運がない

ついに私にも彼女が、、、

 私は先日まで出会い系のアプリを入れていました。貴重な若い時間を恋愛をせずに育ってきたため、さすがにまずいと思い、アプリをやっていました。
 今回はそこで出会った女性の話をしたいと思います。
 その女性とは7月くらいに初めて会った気がします。アプリでの会話が盛り上がり、ランチに行くことになりました。お互い旅行が趣味であり、お互いの旅行の話で盛り上がりました。よく笑いよくしゃべってくれる女性で、とても魅力的な方でした。
 ご飯を食べ終え、帰っている途中に2回目のお誘いをしました。彼女も笑顔で了承してくれました。1回目のお店は私が調べていたため、彼女は次は自分が探すと言ってくれました。
 その言葉もあり、近い日にちで2回目の食事も決まりました。お店は彼女が調べてくれました。ただ食事に行くだけなのも微妙なため、私は映画に誘いました。
 私は映画館に行くことが好きなため、話題作が放映されると見に行きます。その時期はちょうど「君たちはどう生きるか」が放映されたころでした。この映画は賛否両論でした。内容が難しく、見た人によって意見が大きく変わる映画ということは理解していました。しかし、私が見たいと言うこともありこの映画を一緒に見ようとお誘いしました。
 2回目もランチに行きました。彼女が提案してくれたお店でご飯を食べ、そのあと映画を見に行きました。食事を食べてるときに、次はどこかでかけませんかと私からお誘いしました。もともと旅行好きで知り合っているため、どこか日帰り旅行ではないが、観光地に出かけようと言いました。彼女も乗気になってくれて、3回目会うことが決まりました。
 日程や行く場所を決めるために電話で話しました。電車で行ける、都内から近い観光地ということで、川越に行くことになりました。川越で食べ歩きをしながら、適当に観光をしようと話がまとまりました。
 私は勝ちを確信しました。出会い系をやっていれば、3回目で告白をするのが王道ということは全員が認識していると思います。そのため3回目のデートなんて最終面接みたいなもんです。行って下手なことをしなければ受かるやつです。また、3回目のデート場所が川越に日帰り旅行です。こんな場所嫌な人とは行きたくないでしょう。長い間二人でいますし、気になる人としか行かない場所のため、私は勝ちを確信しました。
 ついに私にも彼女ができるのか。前に別れてからずいぶんと時間が経っています。私は割と友達の多い人間です。友達と話すことも多いし、出かけることも多いです。またコミュニティ内では、リーダー的なポジションで、出かける予定などはすべて私が取り仕切ることが多いです。わりかししっかりしている人間であると思うのです。そんな私に彼女がいないため、不思議がってくれる人も多いです。まあ適当なお世辞かもしれないですが。
 そして川越旅行当日。順調に会話が弾み、食べたいものを食べながらいろいろお話することが出来ました。一緒にかき氷を頼み、お互いの味を交換しながら食べ進めました。川越で有名な神社に行き、風鈴が飾られている映えスポットで写真を撮ったりもしました。手をつないだりはしなかったのですが、カップルらしい感じで過ごしました。
 帰り道、私は彼女に告白をしました。告白なんてしたことなかったため、とても緊張しました。ですが、自分の中では勝ちを確信しているため、緊張しながらも余裕がありました。
 しかしながら予想外の反応が返ってきます。私の想定ですと、是非!といった感じで円満に進むと思ったのですが、告白に戸惑っていました。私はその反応を予想していなかったため、返事はまた今度でもいいよと伝えました。そうすると彼女も次ぎ合う時までに考えるねと言いました。そして、一週間後にご飯に行こうということになりまた。
 私は絶望に打ちひしがれました。こんなもの負け試合確定すぎる。今その瞬間に返事が来ないということは何か懸念材料があるということ。そして、私が早い段階で返事を後にしてもいいという案を出してしまったことで、返事を今いう雰囲気でなくなってしまったこと。
 その日に彼女ができるとルンルンで出かけた私は、帰りの電車で落ち込みました。しかし、一縷の望みにかけて返事を待とう。私はそう思うことで何とか平静を保つことが出来ました。
 4回目です。お互い今日答えを出すとわかっているため、いつものように盛り上がりませんでした。なんとなく歯に衣着せぬ話が進み、答えが出ずとも結果が分かるような会でした。
 私の予想は当たっていました。お会計をもらう前に、そろそろ返事を聞いてもいい?と彼女に問いかけました。
 彼女は、「ここでは言いにくいことになっちゃうかも、、」 そういって険しい表情をしました。
 私は、「ということはそういうことだよね。気にしないでもいいよ。今日はありがとう」そう伝えてお店を出ました。
 私は振られたのです。4回あった女性に振られたのです。よくよく話を聞いてみると川越の時点で結果は決まっていたそう。なんとなく伝えられなかったから、4回目の食事の時になったらしいです。ということは最初から割となかったんでしょう。
 こんなことなら1回目の際に連絡をしないでほしかった。一緒にデートまでしてくれるから可能性があるのだと私も感じてしまいます。その子といい感じになっていたため、周りにもついに私にも彼女ができると言いふらし、アプリも2カ月近くログインしてませんでした。
 本当に時間を無駄にしました。そして、自分の魅力の無さにうんざりしました。こんな確定演出みたいな状況でも私は振られてしまうのか。こんなにも人間的魅力が足りないのか。ここで彼女を作ることが出来なかったら、どうやって彼女を作ることが出来るのか。私の心は折れました。
 振られたこともショックだったのですが、自分の現状に嫌悪感が差しました。そしてこれからアプリに戻ることに嫌気がしました。メッセージでやり取りをし、自分と会う女性を探すしかないのか。
 そんな感情を抱きつつ私は岐路につきました。実はその数日前くらいから体調がとても悪かったのです。怠惰感が体を遅い、ひどい頭痛がしました。しかし、ここで会社を休んだら、4回目の食事に顔を出すことはできない。その当時はやっていたインフルかもしれないと思いながらも、薬を飲み食事に向かいました。本当は会社を休み食事の日程をずらすことが正解なのは自分でもわかっているのですが、日程をずらしたら確実に降られると思ったため、一縷の望みに賭けるためにも体調が悪いことは隠し続けました。
 そのため、私に残ったものは、振られたことに対する絶望感、自分の状況を客観視したことによる嫌悪感、体調の悪化からくる怠惰感。ネガティブな感情しか残りませんでした。
 しかし、この日はそれだけでは終わりませんでした。

