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鹿革の特徴とおすすめ鹿革財布ブランド10選を紹介

みなさんは鹿革製品を使ったことはありますか?

おそらく多くの人がNOと答えると思います。
実際鹿革はあまり見たり使ったりする機会のない素材ですよね…

このように認知度の低い鹿革ですが実は牛革や豚革と比べても高品質であり、様々な魅力や可能性を秘めた素材なのです!

この記事ではそうした鹿革の魅力をお伝えするために鹿革の特徴とおすすめ鹿革ブランド10選を紹介していきます。

是非最後まで読んでいってくださいね。


1.鹿革の特徴

肌ざわり
鹿革は濡れているのかと錯覚するようなしっとりとした、触れると手が吸い込まれるような柔らかい肌触りをしています。この特性から、鹿革はヒトの肌に最も近い革とされていて、「第二の肌」と呼ばれることもあります。この理由として、鹿革の繊維が非常に細く、きめ細かく、保湿性も高いことが挙げられます。また、使い込むほどに手に馴染んでいくので、使えば使うほどに、その肌触りは使うものにとって心地よいものになること間違いなしです。


柔軟性
鹿革は牛革や豚革といった革と比べ高い伸縮性を持ち、財布に加工してもスムーズでストレスフリーな開閉が可能で、グローブや手袋に加工しても手に吸い付くようにフィットし、ほとんど素手であるかのように使うものに錯覚させます。引張耐性も優れていて、引き裂くような強い力がかかっても滅多に破れることはありません。ただの皮だとほっておくと経年劣化で硬くなってしまいますが、鞣して(なめして)加工された革は、その柔らかさを保ったままあり続けます。


軽い
牛革や豚革よりも軽く、持ち運びがしやすいです。そのため、鹿革財布をズボンのポケットに入れていても違和感なく過ごすことができます。その軽さは手に取った人にしか分かりません。あなたもぜひ鹿革の軽さを体験してみませんか?


丈夫
鹿革はその丈夫さゆえに、古くから日本において武具や祭礼の道具として使用されてきました。奈良時代にできた東大寺正倉院には鹿革製の品があり、その中には1000年以上も前の品もあるそうです。それは朽ち果てているどころか、柔軟性を失わず、今なお鮮やかな輝きを見せ使用できる状態なのです。現代においても、その丈夫さを買われて、鹿革は剣道の防具に使われています。


保湿力、吸水性、通気性
保湿力、吸水性が高く、水にぬれても変形しにくい性質があります。驚くべきところは、今述べたような性質と通気性を両立させているところです。通気性も優れているので、製品の中が蒸れることが少なく、雑菌の繁殖を防いでくれます。湿気の多い日本においてこの性質は最適と言えます。


手入れが簡単
鹿革は革自体に油分を多く含んでいるため、油分の補給が必要ありません。そのため手入れが簡単に済むと言われています。また、水にぬれた場合も油分は保たれたままなので、雨の日も必要以上に濡れることを心配しなくてもよいのです。手入れの具体的な方法としては、やわらかいブラシ(馬毛ぶらしなど)を使ってホコリを落とす、そして汚れている部分に専用スプレーを使って叩くように汚れを落としたのちに、またブラシをかける。注意点は、硬いブラシで強くこすらないこと(鹿革は表面に対するひっかき傷に弱いため)、また水で濡れたときに直射日光やドライヤー、ストーブを使って乾かさないことです。(水に濡れると革の耐熱性が下がって熱変性を起こし、硬く脆くなり製品がダメになってしまうため。)


供給量が少ない
鹿は毎年50億円以上の農作物被害をもたらすため多くが駆除されていますが、その多くはそのまま埋められるか放置されています。そして鹿の皮は鹿革になることなく腐ってしまうのです。しかし、この現状を変えるため、今まではただ捨てられるだけだった鹿を活かして財布や革靴を作る取り組みがここ数年で増えてきており、徐々にですが鹿革製品に対する理解も広まっています。


銀面がはがれやすい。
銀面とは革の表面部分のことです。「手入れ」で述べたように、鹿革は表面へのひっかき傷に弱く、使用する際はそこに注意しなければなりません。鞄に入れるときに金具にひっかけないようにしましょう。また、強い摩擦も銀面がはがれる原因になりうるので注意が必要です。傷がついても味が出たと考えることも可能ですが、できるだけきれいに使っていきたいのなら、丁寧に大切に優しく扱ってあげてください。


歴史
日本で最も古いなめし革に関する記述は『日本書紀』にまで遡ります。実際、鹿は弥生時代から利用されていました。鹿は弓矢で狩られていたので、皮があまり傷つかず衣服に加工しやすかったからです。また、江戸時代までは革と言えば鹿革でした。しかし、現代では鹿革の利用率は1%ほどしかありません。その理由は畜産業が盛んになり、牛や豚の革が安く大量に手に入るようになったからです。また、猟師が捕獲した鹿の革を一か所に集める仕組みができていないことも原因に挙げられます。一枚一枚加工していてはコストが膨大になってしまうので、それを解決するためにまとめて一度に直す必要があるのですが、今はそういったシステムができていないのです。



