in the hell8話、お爺ちゃんの為の接待最終回


つい先月に最終回を迎えたin the hell。深夜ドラマでありながらTwitterで世界トレンド1位を獲得、流行語にノミネート、テレ朝の歴代円盤売上1位の記録を作るなど数々のレジェンドを作った前作の続編という事で知名度も注目度も当初はあまり期待されていなかった前作の比ではなかった今作。

しかし本来ならば一番盛り上がるであろう最終回の視聴熱は前作最終話の8/1、前作の架空の8話と比べても4/1、唯一前作を上回る数値だった視聴率すら前作の最終話を下回り、加えてあれ程執着していたTwitterの世界トレンド1位も逃すというクソ雑魚の美を遺憾無く発揮してくれた。この惨敗ぶりの何がクソださかというと、最終話直前にAmebaで春田は最終回で一体誰とくっつくのか!?的クソ程ゲスいダービー企画をし、トレンド欲しさに品性を投げ出してまで最終話盛り上げようとしたのにとことん惨敗している所にある。そんな歴史的に滑り散らかした今作の最終回を、改めてもう一度振り返ってみようと思う。

前回の続きから振り返ると、成瀬に告白された四宮は成瀬をきつくつっぱね、それを春田に追いかけさせる。四宮はこの時点で春田の気持ちが成瀬にある事を知っていたので、春田と成瀬がお外で仲良くお手手を繋ぎながら歩いている最中に荷物をまとめ、二人が帰って来たのと同時に寮を出て行く。

あとなんか知らんがいきなり武蔵がパイロットを辞めるとか言い出して動揺している主人公。武蔵曰く「パイロットとして完璧なフライトが出来る自信がなくなった」らしいがそんな伏線はどこにもなかったのでなんかふわふわした理由だとは思いつつも年齢的にも妥当な判断だと思うのでさっさとやめてどうぞ。

そして寮を飛び出した四宮は何故か黒澤家にお世話になる事に。いや何でだよ。四宮が振る舞う料理を絶賛する黒澤親子。きゃっきゃと盛り上がる食卓。そこで黒澤の娘・ひなが「あ、そういえばここの三人全員はるちゃんに振られてるじゃんwww」と笑い出し気でも触れたかと思いきや「あ、ほんとほんとだwww」と爆笑する武蔵。シンプルに狂っているので四宮がドン引きした表情を浮かべると「あ、娘にはもう全部話してるから」(だからこういう話しても大丈夫なんだ)みたいな事を言う武蔵だが同じ相手への気持ちを娘に話してるのが大問題なのではないだろうか。

「機長はもう吹っ切れたんですか?」と聞く四宮に「寧ろ今は主人公に感謝の念が湧いて来ている」とタチの悪い宗教に嵌った老いぼれみたいな事を微笑んで言う武蔵に「俺も機長のような境地に至りたいです!弟子にしてください!!」と土下座する四宮。やっぱこいつも狂ってたわ。
まあこの三人は三人とも主人公に惹かれる過程は一切省かれているのに振られる描写だけはしっかり描かれているピエロ集団なのでそんな自分達の立ち位置を思うと気がおかしくなっても仕方ない。少なくとも四宮とひなは脚本の犠牲者のように思える。

場面は転換し辞める事になった武蔵を必死に成瀬が引き止めている。ここにきて初めて武蔵が「パイロットとして完璧なフライトが出来る自信がなくなった」心情の詳細が吐露されるのが完璧なフライトが出来る自信がなくなった所か割と人命脅かしていて草。これこんな「いい話です風」に感動的BGMバックに下げて語っていい事なのか…?知らんけど…。

一方空港内のよく分からん休息スペースで自分だけではなく武蔵と四宮も主人公に振られた事をMEGUMIに報告するひな。最早職場で恋のから騒ぎをする事に突っ込むのも疲れたが他人の失恋をぺらぺら第三者に報告するのは如何なものだろうか。そこでひなが「お父さんわざわざあたしに春ちゃんの事言わなくても良かったのに」みたいなど正論を言うのだがそこでMEGUMIが「それはちゃんと娘と向き合ったって事なんじゃないカナ??」ととち狂った理論をぶつけてくる。何か一々登場キャラが武蔵を持ち上げていて腹が立つのだが本当に娘のことを思うならそっと胸にしまっておいて然るべきだったと思う。何美談みたいにしてんだよ。

