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さまざまな証ひょうⅢ-当座勘定照合表・通帳-

預金にまつわる証ひょうには、当座勘定照合表(とうざかんじょうしょうごうひょう)と通帳(つうちょう)があります。どちらも預金口座の入出金を記録した書類ですが、当座預金は通帳がありません。そのため毎月、当座預金照合表が届きます。

当座勘定照合表

下図の証ひょうを見てみると、真ん中に①証ひょう名=当座勘定照合表と記載されています。

1当座勘定照合表名称

右上にある日付は、②証ひょうの発行日です。取引のあった日付は、表中の③取引日です。この日付に従って必要な仕訳を行います。摘要欄の右隣にあるお支払金額欄は、当座預金からの④出金額、お預り金額欄は当座預金への⑤入金額を記載しています。

【例題10-3】①
取引銀行のインターネットバンキングサービスから当座勘定照合表(入出金明細)を参照したところ、以下の通りであった。なお、うさぎ商店と黒しば商店は当社の商品取引先であり商品売買取引は掛けとしている。また、小切手(No.1360)は前月に振り出したものである。各日付の取引について仕訳をしなさい。

2当座勘定照合表


4月2日
摘要欄に小切手引落とあるので、振り出していた小切手が取り立てられたということですが、問題文に『小切手(No.1360)は前月に振り出したものである』とあります。小切手の振り出しは、振り出した日に仕訳を行います。 つまり、4月2日は仕訳なしです。

例題10-3①1


4月15日
摘要欄とお支払金額欄から、当座預金からうさぎ商店へ振込みをしたことが分かります。資産の減少=当座預金を記入します。

例題10-3①2


うさぎ商店との取引は掛けでおこなっているので、負債の減少=買掛金を記入します。

例題10-3①3


振込手数料として300円かかっているので、費用の発生=支払手数料を記入し、資産の減少=当座預金の金額を修正します。

例題10-3①4


4月21日
摘要欄とお預り金額欄から、黒しば商店から当座預金に振込みがあったことが分かります。資産の増加=当座預金を記入します。

例題10-3①5


黒しば商店との取引は掛けで行なっているので、資産の減少=売掛金を記入します。

例題10-3①6


通帳

銀行の普通預金や定期預金の通帳には、紙の通帳のほかにWeb通帳と呼ばれる入出金明細があります。記載内容は、当座勘定照合表とよく似ています。

【例題10-3】②
取引銀行のインターネットバンキングサービスから普通預金の入出金明細を参照したところ、以下の通りであった。なお、しまうま商店は商品の取引先であり、商品売買取引は全て掛けとしている。各日付の仕訳をしなさい。

3取引明細


5月7日
摘要欄とお預かり金額欄から、普通預金へ入金していたことがわかります。資産の増加=普通預金を記入します。

例題10-3②1


摘要欄にATM入金とあるので、会社から現金を持ち出してATMから入金していたことが分かります。資産の減少=現金を記入します。

例題10-3②2


5月16日
摘要欄とお預り金額欄から、しまうま商店から振込みがあったことが分かります。資産の増加=普通預金を記入します。

例題10-3②3


しまうま商店との取引は掛けで行なっているので、資産の減少=売掛金を記入します。

例題10-3②4


5月25日
摘要欄とお支払金額欄から、電話料金を普通預金から支払ったことが分かります。資産の減少=普通預金を記入します。

例題10-3②5


電話料金を支払っているので、費用の発生=通信費を記入します。

例題10-3②6

1つひとつの取引は簡単ですが、当座勘定照合表やWEB通帳の項目名に引きずられて混乱してしまうことがあります。会社の立場で仕訳していることを忘れないようにしましょう。

今回はここまで。
ではまた。


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