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初恋の思ひ出

優ちゃんです

ばななさんの企画作品です

優ちゃんお誕生日おめでとう作品です

#むらいゆ20featぶらうんもんきーべいびー

よしなにしてくださいな


















ーーーーーーーー














子供の頃


白いツツジに囲まれた


不思議な女の子を見たことがある


その女の子はいつも公園の


ツツジの蜜を吸っていて


吸い終わったツツジは冠にしていた


その姿はとても可愛らしくとても綺麗で


妖精のようだと思った記憶がある


その時の俺は子供ながらに


その女の子に初めて恋をし


いつかその女の子に話しかけて


名前を聞いてみようと思っていた


だけど


その女の子はツツジが枯れる頃には

現れなくなった

















それが俺の初恋


顔も髪型も曖昧にしか覚えていなくて


最近では本当にその女の子は居たのだろうかと


疑うことの方が多い


もし


あの子が現実に存在しないのなら


あの子はなんだったんだろうか


もしかしたら


本当に白いツツジの妖精なのかも……


なんて


くだらない考えが頭によぎった


成人した大の男が妖精なんて信じてどうするんだ


いくら初恋とはいえ


別にその女の子を必死で探してるわけでもない


ただ


本当になんとなく


その女の子にもう一度会いたくなった












ーー
○○〜?もう出るよ~?


○○
はーい
すぐ行くー


家の窓の向こうに見える


思い出の公園を眺めていると


玄関で靴を履いている恋人の村井優から


声が掛かった







今日は久々に二人で


のんびりとお出掛けでもしようか


という話になり


今は準備中だった


窓のカーテンを閉め


急いで優の元に駆け寄る


もう既に俺の恋人は靴を履き終えていて


ドアに寄りかかり


俺を待っていた


遅い!だなんて


文句を言って拗ねつつも


毎回律儀に待っていてくれるのは


愛されている証拠かもしれない








家を出て少し歩き


大通りに出ると先程見ていた公園が見えてくる


ルンルンと隣を歩く恋人


所々跳んでる感じがするから


やっぱり自分の恋人はウサギなのかもしれない


そんな恋人を横目に公園の前を通ると


家の窓からは見えなかったが


今の時期は向日葵が沢山咲いていた


その周りでは子供達が仲良く遊んでいる



なに見てるのー?


○○
んー?向日葵?



なんで疑問系?


○○
いや
子どもを見ていたと言えば見ていたし
向日葵を見ていたと言えば見ていたから?
後、昔はここ
白いツツジが咲いてたのを思い出したから?



……何それ(  ・-・̆  )


○○
優は分かんなくていいよ笑



えぇ…?


俺の言葉に優は首を傾げ


頭の上にハテナマークを浮かべたが


興味を無くしたのか


すぐに俺の手を引いて


近くにあったカフェへと入った







ほどよく日の当たる窓際の席


そこでまったりとメニューを開くと


美味しそうなデザートたちが描かれていた


思わず二人で目を輝かせながら注文していく


注文の確認を終えた店員が


裏へと入っていくのを見届けながら


再び二人で話始めた



○○
優、過去の恋人達に
''ちょっとメンヘラ過ぎて無理''
とか言われてすぐ振られてそう笑



いきなりなに急に😒


○○
んー…なんとなく思っただけ笑



ひどくない?
別に寂しいから一緒に居て欲しいだけだし(˘^˘ )
私は沢山愛を伝えてるだけだもん
ていうかそのメンヘラと付き合ってるのはだぁれ?


○○
俺だね…笑



(◦`꒳´◦)フン!
どうせ○○はヘタレ過ぎて振られてるんでしょ?


