事に全振りしています)。

 ハワイアンな気持ちと満腹感に包まれたら、チェックインまでホテルのロビーで大島本。

そこで、なんと、見慣れた本を読む人の姿が……予備試験六法!!

某ネズミの耳を付けた人たちに交じり、我らが鈍器(?)予備試験六法

……とうとう、チェックインの時間を迎えたので、部屋に入ります。

部屋でももちろん大島本。ディズニー客向けのホテル滞在のワクワク感と試験の緊張感が同居しています。

しばらく勉強したところ、なんとこのホテル、天然温泉があります!まだ4時過ぎ、夢の国から帰ってきたお客さんはおらず、貸し切り大浴場!

 温泉でゆっくりした後は、お世話になったOLSオーナー、安田先生とのミーティングの時間です。オリジナルの予想問題で最終調整をしていただき、激励を受けます。もうここまできたらやるっきゃない。(予想問題は、的中もありました)

ミーティング後、ホテル内のレストランから料理をテイクアウトします。さすがホテルクオリティ、美味!

「最後に確認しておくべき」とミーティングで教えて頂いたポイントを確認したら、明日の朝ごはんを調達するため、ホテル内のコンビニへ。

そこは、一人で来た受験生と思しき人たちと、夢の国から帰ってきた人たちがまじりあうカオス

 明日の準備もバッチリしたので、就寝……短答、論文とも前日ぐっすり眠れたからきっと眠れるだろう……。

……午前3時。

眠れない。仕方なく、ホテルの自販機でビールを3本購入して無理やり眠りにつきます。

午前6時、目覚めは早いが、頭は重い。食欲は無い。せっかく昨日コンビニで購入したお弁当は喉を通らず、もう一度コンビニ行って蕎麦を調達。

朝ごはんを済ませたら、午前8時30分の集合時刻に間に合うよう、会場に向かいます。

ホテルのエレベーターには、スーツ姿の受験生がいます。ロビーは受験生勢力が夢の国勢力を数において圧倒していますが、幸せ指数において圧倒されています。

徒歩5分の道程では、有名な先生(※某人気YouTuber)がいましたので、声を掛けてみます。すると、元気よく励まして頂けます。

会場に到着しました。目にするのは3回目の「司法試験予備試験場」という看板(今回はちょっと小さい)。

入口で並び、受験票確認を済ませると、〇室〇番という番号札を受け取ります。〇室3番。室で3番目です。一気に緊張感に包まれます。

体育館に集合(各組1番は初めから通称発射台と言われる部屋に案内されます)し、順番を待ちます。

1番の人が試験終了したのでしょう、2番の人が呼ばれます。いよいよ次は自分。もう勉強することはなく、頭を休めることに専念します。

 「〇室3番!」

とうとう呼ばれ、係員の誘導により、発射台に向かいます。そして発射台に着席すると、なんと、1分もしないうちに呼ばれます。

前の人に、何かあったのでしょうか?

再び係員の誘導により、暗い廊下を歩きます。

部屋の前で一呼吸。「コンコンコン」とドアをノックし、「失礼します……!〇室3番です!」

~中略(ここは再現集などにゆだねます)~

「ありがとうございました!」と言ってドアを閉めると、暗いはずの廊下が明るく感じます。

試験はうまくいったようです。

案内してくれる係員、廊下途中で立っている係員の方全員に、「お疲れ様です!」と声を掛けながら、待合室に向かいます。(←調子に乗っている)

廊下から見えた海は、これまで生きてきた中で一番美しい海です。間違いなく60点は取れた。明日は59点でも大丈夫。さっきまで過ごした世界と別の世界に来たように思います。

午前組は、自分の試験が終わっても解放されず、昼まで待合室で待つことになります。我らがバイブル、基本刑法を読みながら、解放される時間まで待ちます。

お昼過ぎ、すべての午前組の試験が終わり、午後組が会場に入ると、晴れて解放されます。朝来た時と同じ道とは思えない浦安の道。無電柱化が進んで電線が無いことに気づきます。

 ホテルに到着すると、最上階のレストランでランチを頂きます。(←調子に乗っている)美味!

ふと、「買って兜の緒を締めよ。」という言葉を思い出します。

部屋に戻って、基本刑法を読み始めます。明日は午後組。初日午前、2日目午後という時間割になると、数日前から初日科目に専念し、初日終了後に、2日目科目を一通り回すことができるため、幸運です。

基本刑法を進めていき、頭が疲れたところでジョギングに出かけます。浦安は風が強いですが、きれいな街なので、良い気分転換になります。

帰ってきて再び基本刑法を読み進め、再び頭が疲れたところで本日は終わり。残りは明日やることにします。

既に夢の国は閉園しているため、温泉は混雑していると考え、部屋のお風呂でゆっくりしてから、レッツ晩酌……!(←明日は午後なので……)

この日はぐっすり眠ることができ、朝を迎えます。朝はコンビニで買ったご飯で済ませます。

発射台へのエレベーター、再び

一息ついてから基本刑法を読み進め、11時にはホテルのレストランでランチ。それから集合時間の12時20分に余裕を持って、ホテルを出ます。 

会場に付くと、昨日と同じ流れで受験票確認を済ませます。「〇室7番」。正直もっと早い番号で試験を早く終えたいところですが、遅い番号であればその分勉強ができます。

昨日と同じ流れで体育館に行ってからは、基本刑法を読み進めます。全分野回し終わったところで、頭の疲れに気づいたため、ここからは頭を休めることに専念します。

体育館に来てから3時間くらい待ったでしょうか?「〇室7番!」と呼ばれ、昨日と同じ流れで発射台に向かいます。

昨日と打って変わり、発射台でも15分くらい待たされます。

もういい加減にしてくれよ……(※内心の声)

ようやく呼ばれると、昨日よりちょっと明るい(気がする)廊下を歩き、試験室に到着します。

部屋の前で一呼吸。「コンコンコン」とドアをノックし、「失礼します……!〇室7番です!」

 ~中略(ここは再現集などにゆだねます)

「ありがとうございました!」と言ってドアを閉めると、予備試験は終わりです。

受験を思い立ってからのことを思い出しながら、今日も係員さんたちに元気よく「お疲れ様です!」と声を掛けながら順路に沿って歩きます。

午後組は、控室に行くことなく解放です。

会場の施設を出ると、箱根駅伝のランナーが道路に向かってやるように、あるいは甲子園球児がグラウンドに向かってやるように、会場に向かってお辞儀をしようか迷います。しかし、恥ずかしいので心の中で深々とお辞儀をします。

晴れ晴れとした空のもと、会場からホテルまで向かい、ホテルに預けていた荷物を回収するとともに、テキスト類は段ボールに詰めて自宅に発送します。

これで、予備試験は終わりです。帰路につき、その日はたくさんお酒を頂きます。

予備試験・完

次回、決戦の舞台裏。口述試験対策編へ続く……!

(執筆:小牧一 編集:OLS編集部)

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