そして場面は変わり一緒に外を歩いている機長と主人公。「おれぇ、いっぱい経験積んで頑張って、グレートCAになる為にキャプテンにもっと教わりたい事いっぱいあったのにぃ〜〜」と誰もが忘れていた初期設定を急に引っ張り出して来てぶうたれている主人公。お仕事ドラマと謳っておきながら物語が始まって以来コスプレしてチラシを入れ込むか風船を膨らませる事ぐらいしかさせて貰っていない男の悲痛の訴えが聞こえて来るようである。

そこでくしゃみをする主人公に武蔵が自分のピンクのマフラーを巻きつけるのだが、こちらがそのグロデスクな絵面に慄然とする一方でなんと主人公は「うぅ〜〜〜」と感極まったように武蔵に抱きつきより画面の絵から正気を奪って行きマジで蓮コラの方が100倍マシなカットのいっちょ上がりになる。

止めろと離れようする黒澤にきゃぁぷてぇぇんと甘えて更に抱きつく主人公という構図がマジでこの世で一番怪奇千万である。こんな邪悪な映像を目にする人間がこの世に一人でも少ない方がいい事は確かなので賢明な未視聴者の方々はこれからもどうかそのスタンスを貫いて欲しいものである。

OPが明け、四宮に「ひなさんと一緒に住んでるって本当ですか!?」と食ってかかる整備士の子。一応全話見てるのにどうでもいいポジション過ぎてキャラの名前が全く思い出せないのだが、この少年はどうやらおっさんずラブ名物「登場人物はとりあえず全員誰かしらとくっつとけ的ラスト」に向け着々とアップを始めている様である。

一方四宮が出て行って以来初めて会話をする四宮と成瀬の場面へ。主人公→成瀬→自分という、主人公が好きだった立場からすればこの世の地獄の様な構図に耐えかね身を引くつもりで寮を出て行ったのであろう四宮に対し「何で出て行ったんですか」と問い詰める成瀬だが、全員の矢印を分かっていてその質問が出て来るあたり人の心がない。

そんな成瀬に向け、「お前は春田とどうなんだよ」と自分を好きだという相手に秘儀・人の心がない返しをする四宮に、状況は中々お互い様なのだが「は!!!!???なんで俺の気持ちわかってくれないんですか!!!!????」的にキレ散らかす成瀬。素直に白状すると私は成瀬の俳優さんを今までかなり好意的な眼で見ていたのだがこの役に限ってはちっとも美形にも魅力的にも見えないので本当に脚本家はその手一つで俳優を殺せてしまうのだなあとしみじみの徳尾の罪の重さを噛み締めてしまった。もうお前は一生塩しか食うな。

そんな四宮と成瀬だが、実はお互い同じ場所に武蔵から呼び出されている事に気づき現場の土手に向かうとそこには主人公も呼び出されていた。不思議そうに顔を見合わせる三人の前に、武蔵が段ボールに座って土手を滑り落ちて登場して来る。
「こうして一同に介するのも最後だから各々思い残す事がない様に」という武蔵の提案の元黒沢杯相撲大会という老いぼれによるパワハラ大会の幕が上がる。このじじいマジで好き勝手にやってんな…。

まずは四宮と武蔵の一騎討ちが始まるのだが四宮がまあボコボコにされている。一応四宮も攻めには入るのだが何故か老いぼれ相手に全く歯が立たない。これは過去の日本相撲協会に対する皮肉かな?と揶揄してしまうくらいの武蔵への…というかどちらかというと武蔵の中の人への忖度接待臭が漂う八百長展開である。この製作陣ぐるみで忖度されているおじさん相手に容赦なく顔面に水ぶっかけたあの方の役者魂は本当に凄い。