○○
……否定は出来ない笑
でもそんなヘタレと付き合ってんのは誰よ笑



……確かにー🤔
…………私……だね…笑



なんでちょっと溜めたんだよ


なんてお互いに軽いツッコミを入れながら


運ばれてきたパフェを受け取る


スプーン受け取り


そのまま上の乗っていたクリームを一口食べる


口の中にはクリーム特有の甘さが広がった


口にはしなかったけど


お互いにパフェが気に入ったようで


会話する間もなく、次々と口に運んでいく


優は一口食べる度に


初めて食べたようなリアクションをしながら


食べていた


前にも来て食べたことあるのに


と思いながら内心微笑んだ








あ、そうだ
さっき○○、向日葵見てたじゃない?
その向日葵の花言葉って知ってる?
後、ツツジも


○○
花言葉?そういえば考えたことないなぁ…



(◦ˉ ˘ ˉ◦)フフフ
じゃあ私が教えてあげる!
向日葵の花言葉はね
''あなただけを見つめている''
だよ
白いツツジは''初恋''だよ


○○
ふーん



うわ、せっかく教えたのに興味なさそう




興味がない訳ではない


ただ、今は初恋の女の子より


目の前の恋人の方が愛おしいと感じる


だからこそ


その女の子のことは今は思い出したくない


恋人以外の女の子に会いたいなんて思うだけで


罪悪感に苛まれそうになるから


だけど


少しだけ


ほんの少しだけ


''初恋''を教えてくれたその女の子は


今の恋人に少し似ているような気がした


でも今は向日葵の花言葉のように


優のことだけを見つめていたい






白のツツジで思い出したんだけど…
昔、本当に7歳とかそのくらいの話なんだけど


○○
……急にどうした?日本昔ばなし始まった?



……花咲かじいさん?


○○
…………
ごめん……優にツッコミを求めた僕が悪かった



……やっぱり
私、ボケしかないのかな……(.. )シュン


○○
まぁまぁ笑




てか、そうじゃなくて
ちゃんと聞いてよ!!





ツツジでなにか思い出したのか


優がゆっくりと話し始める


その表情は普段俺に向ける表情と


全く同じものだった






○○
…それで?



その時の私ね
めっちゃツツジの蜜にハマってて
一日中吸ってたこともあったの
その時に初めて会った男の子が
目をキラキラさせながら
''ツツジの妖精さんだ!''って言ったの
今思えば全然意味が分からないんだけど
当時の私は"妖精"って言葉が何故か胸に響いてね
その男の子に初めて恋しちゃったんだ







この話には何故か聞き覚えがあった


そして徐々に俺の過去の記憶も鮮明に蘇ってくる


あぁそういえば''初恋''の彼女の髪型は


今、目の前にいる恋人と同じ


おさげのツインテールだった







でも私ね
その後すぐ引っ越ししちゃって
結局なーんにも話せなかったの
だからさぁ…春になって
ツツジの蜜を吸ってる子を見たら
もう一度会いたくなっちゃうんだよね
おかしいかな私
恋人が居るのに
ちっちゃい頃に好きになった人に
こんな気持ちになるのは



○○
……優は、今その人に必ず会えるってなったら
俺を置いてその人を選ぶ?



いや、会わないと思うよ
会えるなら会ってみたいとは思うけど
その''初恋''の人よりも大事なのは
今……この瞬間を一緒に……
過ごしたいと……思う……
……○○だけだし////((ボソッ


○○
ごめん、最後の方よく聞き取れなかった



な、なんでもない////


○○
あ、そう
会ってみたいなら、おかしくないんじゃない?
俺もちょっとだけ
初恋の人に会ってみたいと思うし



じゃあいっか!
でも本当に会ってみたいなぁ…あの時の男の子


○○
……会う必要ないよ、別に



えっ…!なに…?!
もしかして…嫉妬!?妬いてくれた?!
珍しい!!
えっ…!嬉しい!!!!


○○
別にそんなんじゃ…



もぉ~!○○は嫉妬深いんだから~!( *´꒳`* )ニヤニヤ


○○
だからそんなんじゃないって笑










''嫉妬''なのかもしれないけど


まさか過去の自分に嫉妬をする日がくるなんて


情けない笑


でもそれと同時に嬉しかった


今の恋人も初恋の女の子も……いや


優は年齢が変わっても


俺のことを好きになってくれたんだから





















しばらくこの話の真実は内緒にして置こうと思った


彼女が自ら気付いた時に


どんな反応をするかがとても楽しみだから


次のお出掛けはピクニックにして


場所は


思い出の公園にしてみようか


でも春にツツジが咲き誇っている時の方が


より思い出すかな?


どんな風に優が驚くのか今から楽しみで仕方がない












____fin

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