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レゴ魔人(エピソード5:街の怪獣、レゴー)

前回までのおはなし
突如街に現れた大きくて色とりどりの怪獣。首から上がないことに気付いたレッコ姫と街の住民たちは、この怪獣がそれぞれのパーツを組み合わせて作られたものだと知り、チームを作って怪獣のパーツを分解して顔を作った。そして、街は、この怪獣と出かけていくとき、子ども達がレッツゴー!ということ、そして、それがレッコ姫の名前が似ていることから、「レゴー」と名付けた。レゴーは街の人気者となりつつあったが、まだ解決できていない部分がある。話を理解しているようだが、話せない。また街のプロジェクトが始まった。レゴーと住民が会話できるようにしよう!

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レゴーが街の仲間になって一年。
「レッコ姫!!!!」
「レゴー、話せます!!!!!」
急いで走るエンジニアの声と足音が響きました。
「完成したのね!」

レッコ姫は立ち上がり、エンジニア達がいる作業所へ向かいました。


==作業所==


そこには、すでにレゴーがいました。

レゴー 「こ、ん、に、ち、は。レッコ、姫」レゴーが手を差し出します。

レッコ姫 「まぁ!」

感激のあまり、レッコ姫はレゴーに飛びつきました。

レゴー 「う、れ、し、い、のです、か?そ、れ、と、も、かな、しいの、で、す、か?」

レッコ姫 「もちろん、嬉しいの!嬉しすぎると、人は泣いちゃうの!悲しい時も嬉しい時も、泣いちゃうときがあるんです。ずっと待ってたわ!」

レッコ姫の頬には、光るものがありました。

エンジニアA 「レッコ姫、これを見てください。レゴーの胸の部分に取り付けてあります。このチップには、私達が普段使用するありとあらゆる言葉がプログラミングされていて、そして、自分で学んでいくこともできるのです。人の表情もインプットされており、我々の感情も読み取ることができます。それも、学んでアップデートされていきます。」

レッコ姫   「あなたたち、本当に成し遂げてくれたのね!」

エンジニアB 「今はまだ自然に話せるわけではありませんが、のちのちは、我々のように自然な流れで会話できると思っています。」

レゴー    「がん、ば、り、ます」

レッコ姫   「エルジィジィ、街のみんなをよんでください。でも・・・、アンちゃんとタイガー君、そしてヨッシーさんから先に連れてきてもらえるかしら?」

レゴー     「わたし、が、い、き、ま、しょう、か?」

レッコ姫    「驚かせたいの!ここで一緒に待ちましょう!」


=====

エルジィジィ  「レッコ姫、戻りました!」

レゴー     「アンさ、ん・・・。は、じ、め、て、のと、もだち。」・・・ ・・・ ・・・ ・・・

アン      「レゴー・・・。話せるの!?!?!?!」

タイガー    「ついに完成したんだね!」

ギギギギギギーと音をたて、頷くレゴー。
大騒ぎで喜ぶアンとタイガーの横では、タイガーの祖母、ヨッシーは涙を流していました。その手には、ヒッロ・ボウとヤッスの写真がありました。
すると、ギギギギギーと音を立て、レゴーが動きました。

レゴー 「わ、た、し、わかり、ます。」

写真を指差します。うなずくヨッシー。

レゴー 「さ、が、して、いま、し、た。ど、こ、で、す、か?か、ぞ、く、で、し、た。」

ヨッシー 「もう、いないのです。でも、ずっとあなたのこと、気にしていたと思います。」

レゴー 「いな、い?かぞく、は、もう、いない、の、ですか?」

ヨッシー 「はい。もう、他界してしまいました。でも、このエンジニアの方々が、あなたを完成させてくれました。二人もきっと、喜んでいることだと思います。ありがとう。完成したあなたに会えて、よかった。」

レゴーの表情はわかりません。でも、レゴーがとてもとても小さく見えました。

レッコ姫 「エンジニアの皆さん、大変ありがとうございました。よく頑張ってくださいました。エルジィジィ!街のみんなを集めて!さぁ、レゴー、これから街中を驚かせるわよ!」

エンジニアA 「レッコ姫、お待ちください!もう一つ、お見せしたいものが。。。」

するとそこに、レゴーのパーツで作られたカラフルな車が到着しました。

エンジニアB「レゴーのパーツで作りました。実は、レゴーが話せるシステムの開発中、自動車のエンジンも作れないかと同時に研究していました。」

レッコ姫  「あなたたち・・・。天才だわ!」

姫は我を忘れて、エンジニアたちに飛びついていました。

エンジニアA「さぁ、レッコ姫、お乗りください。この車で行きましょう。みなさんも、どうぞ、お乗りください。パーツが足りなくて、屋根がないのですが・・・」 

アン    「こっちの方が、オープンカーでかっこいい!」

ブブーン!!

エンジンをかけ、街の住民が待つ原っぱへ向かいました。この車の後ろから、レゴーとレゴー車に乗れなかったタイガーとエンジニア達がレゴーの肩に座り、続きます。
アン    「レゴーには、この車、小さくて乗れないね。」

エンジニアA 「いつかは、レゴー自身が自由自在に形を変え、車になれたらと思い、研究しています。。。いつか、きっと、完成させます!」


******(ヒッロ・ボウから引き継いだ日記)******
コスモ121年11月1日 レゴー完成。そして、レゴーのパーツで作った車
も完成!

ヒッロ・ボウさんたちチームから始まり、長年の時を経て、ついにレゴーが話すロボットとして完成。そして、レゴーのパーツで車が製造されていました。レゴーは、自動的に話し方も接し方もアプデートされていくようです。エンジニアは、今後も改良とメンテナンスを重ね、レゴー辞退のグレードを上げていきます。街の仲間として盛り上げてくれる存在になるのは、間違いありません。
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次に続きます。最終回です。


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