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日本ってそんなに面白い国じゃないと思うこの頃。

これね、ニュージーランドのクイーンズタウンのカフェにあって、めちゃくちゃ感動したもの。壁に書いてあるとおり、この蛇口からスパークリングウォーターと冷たい水と常温の水の3種類が出てくるのだ。これが5年前。
日本には未だにこの蛇口はないよね。

私は昭和生まれで、当時は、日本人はウサギ小屋に住んでいると海外の人から言われているとさんざん吹き込まれていた世代。つまり、日本人は貧しくて小さな家にしか住めないという意味なんだけれど、それを新聞も雑誌もマスコミがさんざん言うわけです。で、20歳で初めてイギリスに行った私は、確かに外観はおしゃれだけれど、隣と壁をシェアしている長屋のような家や、大きな建物にいくつも部屋があってそれぞれに人が住んでいるいわゆるアパートがロンドンには沢山あって、イギリス人もウサギ小屋に住んでるじゃないかと、日本でさんざん刷り込まれた自分たちで自分たちを卑屈にするような情報にショックを受けたことがあった。

日本のケーキ屋さんのショーケースに並ぶケーキのデザインは美しいなと思うけれど、案外とどこの都市の、町のケーキ屋さんに入っても品ぞろえもデザインもあまり変わり映えしないなと思っていたところに、ヨーロッパでみるケーキは、日本では決して見ることのないデザインが沢山あり、ケーキでこんなこともできるのかという驚きさえあるほどだった。何もケーキに限った話ではない。建物のデザインも、カフェの花瓶の花の活け方も、街を歩く人の服装も自由で、生活自体がカラフルで人々が楽しんでいる空気感をひしひしと感じていた。翻って、自分の住む日本は画一的で、色で例えるとどうしてもグレーを思い浮かべてしまうくらいに、対照的な姿が私の眼には映った。

日本には、外国人に日本と日本人がどれだけ素晴らしいかを語らせる趣向のテレビ番組がとても多いと思う。どうして外国人に誉めてもらわないといけないのか。どうして、君は素晴らしいと人に言ってもらわないといけないのか。

外国が素晴らしいと言っているわけでは決してない。アメリカに住んでいた時には、アジア人の女は最下層だなと思わされる出来事も経験したし、人種問題のある毎日と学歴社会の最たるものを経験して、居心地がいいとは言えないけれど、その経験があるとないのとでは世界の解像度が違う。

思い込んでいること、思い込まされていること、培った価値観、感じている限界、知らないということを知ること、地球はどう成り立っているのか、歴史はどう作られているのか。日本という国にいるだけでは、どうも見えないものが多すぎる、と思うのです。

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