見出し画像

WEB限定の販売とは?

WEB上での販売

 最近、駅のチラシで乗り放題キャンペーンのチラシを見た。そのチケットはWEB購入限定と書かれていた。「WEB限定販売」という文言から、WEBサイトにアクセスできる人が購入できるということは分かる。
店舗に直接行かなくても、チケットを購入できるのはとても便利だ。
 一方で、その購入方法は購入できる人も限定されているということではないかと思う。というのは、色々な事情があり誰でもWEBにアクセスができるわけではない。

WEB販売から見えるもの

 WEB上での販売は、とても効率的である。人件費の削減・店舗不要・商品管理の簡素化など色々と効率的な面があるからだ。また、購入者からも都合の良いときに都合の良い場所で購入できるという効率的な面がある。ここから見えてくるものとして「効率性」という言葉があげられる。
 「効率的」というのは、とても良い言葉のように感じられるが果たして手放しで受け入れてよいものなのだろうか。今回のWEB上での販売も、効率性が高い(販売者、購入者両方に)ゆえに実現できる商品であろう。ただ、その効率性の良さが実は「効率性の良い環境を互いに用意できている」という枠の中で完結してるのではないだろうか。
 効率性を上げていくことが、果たして社会全体の底上げにつながるのかという疑問がある。

効率的という言葉から

 効率性を上げていくということは、コストの削減ということだと思う。「効率的」と言うときは、複雑な仕組みや考え、大変な労力をかけてで取り組むという意味合いではないだろう。そこにあるのは、いかに少ないコストで大きな結果というもが求められているのではないか。
 効率的の追求は、「効率的な環境を用意」できない人間(販売者、購入者含む全体として)を「効率性の高い」仕組みから生み出される結果を享受することが難しい状態にするだけでなく、享受できる人間と享受できない人間に分けていってしまうことにもつながるのではないか。
 その先にあるのは、便利に色々な結果を手に入れる人間とそうではない人間に二分されてしまうのではないだろうか。

WEB販売から見えること

 お店で商品が発売されていれば、どんな状況の人間でも手に入れる可能性がある。それは、お金を貯めて購入する、交渉して手に入れる、眺めて想像で補う、奪うなどいろいろな方法で、アクセス可能だがWEBではそうはいかない。物質的にも精神的にも、アクセスする環境を用意するという前段階があるからだ。
 ここから、見えてくることは「購入するという力」つまり「購入力」だけでなく、WEBにアクセスする力、アクセスるための環境を整える力など複雑な力が求められているということではないだろうか。
 また、WEBでの購入は基本的にクレジットカードを使用する。ということは、購入者に社会的な信用というものも求められる。つまり、購入するという行為に行き着く前に、多くの段階が存在しており楽々と突破できる人間だけが購入する権利を持つという構造になっているともいえるのではないだろうか。
 WEBという目視できない環境は、気づかない間に人間社会に格差を生み出すことにもつながるのではないだろうか。効率性の追求が、社会に格差を生み出し気づかない間に「効率社会」から「管理社会」へと移っていくことも考えられる。
 私たちは、効率的という言葉に魅力を感じるが一旦立ち止まり考えることも必要ではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?