そんな接待を受けながら散々四宮をボコり投げ飛ばした後「人を好きな気持ちをうんたらかんたら」とか何か良い事いってる風の事を言う武蔵だがこれってマジ普通にパワハラなんだよなぁ…不動産編の時のキャットファイトが受けたのは牧が上司相手に容赦なく対抗してたからなのにこうも立場の下の相手がやられてる感が出てしまうと八百長だろうが全然笑えないし寧ろ不快である。

そのあと成瀬相手に春田の目の前で「春田の事を好きなのか!?」と問い詰め春田の目の前で「好きだけどそういうのじゃ…」と言わせているあたり既に失恋を自覚している主人公の死体蹴りしていて草。本当に全員の上司という立場を理由にしてやりたい放題である。あと四宮は容赦なく投げ飛ばした癖に成瀬にはお姫様だっこしたり投げ飛ばす事なく優しく降ろしてあげて贔屓してる感じが顔が可愛い相手には手加減しちゃうぞwていうじじいのスケベ心が出ていてなんか普通に気持ち悪いです(素直な感想)

あと春田の中の人が武蔵と相撲してる時素で笑っちゃってるのもそれをそのまま使っちゃうのも酷い。役を生きてる上のリアルな反応とかじゃなくてシンプルに馴れ合い臭が出てしまう。不動産編で受けたアドリブとか「素」感ってそういうのじゃないから…。

その後全員纏めてかかってこいと挑発し3人を相手に圧勝する武蔵。しかも最後にはみんな「きゃぷて〜〜ん」と武蔵に抱き付いている。接待忖度に加えなろう系まで兼ね備えてるとは恐れ入った。なろう系はなろう系らしくいっそトラックに轢かれてみては如何だろうか。

あと最終話で相撲をやると知った時点で「スロー演出で主題歌流れたらどうしよう」とか冗談で言っていたのだが本当にスロー演出で感動的なBGM使われてて草。なんなんだよこのドラマ。

そして相撲後、何故か全てのしがらみが解決し四宮はあっさり寮に戻って来て主人公と成瀬と仲良くご飯を食べている。進研ゼミの漫画だってここまで都合は良くないぞ。あと主人公も成瀬もマジでご飯を食べている姿がお世辞にも綺麗に見えないのはそういう演出プランなのだろうか…。

一方黒澤家ではひながパイロットを辞める父に今までのお礼を述べている。「お父さんはいつも自分よりもあたしを優先して来て…だからあたしがこれからはお父さんを応援する!!」と言うてるがこちとら娘より自分の気持ち最優先にして周囲を巻き込んで暴走している武蔵しか見ていないのでこの言葉に疑問しか生じない。早く帰って欲しい客にぶぶ漬け勧める的なそういうあれ?遠回しの一周巡回した嫌味なのかと疑うような無理のある台詞である。これまでマジで空気だった武蔵がここにきて周囲の人間からめちゃくちゃ持ち上げられていて違和感しか感じない。

その後も四宮と主人公で「キャプテンはすごい」「すごいすごい」「俺たちのことめちゃくちゃ考えてくれてる」とこれでもかという位褒め称えているのだが言葉でいくら説明されようが武蔵の凄さも周囲を想っている姿もドラマとして一つも描いてくれていないので異国語のニュースでも聞いているかの様な気持ちである。

「俺今度しのさんのとろっとろのチーズハンバーグ食べたいです⭐︎」と振ってもなお無邪気な乞食ぶりを披露する主人公に「もうお前のリクエストには答えない」と主人公の気持ちとの決別を選言する四宮。なんでなんで〜〜〜と甘ったれた駄々をこねている主人公を成瀬がコンビニに誘い外へと連れ出す。

「春田さんは俺を変えてくれた大切なズっ友だから付き合えない。でも誰かを大切に思う気持ちとか逃げないかっこよさとか俺に色んな気持ちを教えてくれたのはあなたです」と涙ながらに語る成瀬だがマジでいつ教わったの?通信教育とか陰で受けてた感じ?これ一応はドラマなんだからそういうのは見える所でやろうな。
そしてバッサリ振られた者と振った者同士お互い涙目になりながら抱き合う。恋愛感情抜きにしても絆の強い二人を描きたいのだろうか絆どころかお互いがどうして相手に好感を抱いたのすらよく分からん二人の号泣ハグを見せられても真顔にしかなれない。

