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あの頃、過ぎた年月、そして今 オリジナル・ラブ デビュー30周年ライブへ

7月17日(土)、中野サンプラザでのオリジナル・ラブのデビュー30周年ライブツアーに行った。チケット販売時には見逃していたんだけど、払い戻しされたチケットが販売されていて、数日前にチケットを取ることができた。

オリジナル・ラブのライブは、2018年1月に開催されたイベント Love Jam vol.3 以来。デビュー30周年のライブということに加えて、音がいいホールと評判の中野サンプラザでのライブに行くのは初めてだったので、それも楽しみだった。
1991年にデビューというのは、フィッシュマンズと同じだったんだな。フィッシュマンズの映画にも出ているギターの木暮さんは、この日もオリジナル・ラブのバンドメンバー。

感染症対策で座席は一つおき、観客は声を出せず、拍手のみという中での開催。ライブで生の音楽を聴くの自体が、今年1月の藤井風さん以来(2020年はゼロ)だったこともあり、単に音を楽しむ、体を揺らすというより、始まりから感動が大きくて1曲目の「It’s a Wonderful World」、2曲目の「ラヴァーマン」から涙ぐんでしまった。

30周年のライブということで、初期の曲を中心に最近の曲を織り交ぜて進んでいく。1枚目から5枚目のアルバムは特によく聴いていて、最近も時々聴く好きな曲も多いので、うれしいセットリストだった。と言ってもなつかしさよりも、曲の色あせなさ、普遍性の高さをあらためて感じた。そしてキャリアを重ねる中で、よりソウルを感じさせる演奏の円熟味。

この日は、1994年に発売されたアルバム「風の歌を聴け」からの曲が一番多く、「It’s a Wonderful World」や「The Best Day of My Life」も演奏された。初めてオリジナル・ラブのライブに行ったのが、このアルバムが出た時の渋谷公会堂かNHKホールでのライブだったと思う。

今、コロナやオリンピック関連などで、世の中いろんなことが混乱していて、マスクをしている時間が長い影響もあって無表情になりがちだったり、先のことにもなかなか希望を持ちにくかったりする状況ではある。それでも世界は「Wonderful World」だし、そんな中でも「The Best Day of My Life」と思える瞬間をつくっていこう、そんなメッセージにも感じた。

「朝日のあたる道」は、リリースされた1994年頃からの時の流れがあっての今、ということが今回はより頭に浮かんだ。歌い演奏する田島さんとバンドメンバー、聴く側のそれぞれに、“あの頃“や“過ぎた年月“があっての今、という。

ライブは10分間の換気休憩をはさんで2時間ちょっとで終わった。30周年だしコロナの影響がなければ、もう少し長めの時間でさらにあの曲やこの曲も聴けたのかもしれないが、それはまたの楽しみに。
まさに “Don’t Forget Your Soul Power” というツアータイトルのとおり、忘れがちだったソウルパワーを奮い立たされるようなすばらしいライブだった。

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