『患者Sの救済』プレイ感想
【ブランド】マーダー工房
【原画】倒神神倒
【シナリオ】倒神神倒
【プレイ時間】6時間半
公式HP:https://madalabo.com/kranke-s/
ストーリー(ネタバレ有)
かの有名な破天荒BLゲーム「裸執事」を生み出したマーダー工房の最新作です。
同人誌「患者Sの救済プレゼン本」発刊が2014年…そこから何と7年、満を持しての発売です!!!超めでたい!!!
「裸執事」同様、アヘ顔あり、ぶっかけあり、3Pあり…とマーダー節は炸裂しているものの、今作は性行為の根底にあるものが「生きるため、生かすため」におこなう「医療行為」であり、攻略対象キャラ3人の内2人は好感度ほぼMAX状態からのスタートなので、鬼畜感はほぼゼロ。
4,000円というミドルプライスの為か『裸執事』ほどのボリュームではなかったのが少々残念ではあったものの、最終ルートで作品の評価・印象が大きく変わる「仕掛け」があり、サプライズ伏線回収好きの自分にはだいぶ刺さりました。
いや、プレイ中におかしいなとは思っていたんですよ。各END後にスタッフロールもなく、暗転⇒ストーリの初めから再スタート…の辺りで。
プレイヤーが物語の構造に違和感を感じ、もしやと疑念を抱いてからの種明かし。それこそがループ物の醍醐味。
ループってだけでわりと脳内麻薬ドバドバ出るタイプの人間なので、真相判明した時には嚙みしめましたね。ありがとうマーダー工房。
以下、ネタバレありのキャラ別感想です。
佐々木 空歌
良い奴!!!
『裸執事』の名残もあり、医療行為と銘打ってのトンデモプレイをしまくるタイプだと思っていたのですが(概ね当たってはいるんですが)、前述の通り、攻略対象である彼らを「治療」して「生かそう」としているのが目的の行為なので、下衆感はなく、明るく正しく「頑張る」ことができる普通の大学生でした。
春輝くん、皆川さん、安田さんの死に何度も直面し、絶望してきた空歌だからこそ、ラストであらためて「全員」を救う為に奔走する姿はまさに「主人公」!
3人が空歌と過ごした日々の記憶はなくても、END17〜19で示された通り、彼ら全員の未来は明るいと確信できるハッピーなラストだったのは、プレイヤーにとっても救いでした。
ハーレムエンド自体は少々苦手な部類なのですが、本作においては最良の選択かと。空歌…全員をすべからく幸せにしてくれよな…。
三島 春輝
病弱・純真・美少年。
春輝くんめちゃくちゃ可愛かった…。睫毛バシバシで色素薄め。裸執事でいうところの「いちのせ」枠(儚げ美少年)な感じ。
「いちのせ」は智明にボロ雑巾のように扱われていた記憶があるので、よもや…と思ったのですが、完全に稀有でした。
寧ろ、空歌は春輝くんをめちゃくちゃ大事にしているんですよね…。告白シーンも良かった。2人とも素直でピュアで良い。
このルートはゼロ年代泣きゲー的要素が多くて、ノスタルジーに駆られながらプレイしていました。
春輝くんは素直すぎて、一歩道を外れてしまうと悪人に搾取され続ける人生になってしまいそうなので、是非とも空歌と一緒に生きてほしい。
皆川さんと春輝くんのWフェラ、良かったですね…。
安田 光雄
40歳未亡人。
所謂「美中年」ではなくリアル寄りのおじさんを落とせるのは、さすがのマーダー工房。
春輝くん同様、好感度メーターが最初から振り切れているので、落としがいはなかった。
安田さんは空歌がいないと、悲しい未亡人のままになってしまうので、最終ルート後の空歌はすぐにでも安田さんと一緒に住むべき。
むしろ4人(+渋澤先生)でマンション借りて、そこに住むのが得策か…?シェアハウス的なものでも良し、別部屋のご近所さん的な立ち位置でも良し。
皆川 学
絶対に堕ちないメガネ。
一推しです…。事の最中に「殺してやる」とか「死ね」とか言ってくる人が大好きなので、とても良かったですね(語彙力ZERO)
唯一、好感度マイナススタートでストーリーを進めても大してデレず、常時ツンツンしているのも可愛かった…。
願わくばもっと色んなシーンを見たかった。エロ・日常問わず、皆川さんに色んなことをして困らせたりキレさせたりしたかった。
眼鏡の描き込みがすごくて、アップのシーンではまじまじと見てしまった。切れ長の瞳で睨みつけてくる顔が堪らない。
皆川さん、真END後に空歌とどう関わっていくのか気になりますね…。
一番アフターシナリオが見たいキャラ。
渋澤 秀司
マッドサイエンティスト。
…なのはあくまで一面で、実はループ中。
裏で主人公並みの働きをしている点から、非常に梨花ちゃん(ひぐらし)&ほむほむ(まどマギ)なので、好きになってしまうのは不可避。
何十年もループして新薬開発しながら空歌探し出して、上手くけしかけて、失敗して…。ありとあらゆる空歌の死に立ち会う過程で、「もう何もしたくない」って思うときあったろうなぁ…。
あの謎のホラーエンドもその一端なんだろうか。
・・・これは余談でふと思っただけなんですが、環境ドームってループし始めた辺りにはなかったんじゃないかと夢想。
渋澤先生が何十年も病棟で過ごす中で、より現実に即した自然を感じられる場所を作りたくて建設…してたらいいなぁ。
結果的に空歌が彼らと過ごす思い出の場所にもなったわけだし。
「主人公ではない人間が何十年もループしている」シチュエーションが好きなので、渋澤先生視点のシナリオも読んでみたかった……。
雑感
ハッピー雅臣エンドはどこですか?
あんなに気遣いの出来るガチムチ幼馴染。絶対に落とせると思うじゃないですか!!!大体雅臣、空歌のこと絶対好きでしょ?好きですよね?
初回で雅臣を気に入って誰の病室にも入らず、雅臣とばかり電話してたので、バイクで空歌を攫いにきてくれた時の興奮たるや。そしてバッドエンドと知った時の悲しみたるや。
どうか・・・どうかハッピー雅臣エンドをFDで・・・。
欲を言うなら、渋澤先生視点や渋澤先生アフターとか、痒い所に手が届くFD・・・出たら絶対買います。
『患者Sの救済』はループ好きでBLエロに抵抗がなければ軽率にオススメしたい……ものの、ループについてのネタバレは知らないまま読み進めてほしいので、薦めるのが難しい若干のジレンマ。
ともあれ、満を持しての新作はとても楽しめました。
BLゲーがコンスタントに楽しめる世の中であれ!
ではまた、次回のゲーム感想で・・・。
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