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レゴ魔人(エピソード2:怪獣は、カラフルだった)

前までのお話し
平和だった街に突然巨大な物体が・・・怪獣か!?

「みんな、武器を持て―!!!」
「この街を守るんだー!」

レッコ姫に続いた住民たちは威勢よく向かっていきました。
しかし、相手は大きな怪物。大きすぎて顔も見えません。そして、固い・・・。どんなに物を投げてもびくともしません。

「これは、まるで壁が歩いているようだ・・・。」

後は、呆然と見上げるしかなくなった街の戦士たちとレッコ姫。

その時、一人の女の子が近づいていきました。
「待って!!!危ない! 踏まれちゃうわ!」
とレッコ姫が助けに走ります。

すると・・・

・・・ ・・・

「ねぇ、あなた、沢山の色があって、かわいいー!」
と女の子は、怪獣の足を撫でていました。

助けに向かったはずのレッコ姫は・・・

「確かにそうだわ・・・。よく見ると、カラフルで素敵だわ・・・。」

動きが止まった怪獣。

「ねぇ、遊びたいの?」と女の子は言います。
「私の名前は、アン。あなたは?お顔見せて?」

ギシギシギシと音を立て、怪獣は座り込みました。

「あら!?お顔が・・!?どこへいったの、あなたのお顔!?」とレッコ姫も街の戦士たちも驚き声をあげます。

この怪獣には、顔がありませんでした。まるで、本当に足と手がついた壁。

「お顔、欲しい?」とレッコ姫は聞きました。

すると、カラフルで大きな体を前後に動かします。ゴゴゴゴゴー地響きのような音がしたので、皆驚き、戦闘態勢に入りましたが、なぜか、カラフルなこの怪獣は、戦うようには見えません。すると、

「わかったー!!!!」とアンが飛び跳ねました。
「きっと、お顔が欲しいって頷いたんだね!!」

そういって、アンは走り出しました。そして、何を思ったのか、怪獣の足を引っ張り出し、「みんなー、手伝って!」と手招きで呼びます。

スポン!

アンと一緒に引っ張っていた皆も音と一緒に転がり込み、全ぽにいたアンと戦士の一人の手には、凹凸がついたパーツありました。
そして、怪獣が地響きを響かせながらパーツに向かってかがみこみました。まるで、付けてと言っているように。

「そこまで大きなものでもないなぁ。重くもない。これなら、男一人ででも運べるぞ!よいしょ!」

戦士の男性が持ち上げ運びます。

そして、四角いボディーの真ん中に飛び出ていた所に合わせてみると、ぴったり!そして、

「ぴったりだ!ならば、凹凸を組み合わせていけば、顔がつくれるのではないでしょうか!?」とレッコ姫に伝えました。

「うわぁ!本当だ。小さな首みたい!」とアンも大はしゃぎで足をひっぱりはじめます。

「確かにそうだわ!やってみましょう!!」とレッコ姫は立ち上がり、

「皆さん、一緒にこの怪獣に首とお顔を作ってあげましょう!」

レッコ姫が、皆に呼びかけまじめると、避難していた街中の人々が続々と戻ってきて、恐る恐る、引っ張っていきます。

気が付くと、怪獣の周りには人々が列を作っていました。
「一つとれたぞー!つなげてくれー!」と連携して運び、組み立てていきます。

「誰かデザイナーの方、いませんかー!?」とレッコ姫が呼びかけると、
「私、絵をかくのが得意です!」「私は建築士だ!」と威勢のいい声が聞こえてきました。

「それはいい!!!それでは、皆さん、この子をきれいにしてあげるデザインを考えていただけますか?」とレッコ姫。

「この沢山の色を活かした、カラフルな怪獣を作ろう!」
「そうしよう!!」
「この調子でいけば、この巨大な体も小さくなるかもしれないぞ!!」

大きな紙を広げ、円陣を組み、デザイナーチームができあがりました。

「その調子よ、みんな!」レッコ姫。
「きっと、かわいくなるよー!」とナデナデして励ますアン。

それを見た子どもたちが駆け寄り、巨大な怪獣に声をかけ続けます。

「きっと、世界で一番素敵な怪獣になるからね!」と。

さぁ、街をあげての巨大な怪獣改革プロジェクトがはじまりました。

次に続きます・・・。

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