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音のない世界

毎日の生活の中で
心を痛めるニュース
人の噂話
騒々しい雑踏

耳にしたくない音が自分の気持ちに反して奥の奥の方まで響いてくる

そんな生活に慣れていると、海の深い深い底の方まで言って音のない世界に飛び込んでみたいとさえ思う。

自分の声さえハッキリ聞こえない。
人の声も届かないその場所で自分の理想の世界と真正面と向き合っていける気がする。

だけど…
世の中には聴き逃したくない声がある。

耳に響く声が心に浸透していても
人間というのは貪欲だから
もっともっと心地いい声を聴いていたいと思う。

もし、私が音のない世界に放たれたら。
心に浸透している声だけを頼りに想像して
話している唇を見ながら
ただよそ向きの笑顔を作って聴こえているフリをするだろう。

どんなに強がって見せても
浸透している愛のある声が渇いてしまったら、一体私はどうすればいいのだろう。


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