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2019年

ゴールデンウィークに平成ベストというプレイリストを作りながら、過去にしがみついてるなと感じていた。

自分を形成してくれているような音楽は変わらずずっと側にいてほしい。だけど、ここ数年はあまりにも音楽との衝撃的な出会いがなく、好奇心も忘れて、このまま思い出に浸りながら終わるのかなと。

夏、ひょんな事がきっかけでthe 1975を観にサマソニに行けることになった。久しぶりに本気で音楽を好きになり、ライブを観て生きててよかったと思った。

そしてMattyの、ステージ上で今にも壊れちゃいそうな、魂を削るような様子に、Gerardを重ねてしまった。家に帰って気が付いたらMCRがヘッドライナーを務めた2011年のReading Festivalを見返していた。

そして11月1日。その頃にはthe 1975の新曲とRIDEに夢中だったと思う。朝イチで目にしたMCR再結成の一報。何が起こったか暫く分からなかったけれど、公式インスタでReturn showの告知を見て、一人号泣した。

解散の時心配してくれたり、励ましあったりしてくれた、付き合いのあったファンの人たちと喜び合って、色んな人から嬉しい言葉をもらった。

それから世界が変わって、それまで聴けなかったMCRの曲を泣きながらも笑顔で聴けるようになった。音が、言葉が急に染み込んできた。そして、学生の時ギターやってる先輩に色々教えてもらったお陰だと思うけど、今まで聴こえなかった音が聴こえるようになっていた。

オリジナルメンバー1人も欠けることなく、仲違いする事もなく、クリエイティブで才能のある4人が作り出す音をまた聴けるなんて夢のようで、深夜起きる度に夢じゃないか確認していた。

日本時間、12月21日。普段はそこまで嬉しくない自分の誕生日にMCRは復活した。そこには変わらない、本当に変わらないMCRがいた。4人の音があった。ビジュアルやテーマも何も無い、素の4人。Gerardの声が聴けた瞬間、子宮に帰ったような感覚になった。決して忘れない。

勝手に自分の人生のモットーにしている、Famous Last Words、そしてMCRそのものを表してると思っているThe Kids From Yesterday。続けて聴いた時、7年分の想いが溢れ出た。血が巡ってるのを感じて、生きてるって感じがしたし生きていけるとも思った。

漠然と死にたかった思春期の頃、311の時、解散した時。今回も同じようにまたMCRに救われた。

いつの間にか年末。MCRが復活したという事実を目の当たりにし、より気軽に聴けなくなってしまった。すぐ涙腺にくる。そして3月に会える事も未だに実感が沸かない。

正直Return show以降MCR以外は眼中になくなると思っていたけれど、意外にも音楽は音楽として楽しんでいる自分がいる。DeftonesやLADALES、RIDEからも耳が離せないし、昨日からはNOT WONKに夢中。なんだこの音は!と衝撃を受けた。10代の頃と違って、いろんな音楽を並行して聴けるようになった事、音そのものを楽しめるようになった事に関しては、年齢を重ねるのも悪くないと思った。

まとまりが無いけれど、音楽の美しさを感覚で感じ、聴きたい衝動に駆られるのは本当に数年ぶり。歌詞より、バックグラウンドより、世界観やビジュアルより、音を全神経と細胞で感じてしまう。ターニングポイントになった1年だったと思う。

年越しはいつも通りFamous Last Wordsを聴く。それに関連して、最後に2007年Frankのインタビューを引用して終わろうと思う。いつも自分の根底にあって、初心に返してくれる言葉。彼らには本当に感謝してもしきれない。


(I'm not afraid to keep on livingの歌詞について)         「最近の僕ら人間全員が持つ文化の中で、僕らは愛するっていう単純なことを徐々に忘れていってるんじゃないかって思うんだよね。日常の中で繰り返される暴力や世界で起こっている戦争、互いに持つ憎しみに疲れ切ってるんだと思う。

そのせいで、人生がどれほど素晴らしいことで、僕ら人間がどのように繋がっているかってこともついつい忘れがちになっているっていうね。互いに交流し合いたいっていう気持ちや、互いに持つべき愛っていうのが欠けてるのさ。世の中の賢い科学者達が集まってこういった高品質の録音機なんかを発明することはできるのに、他国の貧しい人たちに食料を与えることは出来ないっておかしいだろ?僕はおかしいと思うよ。生きていることの素晴らしさや互いを助け合うことの大切さを完全に忘れてるなんて本当に悲しいことだよ。人生がいかに美しいものであるかは決して忘れちゃいけないし、だからこそ僕らがそういったメッセージを伝えることはとても大事なんだ。

あと、誰もが死に対する恐怖を持っているものだけど、僕は逆に、死というのはその人間が送った人生を振り返って祝うべきものだと思うんだよね。

だからこそ、生きているうちに何をするか、この世にどういった変化をもたらすかが大事になってくるんだよ。たったひとりでも変化は起こせる。僕らだってその辺にいる普通の男が5人集まっただけだけど、自分たちの音楽が世界中の人たちに大きな影響を与えてるし、それだって一つの変化だと思うんだよね。だから、みんながみんなそういった意識を持ちながら生活できれば最高じゃない?

そして次の世代にも、たとえ生きてる中で不安を感じたり、自分は大丈夫なんかじゃないって思うことがあっても全然いいんだよってことも伝えていけたらいいよね。とにかく、何か変化を起こしたいっていう気持ちを持つことが大事なんだと思うんだよね。

これだけ残酷で不幸に満ちている世界の中で、自分のために自分の人生を精一杯生きることを恐れないこと、そして自分を可能な限り幸せにすることっていうのが大事なんじゃないかな。」


ollie









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