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鈍い感覚

藤吉夏鈴さんで書きました。
初作品なのでどうぞよしなに




藤吉夏鈴は無愛想である

ーー
「ねぇ、藤吉さんよかったら一緒にお昼ご飯どう」

夏鈴
「嫌」



藤吉夏鈴は無口である


ーー
「あの〜藤吉さんがいつも読んでる本って
何て言うの?」

夏鈴
……。(無視)


ーーーーーーーー


◯◯
「夏鈴〜学食行こう〜
今日弁当忘れちゃったんだ」

夏鈴
「…!」
「行く…!」

藤吉夏鈴は
俺、◯◯の幼馴染である

夏鈴
「カレー美味しい」

◯◯
「カレー美味いよなぁカレー」

夏鈴
「美味しい」

藤吉夏鈴という少女は昔からそうだ
その恵まれたビジュアルで
多くの男性を引きつける一方
人付き合いを極端に嫌う
誰に話しかけられてもまともに
相手をしないし自分から誰かに
話しかけることももちろんない
本当に仲の良い人にしか話さない

◯◯
「でもお前いつもカレーだよな」

夏鈴
「カレー美味しいから」

◯◯
「カレー美味しいもんな」


そんな彼女が唯一心を開いている異性が
幼馴染である俺だというのも
互いの両親がどちらもお幼馴染の関係で
生まれた時からずっと一緒で
ほぼ兄弟同然のように過ごしてきた中である
心を開いてないはずもない


