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コンコン空咳物語 4

この物語は
コンコン空咳が1ヶ月も続いたのち
肺がんの発見から完治までの出来事と
がんと向き合った気持ちを綴ったものです。

入院で肺癌治療はじめる

4月20日いよいよ入院だ。
二つの治療を受けるために約3ヶ月と少しの肺癌治療に向き合う
ことになる。
1、抗がん剤治療、4コース(クール)
2、放射線治療 25回照射

自分だけは罹らないと思っていた癌の現実的な治療開始だ。
なぜかやる気満々なのが不思議なくらいだった。

入院初日の午前中
放射線科医師の診察と照射計画の説明を聞いた。
「照射部位は右肺下葉+肺門縦隔リンパ節、照射総量50グレイ(Gy)
一回照射2グレイ、全25回です。」

いろんな学びの情報から、放射線療法は癌細胞のみならず正常細胞まで
広くダメージを受けるという。
そんなイメージを強く持っていたので、医師には失敬と思いつつ
「ピンポイントで照射できるサイバーナイフの設備はあるのですか?」

医師曰く「ピンポイントではなくエリアポイントで照射できる技術があり、
むしろサイバーナイフ以上の高い効率で照射治療ができるようになっています。」

「照射ポイントを決めて、呼吸した状態で癌細胞の可動域を測定して効率良い照射計画です。」
「照射時間は照射位置をコンピュータで自動計算するのに5分、照射に10分の計15分が一回の治療時間です。」
進化していることを聞いて、内心ほっとした気持ちだった。

治療中の副作用について念を押された。
皮膚炎
食道炎
放射線性肺炎

6ヶ月後の副作用も知らされた。
放射性肺炎
胸膜炎
肺繊維症
食道狭窄
心膜炎
冠動脈狭窄
放射線性脊髄炎

放射線治療の副作用は当然ありうることと思いつつ、全部納得する以外にないと思った。
原爆の放射能の大きさから見れば、蚊に刺されたくらいのものではないか。
このくらいなことでへこたれてたまるかの気持ちだった。
健常細胞や免疫細胞を一生懸命守って見せるぞのファイトが漲った。

エリアポイントの計算された照射域を見せてもらった。
その中に食道とリンパ節と脊椎がわずかに入るが、縮小次第では
これらを避けて範囲を狭くしての計画変更も持ち合わせているとの
ことだった。



サイバーナイフの提案を振りかざしたせいか「うるさい患者」と
思っていたのだろうか、とても丁寧で納得のゆく説明を聞くことができた。
不安を抱くより聞いて納得して治療に参加することが大切と思った。

入院初日の午後
看護師より1コース(クール)の治療計画書に基づいて説明を受けた。
抗癌剤療法の始まりだ !
「キモも座って、さあドンとこい」の気持ちだった。

まずは吐き気止めの内服1カプセルと、吐き気止めステロイド点滴から
始まった。
抗癌剤点滴日には前処置として、吐き気止めの内服と点滴を受ける。

次はいよいよ抗ガン剤だ。
「CBDCA/VP-16療法」という名がついている。
カルボプラチンとエトポシドの2種類の組み合わせの化学療法で、
小細胞性肺癌などに対する処方だ。

1日目カルボブラチンとエトポシド2剤の両方の点滴
2日目と3日目はエトポシドのみの点滴だ。
3日間で抗がん剤の点滴治療を済ませるものだ。

初日の今日は午後5時30分に終わった。
あとは抗癌剤の投与後の様子を見る日が約18日間だ。
すなわち点滴の3日間と経過観察18日間の計21日間で
1コース(クール)と言うことだ。

今日1日いろいろなことを知った。
主治医が回診してくれた。
病理組織(生検検査)の検査結果を持ってきたが、診断通りだった。
脳CTの検査結果は脳への転移はなかった。
PETの診断も主治医の診断と同じであった。

脳への転移は気になったがほっとした瞬間だった。
夜の病院食のタンパク質はゼロに近いじゃないか。

買いだめした蒲鉾や缶詰も頬張りながら、空腹には
耐えられず完食して就寝したのだった。
(食欲が落ちるというが私には無縁かも・・笑)

次回に続く。

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