食事の帰りに、、

 私には何個か熱中している趣味があります。そのうちの一つがメダルゲームです。1週間に4回ほど行ってしまうくらいには熱中しています。飲み会の後など、夜遅い時間に行くと、期待値の高い台が多いため、勝ちやすいのです。
 類にももれずその日の帰りにゲームセンターによりました。体調が悪かったですが、何かしらでストレスを発散したかったのです。そのため、コインをたくさん使うことで発散しようと考えました。
 食事から帰った後だったため、10時半とかからやり始め、閉店まで1時間半ほどでした。
 私はその日に桃鉄のコインゲームをしました。桃鉄のゲームは、さいころを落とし、目的地まで目指すゲームとなっています。その中でいくつかの条件を超えるとボス戦のようなものに挑戦できます。
 桃鉄の一番の当たりは、キングボンビーと戦うことです。これは本当に難しいのです。滅多に戦うことが出来ません。まず、目的に到着して、ボーナスゲームで勝つ必要があります。そのゲームとは1/3のはずれを引かないようにさいころを回し続けるゲームです。それを三回クリアするとボンビーボールと言った、大きな球がフィールドに払い出されます。このボンビーボールというのが、このゲームの醍醐味です。このボールを落とすことでボンビーゲームに挑戦することが出来ます。そして、その球がフィールドにある中で特定のマスに止まることでボンビーの姿を変えることが出来ます。このマスがとても少なく、また運良く止まることも難しいのです。そして、その運良く止まったとしても、キングボンビーになる確率は低いのです。キングボンビーを含めえて4種類ほどいるのですが、キングボンビーにはなりにくいです。
 なんと私はそのキングボンビーのゲームに挑戦できるチャンスを得たのです。手持ちの少ないコインを使いながら大きなボールを進めていきました。しかし、あと一歩のところでコインが尽きてしまったのです。多分後15枚もあれば落ちる所です。そのため、私はバンクからコインを下ろそうと席を外します。そうすると信じがたい文言がありました。
 「閉店時刻が近いため払い出しが出来ません」
 私は受け入れることが出来なかったです。あんなにも確率の低いゲームにありつけ、あと少しあればキングボンビーに挑戦できる。このゲームの期待値は高く、挑戦すれば50%以上の確率で勝てると思います。そして、1800枚ほど払い出されるため、1000枚以上はプラスになるでしょう。それほど割のいいゲームなのです。
 そんな状況なのにコインがないのです。私は焦り、店内を駆け回りました。もしかしたらコインが落ちているかもしれない。10枚程度だったらどこかに落ちているかもしれない。そんな思いを持ちながら1分ほど店内を動き回りました。
 しかし、コインが落ちていなかったため、断腸の思いでその台をを離れました。こんな台を残すのはメダル人生で一番の失態です。
 今日は振られるし、キングボンビーも取れないし、いいことがない日は続くんだなと思いました。体調の悪さや精神の脆弱性からまともな判断が出来ていなかった部分はあると思いますが、それを差し引いても不運は重なるのです。 
 これで終わればよかったのですが、私の不運はまだまだ続きます。

