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貸倒れの処理

取引先が倒産したり夜逃げしたことで、売掛金、電子記録債権、貸付金などの債権が回収できなくなること貸倒れ(かしだおれ)といいます。

債権は、あとでおカネを回収する権利のことなので、貸倒れたということはおカネが受け取れなくなったということです。ツラい話ですが、これも簿記の世界では取引となるので、きちんと記録しなければいけません。

債権が貸倒れとなった場合には、貸倒損失(かしだおれそんしつ)勘定(費用)で処理します。ただし、この処理が適用されるのは、当期に発生した債権が貸倒れた場合のみです。というのも簿記の世界では、収益と費用は同じ会計期間内で対応させる必要があるからです。

例えば、当期に発生した売掛金が貸倒れたとしましょう。この売掛金は、当期に発生した売上に対する債権です。これが貸倒れているので、当期の収益=売上とこれに関連する当期の費用=貸倒損失勘定として対応しているから計上してOK!ということなんです。

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【例題13-2】①
得意先であるうさぎ商店が倒産し、同社に対する当期発生の売掛金200,000円が貸倒れた。

当期発生の売掛金が貸倒れているので、資産の減少=売掛金を記入します。

例題13-2①1


当期発生債権の貸倒れなので、費用の発生=貸倒損失を記入します。

例題13-2①2


ここまで、当期に発生した債権が貸倒れた場合の処理をみてきました。
では、前期に発生した売掛金が貸倒れた場合は、どのように処理するのでしょう?

債権の収益である売上が発生したのは前期で、貸倒れが発生したのが当期です。そうすると、それぞれの取引を処理する会計期間が異なり収益と費用が対応しないので、貸倒れを貸倒損失勘定で処理することはできません。

スライド51


そこで決算の際に、翌期以降に貸倒れる可能性がある金額を見積もって当期の費用として計上するとともに、翌期にくり越す債権をマイナスする項目として勘定を計上することで間接的に対応させます。これを貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)の設定といいます。

次回、詳しくベンキョーしていきます。
ではまた。

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