そして武蔵のラストフライトは丁度クリスマスイブ。そこで8話目にして初の機内での仕事描写が入る。ここまで引っ張り、さて一体主人公はどのような仕事ぶりが描かれるのかと思いきや、一言で言うと「私情ダダ漏れドラゲナイ」である。

乗客を目の前に主人公は「機長は本当に滅茶苦茶な人で…この前もいきなりみんなを集めて相撲をとろうって言い始めて〜〜何言ってるんだろうと思ったんですけどぉ〜〜そこでまだ絆が強まって〜〜〜俺もキャプテンみたいに誰かを愛したいです!ちょっと何言っているのか自分でもよく分からなくなってきちゃいました〜〜」みたいな、ポーズももろともSEKAINOOWARIなアナウンスをする。てめぇの日記帳にでも書いておけやと思うぐだぐだ私事アナウンスに何故か乗客は感動し拍手喝采。一介のCAがフライトにこの様な私情を持ち込める航空会社は恐らくpeachだけだろう。

それから武蔵による機内アンサーアナウンス〜そばに居るね〜を返した所で主題歌が流れる
が内容的に全然盛り上がっていないのでただのsumika泣かせである。sumikaはこのドラマの為に曲を書き下ろし何度も何度も歌詞を書き直したそうだが才能あるバンドの努力をドブに捨てる様な真似をして心は痛まないのだろうか。

フライト後、空港の職員から拍手で向かい入れられた武蔵は獅子丸に花束を渡される。この獅子丸という男、登場前は散々嵐を呼ぶ男と言われていた割に結局最後まで顔の良いモブで終わりマジで存在意義が分からなかった。役者の無駄遣いである。今までの登場人物一人一人が主題歌をバックに武蔵に感謝の気持ちを伝えて行き、まさに武蔵の為のドラマ状態である。しかも散々武蔵との別れを感動的に演出しておきながら武蔵は指導教官として会社に残る事が判明するのである。ああそう。

モブやっつけノルマとしてひなと整備士の青年(年齢差11?)がいい感じになりデートに行くことになる一方で四宮と成瀬が二人で寮でグラタンを作りイチャイチャしている。主人公からのリクエストは断ったにも関わらず成瀬の好物はきゃっきゃと作っているあたり四宮の心情の変化が見受けられる。そんな自分の気持ちにまだ四宮は付いて行けていないようだが満更ではなくなんやかんやあり二人は幸せなキスをして終了。前話であれ程主人公と成瀬に時間割いておいて…つうかドラマの中で成瀬と主人公は二回キスして雨の中ハグして最終回直前で意味深に手を繋いでいたにも関わらず結局主人公がばっさり振られてここがくっ付くのすげえな…。いや成瀬は最初から一貫して四宮の事好きだったんだけどさ…。

そんな中、春田に呼び出された武蔵はそこで春田から「好きです」と告白を受ける。少なくとも先程成瀬に振られるまで成瀬成瀬言うてた男のドラマ終了時間ラスト5分前の突然の心変わりに視聴者も武蔵も戸惑う。その後のやりとりがこうである。

「俺はきゃぷてんと離れたくないんです!」
「それは感傷だよ」(せやな)
「きゃぷてんがいない毎日なんか考えられません」(7話まで割とそんな毎日だったぞ)
「それは上司と部下としてだろう!?好きとかそういうのじゃないだろ!」(せやな)

と諭す武蔵に対し「俺にもよく分からないんですよ!!!この気持ちが尊敬なのか友情なのか恋愛感情なのか…でも、俺は、きゃぷてんが俺にくれた愛情が嬉しくて…だから…これから先も一緒に幸せみつけられたらいいなって…」と意味不明な供述をする主人公。極め付けに 武蔵からされた告白の言葉をそのまま返し、「きゃぷてんの事〜〜好きになってもいいですか!??」と叫ぶ。

