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コンコン空咳物語 1

この物語は
コンコン空咳が1ヶ月も続いたのち
肺がんの発見して治療に取りかかり完治までの出来事と
がんとの向き合い方について自分の気持ちを綴ったものです。

実はコンコン空咳の原因は肺がん進行していて気管支を圧迫して
咳き込んでいたのだった。
体調は良かったが昨年(2022年)3月初旬からコンコンと空咳が出始めた。
後期高齢の身で体力以上にタイトに身体と頭を使ったから、体は辛くて
悲鳴を上げてアラートを発したのだろうくらいにしか捉えていなかった。

3月下旬になっても咳が取れなく、むしろ激しくなったかなと感じていた。
そうこうしているうちに3月27日明け方よりダイナミックに
皮膚が肥厚する蕁麻疹の症状が現れた。
アナフェラキシーだっ!!

日曜救急当番医に駆け込んだ。
医師は4日分の抗アレルギー薬を処方する以外に手立てがないとの
ことであった。
蕁麻疹は2日間で50%くらい落ち着いた。

不安がよぎって咳の実態をさぐり、体を労わらなくてはいけないと
反省し始めた。
そして4月1日(金曜)の昼頃、呼吸器専門の開業医院に克明に症状を記述して外来予約をFAXで流してみた。

すると2時間もたたないうちに院長先生から直々にお電話をいただいた。
(思いもよらず院長先生からの電話に直立不動で話をしたのだった。)
「明日は土曜だが時間を取るのでいらしてください」とのことであった。

FAXに記述した内容で早い対応をしていただいたのかと、正直安堵したことを覚えている。
翌2日10時半くらいから喀痰、心電図、呼吸機能、胸のCT撮影を終えて
院長先生の診察を受けたのであった。
「井原さん、ここにこんな大きなものが2箇所にあるんです。これが咳の原因ですね。
「この癌巣が大きくなって気管支を圧迫して空咳が出ていたのでしょう」
と診断された。
明快な診断結果であった。

指先の左下部(左肺)が原発巣、指先のところが転移部分で、それぞれが3cmの大きさである


「残念だが開業医院の手に負えない病状です。NTT札幌病院を紹介しますね。」とのことであった。

まさかと思いつつ、すんなり肺癌であることを認めて受け入れたのである。
紹介先の病院で詳しい判定が出ると思いつつ、心中は意外と素直に癌を認め、そして癌と向き合い、早く癌細胞さんに退縮していただくかを考え始めたのであった。

4人兄弟で2人の兄が肺癌、妹が子宮癌、私だけが癌は無縁かと思っていたがそうにはならなかった。
中学3年くらいから63歳まで喫煙していたこともあり、DNAは「お前だけは大丈夫だよ」
と言ってくれないのか、そんな甘いわけはないだろう・・・と観念した。

4月5日は午前からNTT札幌病院呼吸器内科で組み込まれた検査スケジュールをこなしていった。
造影剤を使ったCT画像、レントゲン撮影、心電図、血液の検査を受けた。
4月6日は病院の近隣の医療機関でPET撮影を済ませた。
4月7日は又NTT札幌病院で気管支鏡透視と生検、そして脳転移も疑い
造影剤併用の脳MRI撮影をした。
数々の高価な検査をしたものだ。

検査を進めるにつれてこの肺がんの進行が広く転移していないだろうか、
それだけが気になっていた。
散らばっていれば広範囲な治療になるので、今の体力で乗り切れるかどうかが心配だった。
検査や診断の結果は4月14日に外来で報告をいただけることで、アレルギー薬の処方箋をいただき病院を後にした。

次回に続く・・

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