◯◯
「たまにはカレー以外食べようと思わないのか?」
「親子丼とか天ぷらうどんとか」

夏鈴
「カレー美味しいのに」

◯◯
「カレー美味しいよな」


加えて彼女は極端に変化を嫌う
食の変化、趣味の変化、住む場所の変化、
そして人間関係の変化
いや、ただ単に面倒くさがってるだけかもしれない


とどのつまり彼女が俺にばかり固執するのは俺がカレーのような存在だから
ということである
なんだカレーのような存在って



ガヤガヤ
ーーー
「この前は楽しかったね〜」

ーーー
「そうだね
遊園地楽しかったね〜」

ガヤガヤ


◯◯
「どうした?」

夏鈴
「私たち、先週遊園地行った」

◯◯
「あー言ったな楽しかったな」
「あれ?それがどうかしたか?」

夏鈴
「うん」

「隣の席の人たちもいたらしい」

◯◯
「みたいだな」

夏鈴
「彼らは付き合ってるみたい」

◯◯
「そのようだな」

夏鈴
「むぅ…( ・̆⤙・̆ )」


◯◯
「(何が言いたいんだこいつは)」
「あ、もしかしてだけどお前」

夏鈴
「……!」

◯◯
「恋人欲しいなぁとか思ってるのか」

夏鈴
「ま、まぁ……///」

◯◯
「えっ、マジで?」

夏鈴
「私だって普通の女の子でもう高校生、
恋人が欲しいと思うかもしれない」

◯◯
「意外だな」
「てっきりそういうのを全く興味がないのかと思った」

夏鈴
「◯◯が興味無さすぎる…こんなにアピールしてるのに…((ボソッ…」

◯◯
「えっ?」

夏鈴
「何でもない」

◯◯
「お前がそういう話題を出したこと、今までに一度もなかっただろう」
「恋人にしたいタイプとかあるのか?」

夏鈴
「あ、ある…」

◯◯
「おー」

夏鈴
「えっと…」
「いつも私のそばにいてくれるような人で」

◯◯
「うん」

夏鈴
「勉強は別に出来なくてもよくて…」

◯◯
「ハードル低めだな」

夏鈴
「私の両親とも仲良くしてくれる人で」

◯◯
「お前の両親はすげーいい人だから大丈夫だろ」

夏鈴
「カレーが美味しいことわかってくれる人で…」

◯◯
「今のところほぼ誰でも当てはまるな」

夏鈴
「身長は175cm体重は64kgで
視力は両目1.5の人がいい」

◯◯
「いや、急に細かいな笑」

夏鈴
「……ど、どう思う?」

◯◯
「どう思うって言われてもそれは…」

夏鈴
「それは?」

◯◯
「そんな人が見つかるといいな、俺は応援してるぜ」

夏鈴
「…………」

◯◯
「な、なんだよ…」

夏鈴
「条件に凄まじく鈍感な野郎も追加しておく」

◯◯
「(な、なぜ、そんなマイナスステータスを望む必要が…)」

夏鈴
「……そういう◯◯は」

◯◯
「ん?」

夏鈴
「恋人欲しいとか思わないの?」

◯◯
「ふむ……」
「言われてみれば考えたことなかったなぁ」

夏鈴
「そうなの?」

◯◯
「うん、今は夏鈴といるのが楽しいし、他は別にって感じ」

夏鈴
「…!そ、それって……」

◯◯
「何せ、兄妹みたいなもんだからな、俺と夏鈴は!」

夏鈴
「え…」

◯◯
「ここまで気を許せる相手はそうそうできないし」
「ま、だから当分はいいかな、恋人とかそういうのは」

夏鈴
「…………」

◯◯
「あ、あれ……?」
「夏鈴?どうした?」

夏鈴
「何でもない…」
「ハァ━━ァ...」

◯◯
「いやそんなクソデカため息つきながら
何でもないと言われても…」

「(何か気に障るようなこと言ったか俺?)」


ーーーーー

帰宅後



ーーーーー

◯◯
「ふぅ…」
「それにしてもまさかあの夏鈴が恋愛に興味を持っていたとはなあ…」

いやそもそもそれが正常なのだろう
彼女自身も言っていた通り、俺たちはもう高校生なんだしそういう年頃だ
好きな相手はおろか彼女のように、好きなタイプーつを思いつきすらしない
俺の方がきっと異常なんだって
言っても彼女なんか作ったところで、夏鈴と一緒にいるより楽しいイメージがそもそもわかないし……

ーー
「何をブツブツ言ってるのお兄ちゃん♡」

◯◯
「いや、近いわ」

ソファーに座っている俺を後ろから抱きついてきて俺の顔に頬擦りをする彼女は理子、一つ下の妹だ

ちなみに血はつながっていない5年ほど前に親が再婚した際にできた義理の妹だ

理子
「ふへ…////」
「このままだと、キスしちゃうかもね////」

◯◯
「暑苦しい」

理子
「……もっと他に言える言葉なかった?」

「よいしょっと」

◯◯
「だから近いって、てか膝の上に乗るな」

理子
「いいじゃ〜ん、兄妹なんだしよくない?」

◯◯
「一箇所に体重を集中させると、ソファーの寿命が縮む」

理子
「もっと他に言える言葉あるでしょうが、ねぇ」

◯◯
「…じゃあ重いって言った方がいいか?」

理子
「…は?」
「ごめん聞き取れなった、もっかい言って?ニコッ圧」

◯◯
「なんでもありません…ガクブル」

理子と兄妹になったのは俺が中学生で彼女が小学生の頃
理子の人懐っこさもあってか当初から彼女は、兄である俺にべったりで、今みたいにかなり近い距離感で毎日を過ごしてきた
とはいえもう高校生さすがに兄妹とはいえ、ここまで異性でベタベタしてるのもそこはかとなく良くない気がしなくもない……と思って
いるのだけど……

