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カーディガンの裾を握りしめる

今小田急線沿いに住んでる

次は小田急線沿いのもう少し奥の方に住むのもいいな〜って考えてる

物件もネットで見て
今度街探検もして
来月は内見に友達がついてきてくれる
予定も立てた
引っ越したらホームパーティーし放題
美味しいお酒を酒屋さんで買う約束もした
未来の1人暮らしライフに心踊らせてる。

今日最寄駅に急行列車で帰ってきた。

ここ半年間と同じように降りる。

アナウンスで「次は◯◯に止まります」って言ってる。ちょうど物件を探してたあたり。

いつかこの駅で降りないで素通りする日が来るのかな?って思う。未来のことと思っていたけど急に現実味を帯びた。

なんか降り損ねてはいけない電車とか、乗り損ねてはいけない電車に急ぐ気持ちと似た心になっていた。ひやっどきり。ってなる感じ

電車や駅を逃すように、私は今の最寄駅をのがしてしまっていいのだろうか。

ここで誰かと暮らすこの日々を、本当に手放してしまっていいのか。もう半分以上は手放してるようなものだけど、、

引っ越したら、本当に綺麗さっぱり全てが消えてしまうような気がする。
「好きだから別れててもこの家に帰ってきてるんだよ」って言っていた。そんな気持ちも跡形もなく、消えてしまうことへの焦りを感じる。
「好きとか嫌いとかじゃなく、別れた方がいい」から私達は別れる。

このままこの最寄駅を素通りできる日が来てしまうのが悲しい。って今日は素直に思う。
そんな事を考えて改札へ向かうエスカレーターに乗った。

気がついたら今朝借りたカーディガンの裾をぎゅっと強く握っていた。
明日の私が違っても、きっと今日の私をのがさないようにする為に。

多分夏が終わりかけくらいの時の下書き。

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