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イマジナリーフレンドって知ってますか?

イマジナリーフレンドは、空想上のお友達です。幼少時期によくみられるもので、たいていの人は成長とともに、このお友達とお別れします。

現在の職場は、アメリカ管轄の学校です。職場には、ナース、カウンセラー、サイコロジスト(DR)などスペシャリストも常駐しており、彼らとの会議に同席できるのは面白いものです。苦しくて辛いことと向き合うことも多いですが、勉強になります。

さて、イマジナリーフレンド。先日、まだイマジナリーフレンドがいるという中学生についての会議に同席させてもらいました。前述したように、イマジナリーなお友達は、幼い時期のみのことが多く、大抵は、低学年頃までで、それ以上はいなくなってしまうことがほとんどだそう。そこで思い出したこと。それは、15年程前、私が日本の中学校で教諭をしていた時の生徒のことです。

彼女には、空想上のお友達がいました。その「お友達」は、ジェイミーという名前の金髪の女の子(ジェイミーだったと思います)。彼女のお母さんから「娘が誰かと話しているけど、相手はいないんです。」と相談を受けた私は、それが何なのか、そしてどうしていいか分からず、部活に授業にと忙しかったこともあり、その状況を勉強もできずにいました。私にできたことは、なるべく彼女と話すこと。幸い、当時の私は若い先生だったので、お友達のように話してくれました。彼女は、イマジナリーなお友達と毎晩、恋のお話しや家族、友達の事を話していたようです。彼女は、まるで実在するお友達のようにジェイミーのことを話してくれました。彼女と放課後や昼休みに話すようになって、約半年、ご両親が離婚すること打ち明けられました。そして、彼女は、転校しました。彼女が転校して初めてのお正月に届いた年賀状には、ジェイミーも引っ越したみたい。もういないとありました。その後、私も異動になり、どうなったかはわかりません。「イマジナリーフレンド」というものを知ったのは、今の環境に移ってからです。

そんな大昔のことを思い出したので、いい機会だ!私のオフィスから廊下隔てて10歩のDR.サイコロジストのオフィスへGO。

DR.サイコロジストの見解「両親が離婚するにあたって、家でも両親のケンカか険悪な悪い状態があったのかもしれないね。気が置ける仲間が、このイマジナリーなお友達だったのかもしれない。たいていのイマジナリーフレンドは、自分にとって都合がいい存在であることが多いから。驚異的な存在になってしまって、精神的に分離してしまうと、危険だけどね。」
私:「驚異的?」
DR.サイコロジスト:「精神状態が分離してしまうことがある。複数のお友達がでてきて、色々違うことを言ってきて混乱してしまったり。もっと悪くなれば、凶悪なお友達に洗脳されてしまったり。」
私:ゾゾゾー。。。寒気が・・・。
「私は、先生としてどうすればよかったんですか・・・?」
DR.サイコロジスト:「大人にそのお友達についてのお話しをしてくれていたのは、よかったと思う。そして、このお友達の存在を否定しなかったこと。ただ、そこから、もっと引き出していける技術があれば、さらに不安だとかストレス要因になっていることを聞き出して、楽にしてあげれたかもしれないね。ただ、アプローチとしては、いいと思うよ。」
私:「ジェイミーは、本当にいないんだよ!って言って聞かそうかと思ったことも多々あったけれど、なんだかジェイミーは悪い子じゃない気がして、言わなかったんです。仮に、言っていたとしたら?」
DR.サイコロジスト:「実際に仲のいいお友達に話したことがあるかもしれないよ。ただ、嘘つきって言われて、傷ついたり、否定された気になってしまうことが多い。自己肯定力が低い子が多いし。肯定してもらうために現れたお友達だから。すぐにバサッと否定しないこと。両親が離婚して、その後、落ち着く要素があったから、あのフレンドは消えちゃったのかもしれない。ところで、日本の教育現場には、カウンセラーはいないの?」

ギクッとします。日本のスクールカウンセラーの制度は、私が教職をしていた15年前に比べれば、制度は大分整っていると思います。しかし、私が学校現場にいた当時はスクールカウンセラーは1カ月に1度で午前中のみ。時間がない教員。彼女の件だけじゃなく、他にも多数の件に悩む若い教師の私。どう、連携すればよかったのでしょうか。

今、アメリカの学校で働きながら、私が教員をしていたあの時に、専門知識を持ったDRなり専門家に相談できる機会があったなら・・・と思います。私が、今の職業についての一番大きなカルチャーショックは、学校にカウンセラーやサイコロジストが常駐していることでした。自分が学校現場にいた分、大きなショックでした!

勤務校の先生には、日本の学校でALTとして働いた経験がある方も多いです。彼らからよく聞くのは、「日本の先生は、NO LIFEだ。」「こんなにも仕事抱えてやれるんだから、もっと時間があれば、大谷翔平だよ。」(マルチにできるスペシャリストということらしいです。。。)日本の先生方が頑張ってくれているおかげで、私が日本で教員をやっていた時期があるとしれば、拝まれます。「すごいな!」という目で見てもらえることも多いんです。日本の先生方は、何でも自分でやらなきゃいけない。授業にクラスのマネジメントはもちろん、部活や委員会、給食、もーーーーーーっと、もっと!!心のケアも先生が受け持つ。まだまだ、教員を現役でバリバリ務めている友人や先輩方をとても尊敬する気持ちは、日本の教壇を離れてからも上昇中です。

脱線しました。イマジナリーフレンド。
前述しましたが、幼児期ではよく見られるようです。ただし、ある程度成長していてもこのイマジナリーなお友達がいる場合、不安を表し、その不安を解消するために現れたものであることも多いようです。否定されているような状況に直面しているから、自分を肯定してくれる存在が表れてくることが多いんだとか。うまく働くとき、稀に驚異的なものに変わるときもあるようですが、存在を否定せず、悪いことと決めつけないこと。見守ってあげながらも聞いてあげる。認めてあげる。誰にも言えない何かがあるからこその、友達。そのイマジナリーなお友達も本人も丸ごと認めながら、うまーく不安要素解消に導いてあげることが一番いい、というのが私の同僚DR.サイコロジストの見解でした。日本では、特に家族の相談になると、サイコロジストのハードルはなかなか高くて、他人から偏見を感じることもあるとは思います。しかし、アプローチの方法なども含めて、自分と波長が合うカウンセラーやサイコロジストを探すということも必要かもしれません。子育てや学習についていえば、学校に常駐してくれれば、一番だと思いますが・・・。

ただし、ここでうちのDR.サイコロジストより・・・
サイコロジストがいうのが絶対正しい!というものではありません。それは違う!と思ったことは伝えてもいいのです。それで、わかりあえなけでば、別を当たってもいい!先生だって友人だって、あなたのサイコロジストになりえる。巡り合いを求めること!」

追記:
教員を辞めて何年たっても、思い出すことが沢山あります。。。特に今、アメリカの学校オフィスで務め、直面する相談や専門のスタッフからアドバイスをいただける環境にいればなおさら。当時の事をフラッシュバックのように思い出し、相談することも多々あります。教員時代にうまくできなかったことを私の助けが必要な生徒(もっぱら、日本人とのハーフが多いですが)の助けになれればと思い、勉強しながらやっています。

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