◯◯
「理子、前にも言ったけどもういい年なんだから兄にここまでベタベタするのはやめたほうがいいんじゃないか」

理子
「やだ」
「だって、お兄ちゃんのこと好きだし♡」


これである

まあ本人がそうしたいなら、無理に突き放す必要もないだろうけども
こいつの場合こうして定期的に牽制しておかないと、お風呂すら一緒に入ろうとしてくるからなぁ…

もっとも、理子が中学から進学校に通っている関係で、
学校ではこうして一緒になることがないのは救いだけど…


理子
「ところでお兄ちゃん明日って暇?」

◯◯
「わかんない」

理子
「わかんないって何?」

◯◯
「お前の提案次第で暇か、そうでないかが確定する」
「提案を聞くまでは明日暇な俺と明日暇じゃない俺が、同時に存在するということだ」

理子
「何そのシュレディンガーの猫みたいな」

◯◯
「でなんだ、暇だったらどうだって言うんだ」

理子
「デートしたいなぁ♡って思って」

◯◯
「残念だったな、理子明日の俺はとても忙しい」

理子
「もう一度箱の中に詰め込むよ?お兄ちゃん」

◯◯
「やめろ物理的にシュレディンガーの猫を再現しようとするな」

理子
「なんでよ〜私とデートするの嫌?ウルウル」

◯◯
「だって先週も先々週もしたじゃねえか」

おかげで自分の時間が全くない、少なくとも先週は夏鈴と映画でも見に行こうかと勝手に計画立てていたのに…

理子
「だって学校ではお兄ちゃんに会えないし、休みの日ぐらいお兄ちゃんと一緒に出かけたいよ私は……(´Д⊂グスン」

◯◯
「十分すぎるくらい出かけてるだろう全く…」


……やれやれ仕方ないか
これ以上断ったところで延々と
駄々をこねられるのは目に見えているし

◯◯
「……分かった」

理子
よしっ!

◯◯
「(噓泣きもうまくなったもんだ)」
「その代わり来週はなしだぞ、いいな?」

理子
「無しかどうかは来週になったら確定します」

◯◯
「シュレディンガーの猫みたいなこと言うな」


ーーーーーー
そして翌日

ーーーーーー


理子
「お兄ちゃーん」

◯◯
「んー?」

理子
「こうして手繋いで歩いてるとカップルみたいだね私たち♡」

◯◯
「兄妹だろ」

理子
「血は繋がってないじゃん」

◯◯
「なんでそんな悲しいこと言うんだ、血はつながってなくても俺たちは家族だろシクシク」

理子
「なんかごめん」

時折、理子は自分たちがあくまで義理の兄妹であることを主張する
何だ俺はそんなに本当の兄として認めるにはふさわしくない男だというのか……
お兄ちゃんはお前のことを本当の妹だと思っているというのに……

ーーー
「◯◯…?」

◯◯
「えっ?」

夏鈴
「…………」

◯◯
「夏鈴じゃないか、偶然だな〜」

理子
「……夏鈴?誰?」

◯◯
「前に話したことあったろ、幼馴染だよ」

夏鈴
「◯◯……誰それ……
も、もしかして恋人…?」

◯◯
「えっ?
いや、違うよ?
こいつは妹の理子だよ」

夏鈴
「な、なんだ、妹か…ホッ」
「あれ?でも◯◯に妹なんていたっけ…?」


◯◯
「うん、前に言わなかったっけ?
5年くらい前に親が再婚したって話」

夏鈴
「聞いた
まさか妹っていうのは……」

理子
「そーでーす!
妹は妹でも義理
血はつながってないの〜」

◯◯
「だからなんでそんな悲しいことを言うんだ、お兄ちゃん
泣いちゃうぞ(ノД`)シクシク」

理子
「ごめんって」

夏鈴
「ぎ、義理の妹……」
「ということは、普通に結婚できる相手……((ボソッ…」

◯◯
「ん?
どうした?」

夏鈴
「いや別に…
あの…」

◯◯
「ん?」

夏鈴
「2人はいつも…そんな感じなの?」

◯◯
「そんな感じって?」

夏鈴
「その…そうやって手を繋いだりとか…」

◯◯
「あ〜それは…」

理子
「このぐらいしょっちゅうだよね!
お兄ちゃん?」

◯◯
「…まあ、そうだな
兄妹だし」

夏鈴
「……なるほど、兄弟だから」
「……分かった、それじゃ」

◯◯
「あ、おい…」

……行ってしまった
なんか様子が変だったな
あいつどうしたんだろう……?

