重ねた時を最初から。【大きな目】

歌う事が好きです。多分ずっと。
理屈抜きにそれが“楽しい”だと知ってました。

ある日、音楽の先生に「合唱やらない?」と誘われました。
小さな町の小学生が集めて合唱会があるそうです。
もちろん2つ返事で参加しました。

私の横には大きな目の友人が歌ってました。
特別仲が良くはありませんが大きな目の友人はとても上手に歌ってて、私も横で一生懸命歌いました。

そうしてる内に合唱会も迫ってきて…
音楽の先生は私達を集めてこう言います。

「今迄の練習で『やめたい』と思った人は舞台をおりなさい」

私は“やめたい”何て思った事は無いです…だけど…
大きな目の友人と仲良くなりたくて
「練習いや〜やめよっか(笑)」
そんな軽口を言って笑いあってました。

だからこそ、大きな目の友人は舞台を降りて体育館をでて行き…私は舞台に立ち続けました。

“歌う”それだけの為にです。
ただ…手を伸ばせば“一緒に歌えた”そう気付くのはずっと後の話です。

結局、合唱会で表彰状を受け取り
他校の先生から「上手だね」と褒めらながら“大きな目の友人も居ればもっと上手に歌えたのに…”なんて身勝手に思う事で、私は私を誤魔化したように憶えてます。

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