鞄を確認すると、、

 私は次の日に朝から予定があったため、朝早くに荷物を整理して出かける準備をしまいた。そうするといつも同じところに入っているはずの財布がない。財布がないのです。
 前日の会計でカードを利用したため、食事の際にはあったのです。
 私はふと思い出しました。コインがなくなった際に荷物から目を離し、店内を動き回っていたことを。普段は財布や荷物は肌身離さず動くのですが、その時は急いでいたことや焦っていたことから、財布を入れたカバンを置いて、行動をしてしまったのです。
 きっとその時にカバンから財布を取りだされ盗まれてしまったのです。このタイミングでこんなことを言うと信ぴょう性が低いですが、私はしっかりしている人間なのです。今まで携帯や財布のような大切なものは一度もなくしたことがなく、自分の所有物は置く場所やしまう場所を決めているタイプです。そのため、私はが財布をどこかでなくすことは考えにくいのです。
 そして、思い出します。私の後ろの席でゲームをせずにずっと私の画面をの見ていた女性二人組がいたことを。きっとこの子たちに盗まれました。どうしてゲームもせずにそんな席に座っているのか不思議に思っていたのですが、そういうことでしょう。私が荷物から目を離したすきに盗んだのでしょう。
 もしくは隣のヤンキーカップルが盗んだのでしょう。私は後ろの方や隣の方がいたため、盗まれないだろうと思ったのですが、どちらかが財布をスッと取りだしたのでしょう。
 財布の中にはすべて入っていました。身分証・カード・現金、多くの大切なモノが入っていました。
 すぐに行動しました。開店前のゲームセンターに連絡をし、私は遊んだ場所付近を探してもらい、近くの交番に行き遺失届を書き、クレジットカードの利用を止めました。迅速な行動をしたため、不正利用などはなかったです。
 しかし、会社から与えられた保険証等をなくしてしまったため、会社に報告しないといけません。
 保険証などの遺失の報告などはよくあるだろうから、そこまで大ごとではないだろうと思いましたが、私は3時間近く怒られました。報告書も書き、上司の方に詰められました。
 どうして私はこんな思いをするのでしょう。
 付き合えると思った女性に振られ、キングボンビーを逃し、財布まで無くしました。
 その日のことを忘れることはありません。こんなにも不運な目にあった日もありません。嫌なことはずっと起きるのです。悔しかったです。恥ずかしかったです。みじめでした。どうしてまともに生きてきた私がこんな目に合っているのでしょう。立ち直ることが出来ません。
 
 それでも前に進むため、私は気持ちを切り替えて出会いを求めます。しかし、一度アプリからは離れ、自分磨きでもしたいと思います。まずは体を仕上げることから始めようと思います。
 そして美容系は色々したいと思います。香水を買い、おしゃれな服をまとい、髪の毛のセットなど、一から見直したいと思います。
 まだ見ぬ彼女のために一番の自分でいるために。自分に誇りの持てる自分でいるために。


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