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新入生あいさつ 04.08

2024年度新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、ご臨席の保護者の皆様、ご子息のご入学まことにおめでとうございます。昨年度予算委員会議長として、在校生を代表してご挨拶させていただきます。ここからは肩の力を抜いて、笑うところは笑って聞いていただければと思います。

さて、この度、新入生の皆さんにスピーチさせていだたくにあたり、何をお話しするか、非常に悩みました。皆さんにお伝えしたいことは本当に山ほどありましたが、今日はその中から厳選してお話しできればと思います。

 

それは、一言で言うと「壮大な遊びをしよう」ということです。

麻布の環境を最大限活用して、できるだけ多くの経験を積む。簡単なことのように聞こえますが、心掛けていないと時間はすぐに経ってしまいます。

 

みなさんにとって大きな誘惑は先ほど校長の話にもありましたが、スマホ、あるいは学校で一人一台購入することになったiPadではないでしょうか。動画を見たり、ゲームをすることを非難するつもりはありません。しかし、去年の中1からは状況が一変しました。iPadで朝から放課後まで、ゲーム配信を見続ける中1が続出したということが僕の記憶には強く残っています。ある教員が、この状況を「ゲームセンター」と表現したように―――もっとも、僕が入学したころは「動物園」なんて言われていたわけですが、―――どちらが良いかはさておき、僕や何人かの教員は、一人一台iPad政策を大きな失敗という風に考えています。(会場笑い)

笑いながら頭を下げる理事長(iPad導入を推進した)

ちょっとここで言うのも気が引けるんですけれども。
麻布でスマホやiPadばかりやっているなんて、もったいない。

では、この環境で何をすれば良いのでしょうか。中1の皆さんにおすすめしたいことを2つばかりお話しさせてください。

まず1つ目。一人でも多くの人と関わってみましょう。クラスメイト、同級生、部活の先輩。いろんな、という言葉で表現できないほど個性豊かな麻布生がいます。決して全員と仲良くしろ、と言っているわけではありません。この人となら仲良くなれそう、と思う人をぜひ探してみてください。

また、教員にも積極的に関わることをおすすめします。教員室が通り抜け自由であることが象徴しているように、麻布の教員は話しかけてくれるのを待っている……と、僕は勝手に思っています。年齢も、専門も、過ごしてきた人生も異なる大人たちと話せる良い機会ですので、仲良くなっておくと、後々良いことがあるはずです。

そして、2つ目。様々な情報を自分からキャッチしに行きましょう。麻布は、何かをしようと思えば何でもできますし、逆に何もしたくなければ何もせずに生活することだってできます。しかし、せっかくの麻布生活です。情報を多く得るに越したことはありません。

一番手っ取り早いのは、色々ななコミュニティに参加すること。部活、予算委員会を始めとした生徒自治機関、あるいは文化祭実行委員会も皆さんを歓迎してくれるでしょう。そうした枠組みに当てはまらない有志で活動している団体もあります。校内の張り紙や配られるプリントに目を光らせて、情報をどんどん取りに行ってください。

また、情報という意味では図書館にもぜひ中1から足を運んでほしいです。受験で本を読む習慣が途絶えてしまった人も、或いは今まで全然触れてこなかった人も。おすすめは新着本コーナー。きっとあなたが興味を惹かれる一冊があるはずです。ここだけの話ですが、司書さんと仲良くなると、自分が読みそうな本を仕入れてくれることがあるかもしれません。

 

この2つが特に話したかったことです。1つ追加するとすれば、皆さんがこの環境で過ごせることへの感謝を忘れないでください。

ただ、これからは自立へと向かうパートです。親御さんも、ぜひご子息が麻布でのびのびと過ごせるよう、適度な距離で見守って、応援していただければと思います。

 

冒頭で「壮大な遊び」と言いましたが、この意味がわかってくるのは麻布生活の後半になってからかと、僕は思います。いろんな人と関わって、情報をたくさん持っていると、高校生になってから見える景色が絶対に違います。

皆さんも、この環境でのびのびとやりたいことをできるように、そして、壮大な遊びができるように。

 良い6年間にしてください。応援しています。


原稿から一部変更して読み上げた点は原則あいさつの通りに変更しましたが、一部実際のあいさつとは異なる点があります。

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