汚い顔で泣きながら「うそだぁ…」と言いながら結局両手で丸を作り「まる〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」と叫ぶ武蔵。割と速攻でOKしてるがこのような老いぼれに好きな相手を取られた娘のこれからを思うとマジで地獄である。

そして二人は抱き合い最後に武蔵が「はる…たん」と呟き、タイトルロゴ映る今作のファンも前作のファンも踏みにじる様な怪奇的なラストで終わる。

マジで主人公が武蔵を好きになるそんな伏線が殆どなく、成瀬に振られて気が触れたか…?と思ったが、主人公の中の人によるとそれはサプライズ重視でわざと描写してこなかったらしい。クソかよ。視聴者の期待を裏切る事と予想を裏切る事の区別もつかねえのかよ。しかも散々別ものと言っておきながら最後の最後で世界線繋げた趣味の悪さには言葉を失う。正に今世紀最大のクソドラマであった。

しかし天空不動産編を作った製作陣がどうしてここまで酷い作品を作れるのかと考えたのが、確かに天空不動産編は傑作だったが、「完璧な作品」ではなかった様に思う。

それは例えば上司の立場を利用して春田をランチミーティングに誘ったり、レストランに呼び出して 手を握ったりするもろな「パワハラ」「セクハラ」描写の数々や三十年間連れ添った非の打ちどころのない妻、蝶子への扱いの雑さに見受けられていた。

ファミリーレストランで蝶子の前で春田に腕を絡ませ蝶子から目を逸らすシーンとか、武蔵に好きな相手が出来たせいで離婚するにも関わらず「今までお世話になりました」と健気にも頭を下げる蝶子をガン無視して春田とのラインに夢中な武蔵のシーンとか、思い出すだけでも本当に不快なシーンであり、セクハラもそうだが「それはちょっと人としてどうなんだ?」という描写は全て武蔵の登場シーンから感じられていた。

しかし我々がおっさんずラブを傑作と感じたのは、その「人としてどうなんだ」と思ってしまうキャラがいる事などてんで気にならない程強力な魅力と説得力がある牧という存在があり、牧の恋路を見守るのに必死でその突っ込みどころに突っ込んでいる余裕がなかったからなのではないのだろうか。

また、蝶子の役どころは正直目も当てられないほど悲惨な展開が続くにもかかわらず可哀想という印象だけに留まらずその天性の可愛らしさ女性的魅力で蝶子のキャラをコミカルにも奥行きのあるキャラに仕立てた蝶子の中の人の功績もかなり大きい。

牧や蝶子の中の人の力業、また他の役者陣の圧倒的演技力があり脚本の粗から目を逸らされていた我々ではあったが、がらりとキャストが変わった事によりそんな魔法は解けてしまった。

ようは、元々製作陣の倫理観はこんなもんだったし実力もたかがしれていたのだ。それが役者のおかげで巨大なコンテンツになり、急ごしらえ金儲けに走った結果生まれたドラマが今作である。

いやしかし、今回は酷かった。前作では最後には春田が牧を選び、その上 結婚式から抜け出すという中々やられた側としてはダメージが大きい行為を武蔵が受けた為、それまで武蔵がしでかしてきた非倫理的行為も有耶無耶になっていたが、今回は違う。パワハラセクハラ横暴はそのままに、いや寧ろパワーアップした武蔵が四宮成瀬ひな主人公にしてきた数々の「人としてどうなんだ」行為は春田と結ばれた事によりそれごと肯定されてしまったようで非常に後味が悪いラストともいえる。

だがまあこれ程クソみたいな展開にしてくれたおかげでちっともバズらず空気化してるのでアンチには優しいドラマだったのかもしれない。大好きなコンテンツが自ら堕ちていく姿を見ていた二か月間は本当に辛かったが残念ながらこの地獄に出口を私は未だ見出せずにいる。今は天空不動産の思い出を胸に生きているが、武蔵が出るシーンを見るのが辛いのでドラマ劇場版ともどもディレクターズカット版ならぬ武蔵カット版出して欲しい。

以上、この様な呪詛の塊に目を通して頂き、ありがとう御座しました。