俺の可愛い幼馴染は何を着てもめちゃくちゃ可愛い

小島凪紗さんで書きました


ボブなぎ可愛い


よしなにしてくださいな




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ーー
ねぇ、見て見て！

お母さんに新しいワンピース買って貰ったの！

どう？似合う？










子供の頃

幼馴染の凪紗はそう言いながら

買って貰ったばかりの洋服を着た姿を

俺に見せつけてきた









凪紗が一回転するとフワッと翻るスカートの裾

その時はまだ、そこに目がいくのはほんの一瞬で

俺の視線はすぐにニカっと笑う

凪紗の顔に釘付けになる

そんな凪紗に俺は決まってこう言う








○○
うん、''よく似合ってる''

凄く可愛いよ








嘘はついていない

お世辞も言っていない

おニューのワンピースを着ている凪紗も

母親にワンピースを買って貰ったことを

喜んでいる凪紗も

そしてそのことを嬉しそうに俺に報告する凪紗も

どんな凪紗も俺は可愛いと思っている










たとえ今凪紗の着ている服が

ワンピースじゃなくても

同じ感想を口にすると思う





仮に全身タイツや豹柄の服を身につけていたって

俺は変わらず

凄く可愛い

と言っている筈だ






服そのものに魅力があるのではなく

それを着用している凪紗が魅力的なのであって

服というのは凪紗の魅力を

一層際立たされる付属品に過ぎなくて








何が言いたいのかというと

要するに

俺の幼馴染は何を着てももの凄く可愛いのだ















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小学校の卒業式を終えて、早数日

春休みの間

毎日のように遊びに来ていた凪紗が

この日も我が家にやって来た








ピーンポーン、ピーンポーン











凪紗曰く

チャイム2回は「私が来たよ」の合図らしい

モニターで来訪者を確認することもせず

俺は玄関ドアを開ける

だからこそ

俺は凪紗の姿に驚きを隠せなかった

凪紗
ねぇ、見て見て！

中学校の制服が届いたの！

どう、似合う？







来月から俺たちの通う中学校の制服を身にまとい

凪紗は俺に聞く





サイズの記されたタグが付いていることから

その制服が今し方届いたばかりだということがわかる

きっと凪紗は一刻も早く制服を着た姿を

俺に見せたかったんだろう

そう思うと無性に嬉しくなってきた







凪紗が一回転すると

フワッと翻るスカートの裾

露わになった白い太ももに俺の視線は向く








……って、いかんいかん！

凪紗は俺に制服姿を見せにきたんだ

邪な視線を向けるなんて失礼である((ﾁﾗｯ




邪念を振り払うべく首を横に振る

そんな俺の行動を見て凪紗は不安そうな顔をした






凪紗
もしかして……似合ってない？

やっぱり、子供っぽいかな……？(´._.`)ｼｭﾝ





○○
そんなことはないよ

寧ろ、見惚れていた

……見惚れすぎていた







凪紗
……そっか////




一緒にお風呂に入ったことだってあるというのに

何でだろう

とてつもなく恥ずかしくなってきた






チラッと幼馴染の方を見ると

凪紗も俺に負けないくらい顔を真っ赤にしている

そんな凪紗の表情を見て

俺も更に赤くなるわけで

赤面スパイラルだ




凪紗
……それで？////


○○
……それでって？


凪紗
……いや、ほら……////

まだ……答えを聞いていないんだけど……？////








自分の中では答えたつもりでいたけれど

どうやら凪紗はきちんと言葉にして欲しいようだ

俺は凪紗の求めている一言を口にする





○○
うん、''よく似合ってる''

凄く可愛いよ





嘘偽りない俺の言葉に凪紗は笑顔で応えるのだった













ーーーーーーー












中学を卒業して早数日











ピーンポーン、ピーンポーン













玄関チャイムが2回鳴った












○○
今行くから、少し待ってろー






ドアを開けると

そこには……

来月から通う予定の高校の制服を着た

凪紗が立っていた

凪紗
じゃーん！

新しい制服でーす！

……そういえば3年前にも同じことがあったな

あの時もこうやって

届いたばかりの制服を着て

玄関チャイムを鳴らしてたっけ








よく見るとサイズ表示の記されたタグが

付いたままになっている

……全く、3年前と何も変わらないじゃないか笑

そんな俺の感想はすぐさま否定されることになる











制服越しでもわかるくらい成長した胸部

同年代の中では大きい方だとか

ほんのり施された化粧は

彼女が子供から大人へと

変化しつつあることを示唆している

髪もロングヘアからバッサリ

ボブヘアにしていた

凪紗
ねぇ、似合ってる？








例の如くそう尋ねられたので









○○
''よく似合ってる''