ーーーーーー
そして
休み明けの学校

ーーーーーー

夏鈴
「◯◯…」

◯◯
「お、おう
夏鈴おはよう___」
ギュッ
「って、うわっ!?」

唐突に夏鈴に腕に抱きつかれた

「あの夏鈴さん…?
いきなりこれはどういう…」

夏鈴
「◯◯は昨日言ってた
理子ちゃんとは兄妹だから手を繋いで歩くのは普通だと」

◯◯
「ま、まぁ、それに近いことは言ったな」

夏鈴
「なら私達はもっとすごいことが出来るはず……」

◯◯
「はい?」

なんだすごいことって?

夏鈴
「◯◯が理子ちゃんと兄妹になったのは5年前
私と出会ったのはそれより倍以上も前」

◯◯
「そうだな」

夏鈴
「そして、私は◯◯にとって兄妹みたいな存在なら、より経歴の長い私は理子ちゃん以上に近い距離感で◯◯と接することが求められるはず」

◯◯
「いや、求められはしないが……」

それは個人の自由では…

◯◯
「そもそも夏鈴よ、兄妹みたいな関係と本当の兄妹は違うだろう」

夏鈴
「血が繋がってないなら同じようなもの」

◯◯
「…グスン」

夏鈴
「えっ」

◯◯
「夏鈴までそんな悲しいこと言うなよぉ…グスン」

夏鈴
「えっ?
あれっ?ごめん…」

○○
「血が繋がってなくても兄妹は兄妹じゃんかぁ…」

夏鈴
「と、とにかくそういうわけだから
私も今後はこういう距離感で◯◯と接する」
「…いい?」

◯◯
「夏鈴がそうしたいって言うなら俺は止めないけど……」

夏鈴
「よしっ」


そもそも何でそんな対抗意識を燃やす必要が?
もしかしてちょいちょい休みの日に誘われても付き合いが悪かったことを根に持ってたりするのかな?
その原因が妹であることを察して、幼なじみとして嫉妬してるとか…
しかし…

夏鈴
「〜♪ ふふっ♪」


……なんか微妙にやりづらいなこれ
嫌なわけじゃないんだけど…

ーーーーーーー
昼休み
ーーーーーーー

◯◯
「いただきます」

夏鈴
「いただきます」

◯◯
「夏鈴は今日もカレーか」

夏鈴
「カレー美味しいから」

◯◯
「カレーうどんというのもあるぞ」

夏鈴
「でもカレーの方が美味しい」

◯◯
「カレー美味いよな」

夏鈴
「うん
カレーおいしい」


時折カレーを食べてる時の夏鈴の知能指数は
幼稚園以下なのではないかと思うことがある

夏鈴
「ところで◯◯…」

◯◯
「ん?」

夏鈴
「妹さんとは普段どういう風に過ごしてるの?」

◯◯
「どういう風って言われても難しいな…
家にいるときは大体あいつから近くに寄っ てくるけど…」

夏鈴
「例えば?」

◯◯
「俺がソファーに座ってればすぐ隣に座ってくるし、
俺が部屋に引きこもってれば、勝手に部屋に入ってくるし、
お風呂に入っていれば勝手に入ってくるし、
ベッドに入っていれば____」

