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訂正仕訳

毎日仕訳をしていると、後日、金額や勘定科目のまちがいに気づくことがあります。そういった場合、書き直したり消したりしません。処理しおえたモノはそのままにしておくんですね。

じゃあ、どうやって訂正するのかというと、まちがって記帳した仕訳を残したまま正しい仕訳となるように修正に必要な仕訳をします。 これを訂正仕訳(ていせいしわけ)といいます。

訂正仕訳を行うには、まちがって記帳した仕訳正しい仕訳訂正仕訳の3つを考え書き出していきます。

なお訂正仕訳のタイミングは、①金額を訂正するとき ②勘定科目を訂正するとき の2つです。

①金額を訂正するとき

【例題12-1】①
先日、普通預金から支払った水道代9,000円を6,000円と記帳していたため、本日訂正した。

誤処理をしていたといっているので、まちがって記帳した仕訳を考えます。水道代を支払っているので、費用の発生=水道光熱費6,000を記入します。

例題12-1①1


代金は普通預金から支払っているので、資産の減少=普通預金6,000を記入します。

例題12-1①2


次に正しい仕訳を考えます。今回は金額をまちがっていたので正しい金額=9,000を記入します。勘定科目は変わりません。

例題12-1①3


その次に考えるのが、修正に必要な訂正仕訳です。まちがって記帳した仕訳から正しい仕訳にするには、どちらの勘定も金額を3,000円ずつ増やす必要があります。

例題12-1①4


そこで訂正仕訳は、費用の発生=水道光熱費3,000と資産の減少=普通預金3,000を記入します。

例題12-1①5

これで帳簿は、間違った仕訳と訂正仕訳の2つをあわせて正しい仕訳で処理した場合と同じ状態になります。


②勘定科目を訂正するとき

【例題12-1】②
商品を注文し手付金30,000円を現金で支払っていたが、これを仕入と記帳していた。本日、訂正する。

誤処理をしているので、まちがって記帳した仕訳を考えます。『仕入と記帳していた』といっているので、費用の発生=仕入30,000を記入します。

例題12-1②1


現金で支払っているので、資産の減少=現金30,000を記入します。

例題12-1②2


次に正しい仕訳を考えます。 手付金を現金で支払っているので、資産の増加=前払金30,000と資産の減少=現金30,000です。

例題12-1②3


次に考えるのが、訂正仕訳です。

これまでの仕訳を確認してみると、正しい仕訳にある現金勘定は、まちがった仕訳の時点ですでに記帳済みです。ところが、まちがって記帳した仕訳にある仕入勘定は、正しい仕訳に出てこないため不要です。そこで取り消しをするために、費用の消滅=仕入30,000を記入します。

例題12-1②4


正しい仕訳に必要な前払金勘定はまだ記帳されていないので、資産の増加=前払金30,000を記入します。

例題12-1②5


訂正仕訳は、すでに記帳済みのまちがった仕訳を活かしたうえで必要な仕訳を考えるところが特徴です。手間を惜しまず、間違った仕訳・正しい仕訳・訂正仕訳の3つを必ず書きだしながら解答していきましょう。

今回はここまで。
ではまた。


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