2.国内産の鹿革を利用している財布ブランド5選

印傳屋 鹿革と漆の伝統工芸

1582年に創業した伝統あるブランドで、主に鹿革と漆を用いた革工芸品を作っています。鹿革を利用している商品には財布、名刺入れ、バッグなどがあります。日本の革工芸を伝えることを1つの目標としているブランドなので、どの商品にも日本らしい柄やデザインが使用されていて、とてもかわいいです。持っているだけで日本好きをアピールできるため、特に海外の日本好きの方におすすめです。



DIYA 里山の問題を知ってほしい

鹿による農作物への被害と駆除の現状について知ってもらうことを大きな目標としているブランド。鹿革を使った財布やキーホルダー、サコッシュなどを主に販売しています。基本的にシンプルなデザインが多く、本藍染めなどを用いてシンプルで自然な色合いを出しているのが特徴です。どの商品も自然の雰囲気があるので、ナチュラル系のファッションが好きな方におすすめです。



Deervery 鹿の利用率100%へ 世界一触りたくなる財布 

鹿の駆除問題(60万頭駆除、91%廃棄)について知ってもらうだけではなく、駆除された鹿の利用率100%を目指して活動しているブランド。2021年にできたばかりのブランドで、多くの人に問題と魅力を知ってもらいたいとの思いから、「鹿革界のユニクロ」を目指し、高品質でシンプルなデザインを手に取りやすい価格で販売しています。常に触っていたくなるような肌触りの良さと、鞣し(革の加工)と縫製を歴史ある工場で行っている点が特徴的です。また、革の肌触りに注目してもらうため、色は黒だけに絞っているという点も特徴的です。「スクリーン見過ぎて、目が疲れた」という気持ちを和らげてくれるような優しい肌触り。シンプルだけど、他人と違う物が欲しいという方におすすめです。



Steal Leather Industry 「とんち」デザインで心を盗む


2005年に生まれた、革を用いたユニークな商品を制作しているブランド。鹿革を用いた商品にはコインケース、ライター、アッシュトレイ、ミンティアケースなどがあります。デザインもユニークで、まさに「とんち」の効いた商品が多いため、個性的なファッションが得意な方や新しいファッションスタイルに挑戦してみたい方におすすめです。



HANEZU 日本の伝統文化を後世に継承したい


長崎県発祥の鹿革ブランド。自社の牧場で鹿を育て、その革を使って財布やペンケース、スマートフォンケースなどを制作しているブランドです。制作方法にこだわりがあり、白なめし革や植物性の材料を利用したベジタブルタンニン革を藍染めなどの日本の伝統的な技術を用いて加工しています。素材や制作方法へのこだわりを重視する方におすすめです。



3.輸入の鹿革を利用している財布ブランド2選

Cypris(キプリス)本質的価値のあるモノづくり


https://www.cypris-online.jp/c/series/deerskin2

外国から輸入された革を日本の職人が加工することで高品質な商品を生み出しているブランド。鹿革については、ニュージーランドの鹿革やフィンランドのエルク革を輸入して財布を作っています。全体的にシンプルで落ち着いたデザインの商品が多く、職人の手で品質を重視して加工されているため、仕事でスーツを着る機会が多い方におすすめです。



革工房パーリィー 物の大切さ、革の贅沢な素材感を伝える


革製品の制作を通してサステナビリティを意識したモノづくりをしているブランド。鹿革製品については、Cyprisと同様にニュージーランドの鹿革やフィンランドのエルク革を利用し、財布、ペンケース、スマホケース、バッグなどを制作しています。木製製品の上に置くと映えるような暖かみのあるデザインの商品が多いため、アメカジ系やアウトドア系が好きな方におすすめです。



4.鹿革を利用している海外の財布ブランド3選

Maison Margiela (メゾンマルジェラ)   なぜか惹かれてしまうデザイン


https://www.maisonmargiela.com/jp/maison-margiela/%E8%B2%A1%E5%B8%83_cod46616385bm.html

1988年創業のフランスのブランド。前衛的なデザインで近年人気を獲得しています。鹿革商品は財布をメインに展開しています。個性的なデザインの多いマルジェラですが財布に関してはシンプルでスタイリッシュな物が多いです。またマルジェラの鹿革財布は長持ちで、使い込むと味が出ることに定評があります。ブランドイメージ的にもモード系のファッションが好きな方におすすめです。




Pierre Cardin (ピエールカルダン) 懐かしさのあるクールさ


1950年代に創業したフランスのブランド。1960年代から70年代にかけて高い人気を集めました。鹿革商品はバッグ、グローブ、革靴、財布などを扱っています。これらの商品は基本的にスタイリッシュで紳士的ながらも、60年代を彷彿とさせるようなデザインがされているので、30、40代の方やビンテージ系、古着が好きな方におすすめです。



PRADA(プラダ) 最高級の革製品


https://item.rakuten.co.jp/brstring/gpr020br5056vdn/

1913年にイタリアで生まれた世界的に有名なブランド。鹿革商品では財布やウィメンズのバッグが有名で、高級感があって使いやすいデザインの商品が多いです。PRADAはもともと革製品を扱うブランドとして創業したため、革製品に対する信頼は厚く、定評があります。日本でも人気のあるブランドなので、バッグを一つ持っているだけでも自慢できます。


5.まとめ

いかがだったでしょうか。鹿革には様々な魅力があり、企業やブランドによってその魅力の引き出し方は大きく異なります。その中でこの記事があなた好みの鹿革製品を見つける手助けになれば幸いです!最後までお読みいただきありがとうございます。































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