夏鈴
「ちょっと待って」

◯◯
「ん?」

夏鈴
「……お風呂一緒に入ってるの?」

◯◯
「いや、流石にそれはまずいから
最近は鍵を取り付けた」

因みにすでに2回ほど突破されている
その内、犯罪に手を染めそうでお兄ちゃんは心配です

夏鈴
「じゃあベットは?」

◯◯
「朝、気づいたら勝手に
入ってることは未だにあるな」

夏鈴
「…………」

◯◯
「夏鈴?」

夏鈴
「状況は思ったより深刻」

◯◯
「だよなぁ…
いい加減高校生なんだし兄離れしてくれないとなぁ…」

夏鈴
「そういうことじゃない」

◯◯
「えっ」

夏鈴
「因みに食事中とかは何か気になる行動はある?」

◯◯
「食事中は……
よくあ〜んをねだってきたりすることはあるけど」

夏鈴
「……やってあげてるの?」

◯◯
「そりゃまぁ」

夏鈴
「……状況は思ったより最悪」

◯◯
「だよなぁ……
いい加減高校生なんだし兄離れしてくれないとなぁ」

夏鈴
「だからそういうことじゃない」

◯◯
「えっ」

なんで……?

夏鈴
「こうなったら仕方ないズイッ」

◯◯
「ん?
なんだ急に身を乗り出して…」

夏鈴
「言ったでしょう
私とはもっと凄いことをしようって」

◯◯
「言ったな」

夏鈴
「口移しで食べさせてあげる」

◯◯
「え、
待って待って待って」

それは本当にまずいっ!!!

夏鈴
「けど、あ〜んを越えるためには
これくらいしないと……」

◯◯
「お前のその使命感はよくわからんが
あ〜んくらいならしてやるから、ちょっと待ってろ」


夏鈴
「むぅ…分かった」

◯◯
「じゃあ、ほら
口開けて」

夏鈴
「あ〜ん」


……あれ?
なんだこれ
いつも理子には何の感情もなくやれてることなのに

夏鈴
「…?
どうしたの早く」

◯◯
「あ、あぁ…」


だから当然
理子以上に一緒に人生を過ごしてきた夏鈴になら当たり前に出来ることだと思ったのに…

◯◯
「…わ、悪い悪い
ほら」

夏鈴
ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”
「うん、美味しい」

夏鈴
「続いてもう一回
あ〜ん」

◯◯
「の、残りは自分で食べろ!」

夏鈴
「むぅ…」


なんでこんな…
緊張してしまうんだろう




ーーーーーー
夕食
ーーーーーー

理子
「お兄ちゃ〜ん
あ〜ん」

◯◯
「はい」

理子
「やり方に愛がない」

◯◯
「失敬な
愛はあるぞ」

理子
「そんな作業的にやらないで
もっと気持ちを込めて」

◯◯
「そんなこと言われてもなぁ…」

夕飯いつも通りの光景やっぱり

理子相手だとこの行動に対して
特に何も感じない

◯◯
「…なぁ、理子」

理子
「んー?」

◯◯
「お兄ちゃんのことさ
どう思ってる?」

理子
「そりゃもちろん
大好き♡超大好きだよ♡」

◯◯
「そうか、俺も理子のことは好きだ」

理子
「それも知ってるよ〜
なんでそんなこと急に?」

◯◯
「…いや、好きにも色々あるんだなって思ってさ」

理子
「?何それ?」

ーーーーーーー

翌日

ーーーーーーー

夏鈴
「◯◯、おはよう」

◯◯
「おう」

グイッ
夏鈴の肩を抱き寄せる

夏鈴
「えっ」

◯◯
「おはよう夏鈴」

夏鈴
「ちょっ…////
◯、◯◯……?////」

◯◯
「ん?なんだよ」

夏鈴
「い、いや
その…腕…////」

◯◯
「あぁ、これ?
別に理子ともこのぐらいよくやってるぞ」

夏鈴
「そ、そう…そうなんだ…////」

◯◯
「…………」

夏鈴
「…………」

◯◯
「…照れくさいならやめるけど」

夏鈴
「い、いやっ!////
そんなことないっ!////
全然っ!////」

◯◯
「そっか////」


……因みに俺はすごい照れくさいけどな



ーーーーーー

昼休み


ーーーーーー

◯◯
「はい、あーん」

夏鈴
「あ、あーん…」
ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”

