イギリス赴任

2016年4月からのロンドン大学SOASに赴任するにあたり,どのような準備が必要だったか,ビザの取得、子供の学校選択を中心に記録を残しておきたいと思います。(2015年4月から2016年3月までの記録が中心。子供の学校では赴任後の2016年4月も含む)

目次

■受け入れ機関の決定

■VISAの申請

■住まいの決定


■受け入れ機関の決定

行き先を決めるにあたって考慮したのは、専門分野はもちろんのこと、家族の生活がしやすいところでした。

前職ですでに中国に滞在したことがあること、出張ベースで十分状況を把握できることから、新たな見方を得るために欧米圏への在外研究を考えました。それまで欧米圏との関係があったわけではないので、ゆるいつながりがあったOECD(パリ)とロンドン大学を考えました。

ロンドン大学には多くのカレッジがありますが、経済学ではLSEがいいですし、地域研究ではSOASです。私はLSEを第一希望、SOASを第2希望に設定しました。

前職の方からの紹介をうけ、自分の専門分野で有名なLSEの先生にアプローチ。CVと研究計画(A4一枚程度)を提出しましたが、ちょっと方向が違うということで断られました。

SOASには一度あったことのある先生がいるので、アプローチ。同じくCVと研究計画が必要と言われたので、地域研究用に改定、送付しました。2週間ほどしてから事務室の方から、Bench Fee 2640ポンドで受け入れ可能との返事をもらいました。(7月ごろ)

所属大学での申請のために10月ごろに招聘状(受け入れ状)をお願いしました。入れ違いであったようですが、10月最初に受け入れ条件が書かれた招聘状をいただきました。これでビザの申請が可能になりました。

■VISAの申請

夏頃からイギリスビザを調べ始めました。イギリスのビザ関連はすべて

UK VISAs & Immigration

というサイトで調べ、オンラインで申請まで行います。ここから自分の国籍やら滞在期間やらを入れていって自分にあうビザを選ぶのですが、ぴったりくるものがありません。

イギリスのビザはややこしいし複雑だと言われていました。たしかにその通りです。自分が必要なVISAの種類、申請に必要な書類を調べるのですが、なかなか目的に到達しません。

あれやこれやと苦労している中、先にイギリスに行かれている方からVisitors VISA(Academic)で大丈夫という情報を得ました。

結局、サイトのここにあることがわかりました。(ほんとにわかりにくい。ビジタービザを出したくないんじゃないかと勘ぐるぐらい)

12ヶ月未満で、サバティカルとして訪問学者として滞在する場合はこのビザで大丈夫です。ただし何かしら授業を行って報酬を得る場合はTier4などの就労ビザになるようです。

さてビザ種類がわかったあと、二つ疑問がわきました。家族を連れていけるのかということ、滞在中イギリス国外に出ても再入国できるのかということ、です。

サイトの問い合わせのところから、メールしてみたらどちらも大丈夫との返事をもらいホッとしました。

次はビザ申請に必要な書類です。必要書類はこちらにあり、その中のPDFファイルによると

1)所属大学からの証明(サバティカルで出ること、期間、補助金、終了後帰国することを述べたもの)。

2)受け入れ大学からの受け入れ証明(レター)

3)資金証明(滞在中十分な資金があることを示すもの)

 大学からの所得証明、銀行からの口座証明など。(口座はコピーして自分で適当に翻訳。一応サイン証明した。)

4)戸籍謄本全部事項証明書(自分で翻訳、翻訳のフォーマットはネットに一杯ありました。)

5)パスポートとパスポートサイズの写真

次はオンラインでの申請書作成です。これまた面倒くさい手続きでした。はやめにアカウントをとって作成を始めておくといいでしょう。ネット上でSaveできるので、休み休み作成できます。

ここでのポイントは、本人申請とともに家族の分を申請するところです。VisitorsのAcademicにはdependant(扶養者)というのがあるので、そこで作成します。家族分を代理申請できるので、一つのアカウントで家族分の書類が作れます。

申請書類で悩ましかったのは、滞在先と資金関係、Academic欄の記入です。

滞在先については、家を借りる前ですので、とりあえずホテルを予約して、そこの住所を滞在先としました。

Academic関係は、家族の分もすべて私の受け入れ機関を記入しました。

資金関係は、毎月の家族の使うお金を大体で計算し、合算して私が用意する金額とし、家族は私から支援を受けるというイメージで作成しました。合計金額が所得証明や銀行口座金額でまかなえるようにしました。(まぁ日本で生活する形で作成しました。)

私を含めて家族3人分の申請書類を1ヶ月ほどで記入し、そして申請。

最後は、新橋にある日本のUKビザ申請センターでのアポ取り、クレジットカードでの支払いで、終了です。入力を始めたのが11月。それからのんびり少しづつ入力し12月20日に申請書が完了、ネットで支払いを終了しました。(一人約31000円)