凄く可愛いよ








といつも通りの本音を返す

勿論、凪紗は嬉しそうだ








凪紗
こんなに可愛いと入学するなり

注目の的になっちゃうかもね

放課後校舎裏に呼び出されちゃったり？








○○
…………




凪紗
○○……？





○○
ん……？

あぁ……なんでもないよ








調子に乗んな、バカ

みたいなツッコミを期待しているんだろうけど

その期待に応えることは出来ない

なぜなら……

冗談抜きで

凪紗は男子生徒たちからの人気を

集めるに決まっている












贔屓目を抜きにしても凪紗はめちゃくちゃ可愛い

とても魅力的な女性だ

実際中学の頃も何度か告白されていたみたいだし

高校生になり大人の魅力まで会得した以上

モテるのは必至








クラス1の陽キャか生徒会長か

それとも運動部のキャプテンか

凪紗は一体どんな男の彼女になるのだろうか？










○○
……高校入ったら生徒会か運動部に入ろうかな……


凪紗
……ん？

よくわからないけど

意識高いのは良いことだと思うよ！

頑張れ！









頑張れって……

俺が何の為に頑張ろうとしていると

思っているんだよ……









俺はいつまで凪紗の幼馴染でいられるのか？

そんな疑問が不意に投げかけられたような気がした









変わりゆく日常

変わっていく凪紗

だとするならば

俺たちの関係も

変えていかなければならないのかもしれない

















ーーーーーー















俺たちが大学に入り

3年が経過した










バイトとサークルと時々勉強

充実した大学生活を謳歌していた俺だけど

これからはそうも言っていられない

就職活動が控えている









数え切れない程の会社に足を運んで

数え切れない回数の面接を受けて

そのほとんどからお祈りメールが届くんだろうな







始まる前から就活に対して

不安を抱いていた俺は

もういっそバイトしてその日を

生きていけば良いかなぁ

と思い始めていた











夜23時

バイトを終え帰宅すると

玄関の前で1人の女性が座り込んでいた

スーツ姿のその女性は他でもない凪紗だっだ









○○
……凪紗？


凪紗
やっと帰ってきた……ヤッホ


○○
……こんな夜遅くに何の用だよ？


凪紗
……用って程のことじゃないんだけど

スーツ姿まだ見せていなかったなーって








確かに凪紗がリクルートスーツを

着たところを見るのはこれが初めてだ

俺は求められる前に感想を口にした







○○
''よく似合ってる''

凄く可愛いよ






凪紗
…………




……おかしいな

いつもなら心底嬉しそうな顔をするというのに

どうにも今日の凪紗は褒められても

浮かない表情をしていた








○○
何かあったのか？


凪紗
……やっぱり、わかっちゃう？



○○
何年幼馴染やってると思ってんだ

……それで？






凪紗
……

今日面接を受けてきたんだけどさ

結構ボロクソ言われちゃって

この先社会に出てやっていけないんじゃないかって

自信をなくしちゃった……











今まで周りにチヤホヤされて育ってきた奴だからな

否定されたように感じて

心底へこんでいるようだ

差し詰め俺に慰めて欲しくて

バイトが終わるのを待っていたってところか









俺の予想は、的中していた












凪紗
ねぇ……この後って空いてる……？

飲みに付き合ってくれない？


○○
別に構わないけどどこで飲む？

時間も時間だしお前の家にするか？



凪紗
うーん、それはちょっと……



○○
じゃあどこにする？




凪紗
…………




○○
凪紗？





凪紗
○○……

今夜は帰りたくないな……













……おいおい

それは単なる飲みへの誘い文句じゃないだろう

そのセリフの真意は別のところにある








結局俺は高校でも大学でも陽キャになれなかった

生徒会長になれなかった

運動部のキャプテンになれなかった











でも――















俺は凪紗の手を握る

彼女も俺の手を握り返す








○○
……別に社会に出なくたっていいだろ


凪紗
えっ？



○○
俺の横にずっと一緒にいればいいだろ……



凪紗
それって……



○○
いいから行くぞ……

























余談だが何も着ていない彼女もまた魅力的だった















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あれから数年












この日は玄関チャイムは鳴らず

その代わりにウェディングベルの音が鳴り響いていた

純白のドレスに身を包んだ彼女を見ながら俺は思う

俺と凪紗は幼馴染だ

その事実はいつまで経っても変わらない

だけど今はそれだけじゃない

家族とか夫婦とか何ものにも変え難い絆が

俺たちの間にはある








ーー
健やかなる時も病める時も――






というお決まりの質問に

俺は








○○
誓います







と即答する






凪紗も








凪紗
誓うに決まってるじゃん







と涙ぐみながら答える









ーー
それでは、誓いのキスを









参列者たちに注目されながら

俺は凪紗の両肩に手を添える







口付けを交わす直前

凪紗は涙を流しながら俺に尋ねてきた









凪紗
ねぇ、似合ってる？



○○
あぁ、''よく似合ってるよ''
凄く可愛い































やっぱり俺の幼馴染は何を着ても

世界で一番可愛かった

＿＿＿＿fin