◯◯
「美味しいか?」

夏鈴
「カレーが美味しくないわけない」

◯◯
「そうだったな」

こいつぁ、野暮なことを聞いたぜ笑


夏鈴
「……なんか、今日の◯◯、変」

◯◯
「そうか?」

夏鈴
「う、うん……
普段の◯◯ならこういうこと
そんなにしない……////」

◯◯
「だってお前がそうしろって言うから」

夏鈴
「た、確かにそう言ったけど…////」

◯◯
「……やっぱり照れくさい?」

夏鈴
「そ、そういうわけじゃ…!」

◯◯
「ふーん…」

夏鈴
「…………」

◯◯
「…………」

「…なぁ、夏鈴」

夏鈴
「な、なに?」

◯◯
「今日さ、夏鈴の家泊まりに行って良いか?」

夏鈴
「えっ////」

◯◯
「一緒のベッドで寝よう
いいだろ?」

夏鈴
「そ、それは……////」

◯◯
「ダメなのか?」

夏鈴
「駄目って…わけじゃ…////」
「心の準備がまだ…((ボソッ…」

◯◯
「昨日も言ったけど別に理子は
それぐらい普通にやってくるんだけど」

夏鈴
「うぅ…////」

◯◯
「普通にやってきてそして
…別に照れくさいとか恥ずかしいとか
全然思わない」

夏鈴
「……!」

◯◯
「だって、俺にとってあいつは
本当の兄妹だから」
「でも夏鈴は違う
兄妹みたいな関係なだけで
兄妹じゃない」

夏鈴
「…………」

◯◯
「だから今こうして何食わぬ顔してやってる
このあーんだって、本当は内心すげえ緊張しながらやってる」

夏鈴
「…わ、私も」

◯◯
「……!」

夏鈴
「本当は、結構照れてる////
◯◯と同じ……」

◯◯
「そっか、良かった
俺、今日はそれが聞きたかったんだ」

夏鈴
「◯◯……」

◯◯
「俺さ、夏鈴のことずっと好きだったけどようやくわかったんだよ
その感情が、異性に対する好きなんだって」

夏鈴
「……うん」

◯◯
「だからほっとした
お前が俺の行動に対して照れや恥ずかしさを感じてくれていて
お前にとって俺がそういう相手で」

夏鈴
「うんっ
私も___」

◯◯
「それって要は俺にもまだ辛うじて
脈があるって事だもんな」

夏鈴
「…………はっ?」

◯◯
「いやー、良かった良かった!
夏鈴に完全に兄妹みたいな
相手だと思われてなくて!
このまま全然何の感情もなく
俺のアタックを受け止められ続けたらどう
しようかと___」

夏鈴
「鈍感」

◯◯
「えっ?」

夏鈴
「究極の鈍感」

◯◯
「えっ?」




……fin……?








ーーーーーー

おまけ

ーーーーーー

理子
「えっ!?
お兄ちゃん恋人出来たの!?」

◯◯
「そーなんだよー
いやーなんか変な感じだなー
恋人ができるって」

理子
「…………
( ○'н' *)ムスッ」

◯◯
「……?どうした理子?
そんな変な顔して」

理子
「……そりゃするでしょ」

◯◯
「なんでだよ
兄に恋人が出来たんだ妹として
祝福くらいしてくれても良いじゃないかぁ」

理子
「鈍感」

◯◯
「えっ?」

理子
「究極の鈍感」

◯◯
「……どゆこと?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





◯◯
「夏鈴〜
学食にカレーの極みってあるぞ〜
スパイスを究極まで煮詰めた濃厚ルーだって」

夏鈴
「…………◯◯みたい…………」

◯◯
「えっ?」








END………?

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