1月5日(アポをとった日)に、新橋のUKビザ申請センターに上記書類(家族3人分のコピーも)を持っていきました。3か月前であれば大丈夫だということだったので、はやめに申請に行きました。

ここで問題が発生。3カ月前というのは、出発日とは関係なく、ネットでお金を支払った日から最高3カ月前ということでした。つまり私の場合12月20日に支払いを完了していたので、3月20日から1年間有効のビザが出ますと言われました。

窓口の担当者のお姉さんの話によると、選択肢は二つ。1年ぎりぎりまで居たい場合は、一旦支払いをキャンセルして、再度今日(1月5日)付で支払えば、出発日4月2日から1年間有効なビザが得られるであろうとのこと。もう一つは、このまま申請して、3月20日までにすることでした。ちょうど帰国予定日が3月20日であったこと、その場でキャンセルするために使用するパソコン利用料(900円)、印刷代(一枚60円×24枚)がかかることから、そのまま申請することにしました。

ちなみに上記の書類のうち、原本とコピーは一部で大丈夫で、家族分のコピーはいりませんでした。

次はパスポートの受け取りです。

1週間でVISAセンターマニラからメールが届き、翌日には東京のVISAセンターから届いたよ、という案内がありました。1月の時期は空いているようで、手続きは思ったより早かったです。VISAセンターは15日間のWork Dayと書いていますが(実質3週間)、2週間程度という情報をいただいていたので、それよりも早かったという結果になります。

なお、家族の分を代理で受け取るので英文の委任状(フォーマットはネットに転がってました)を用意しましたが、必要ありませんでした。必要書類は私のパスポートコピーだけで3人分を受け取ることができました。

いよいよイギリス入国です。

人からいろいろ聞かれるよと言われていましたが、ほとんど何も聞かれず無事3人通過できました。

到着後、指定しておいた郵便局で、生体認証機能付き滞在許可証(BPRs)を受け取り、以上で滞在許可の手続きは全部終了しました。


■住まいの決定

住まい探しにあたっては、イギリス在住だった人からRightmoveZooplaの二つのサイトにほとんどの不動産情報が集約されているとのことだったので、登録。

場所についてはロンドン日本人学校の周辺である、Acton、Ealingに絞り込みました。希望金額やら必要なベッドルーム数とかを入力して、不動産がUPされるごとにメールが届くよう設定しました。

私の希望は、場所、2 bedrooms、を基本とし、できれば日本を発つ前に不動産を決めておきたいと思いました。

12月より住まい探しを本格化。送られてくるメールで不動産を眺めては場所と金額、住まいのイメージを固めていきました。

1月よりUPする部屋を提供する不動産会社にアプローチ。メールを送り始めました。でも1/3ぐらいの不動産からしかメールの返事(それも定型化されたセールスメール)しか来ず、あ、お得だなと思われる不動産を出している会社には電話もしました。いいものはすぐに決まることがわかるとともに、メール等で契約ができることもわかりました。

1件、Japanese Servicesという不動産会社があり、そこの日本人スタッフと話をすることができました。私のように在外研究で来られる人も多く、不動産は2,3月ごろから動き始めます、引っ越しや寝具購入も弊社に送ってくださって結構ですよ、という言葉をいただき、その不動産会社に探してもらうことにしました。

でも2月に返事が来ず、相変わらずRightmoveとZooplaからの新着不動産チェックをつづけ、いい物件を発見。またJapanese Serviceが扱う物件だったので即座に連絡。4月から入れるという物件で、金額もその地域では妥当、あるいはちょっと安いというものだったので、50ポンド引きしてもらって即決しました。

次は契約です。メールで送られてきたのは以下の書類。

●Invoice(請求書)

●Tenancy Agreement (賃貸契約書)

●How to Rent Guide (UK gov) (イギリス政府の賃貸ガイド、配布するのが義務らしい)

●Right to Rent Check Form (The letting Centre) (不法滞在を防ぐための書類)

●DPS A tenant’s guide to the Custodial scheme (DPS: Deposit Protection Service) (DepositをDPSに預けますよという契約)

●DPS The Home for deposit protection(DPSの説明書)

はっきりいって重要なのはTenancy Agreementのみです。全頁を印刷、各ページの下にサイン、自分の名前のところをサインし、PDFで送付。そしてInvoice通りに国際送金して契約が終了しました。

一応、物件では家具付き(Furnitured)だったので、イギリスに行ってからすぐ住めるように、Argosというショップで寝具一式を注文、Japan Serviceを送付先にして預かってもらいました。

イギリスに到着後、翌日に鍵を受け取り、入居。寝具を運んでもらってすぐに新居での生活開始ということになりました。

いい物件でしたが、ところどころ補修が必要でした。ベットは壊れかけ、暖房は一部機能せず、トイレの便座は不安定、などなどでした。大家さんに連絡をとり、すべて直してもらいました。(大家さんはパキスタン系でしたが、とても真摯ないい人でした。)


以上が、受け入れ機関の決定から住まいの決定までの流れです。



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