心の声を知る
毎日、何かに追われて生活していませんか?
疲れが抜けない、元気が出ないなど、日々の生活に負担を感じている方も多そうです。
日常的に疲れが蔓延している人というのは『消耗に対して回復が足りていない』のが原因です。
そこで解決策はストレスの解消法であったり、運動によるリラックス効果であったりと、主に『回復力向上』に目を向けていませんか?
1:回復することの難しさ
先ほどの言い回しでは、せっかく頑張っている方のダメ出しに聞こえてしまいかねませんね。
もちろん、その解決策は非常に有効的なのは間違いありません。
ただし――『継続できれば』という枕詞が付くことになってしまいます。
そう、行為自体がどれだけ身体にいいことであっても、何かを『始める労力』は非常に重く、継続に至っては困難。
それが運動のような多少なりとも苦労を伴うことであれば輪を掛けて難しく、同時に始めるに際して大きなブレーキになりやすいところ。
一念発起したはいいものの、習慣化できずに途切れてしまい、むしろ『継続しない自分』に別のストレスを溜める可能性すらあります。
これでは本末転倒です。
そこで視点を変えてみましょう。
そもそも問題は『消耗する』から『回復したい』わけです。
であれば、前提である『消耗』が小さければ、そこまで『回復』に注力する必要はなくなりませんか?
――そんなこと言っても気付いたら今なんだから仕方ないじゃないか
そんな声が聞こえてきそうですね。たしかにたしかに。
身体を動かし、精神をすり減らす日々を送る以上、消耗がそう簡単に減るわけではありません。
むしろ削減できないからこそ、肥大化する消耗への対抗策として回復力を求めているのも自然なことでしょう。
2:では『消耗』とは何でしょう?
そんな風に問われても明確に定義するのは難しいのもです。
だから今回は単純に、生きて呼吸しているだけでも体力と精神をすり減らしているのだとまず理解しましょう。
ゲーム的に言えばHP・MPが100の状態から、何かするごと・時間が経つごとにダメージが蓄積していくようなイメージ。
毒沼をえっちらおっちら歩いているような感覚でしょうか。
ここに休憩や食事、遊び、睡眠などの回復イベントを挟みます。
そうして翌日の状態が前日よりも減ったHP・MPが85になっていれば、消耗過多となります。
もちろん、これを続けてゼロに近づくほどに危険が増すのはとても簡単な理屈ですよね。
さて、ここで問題です。
『最大HP・MPが100の場合、それ以上に回復するか?』
ゲームの話ばかりで申し訳ありませんが、答えは当然『しない』です。
どれだけ回復の手段を講じたとしても、最大値以上の回復はできません。
そして現実に落とし込んでも同じです。
例外的に多大な消耗と回復を行った結果、最大HP・MPが110に上がる、なんてこともあるので、すべてが無意味とまでは言えませんが。
さてさて。本題に戻しましょう。
健康的な生活は目指したいものですが、それができれば誰も苦労はしません。
回復力を高めるのは手段の一つとしては有効だが、維持し続けるのは難しい。
簡単なようで難易度が高いのが『健康的な生活』なのです。
そして、どれだけ回復力を上げても、上限を超えることはないのもポイントですね。
そこで。まずは消耗を抑えることを考えるのをオススメします。
たとえば一日80消耗する人は、毎日80もの回復力を必要とします。
しかし20しか消耗しなければ、回復も20だけで十分です。
単純計算で『消耗≦回復』が成り立てば、毎朝常に元気溌剌な状態を維持できます。
回復は間違いなく重要です。
けれど、その上流工程にある『消耗』こそを減らせば、苦痛を伴う回復に一喜一憂する必要がなくなるのです。
3:消耗を減らす方法
急に何かしらの『幸・不幸なイベントがあって体力や精神が削られた』なら原因も明確です。
しかし日々過ごしている日常で積み重なった『気付かない消耗』は、ふと意識が向いた瞬間にドッと襲って来るものですからね。
何が原因か、なんて明確にわかる方が珍しいくらいです。
では、どうやって消耗を減らすのか?
答えは簡単です。
日常に感じる『不快』を取り除いていけばいいのです。
一つ一つは大したことはなく、それこそ一日で1しか消耗させないような事柄ばかりかもしれません。
けれどそれが40・50と積み重なれば、あっさり半分もの消耗が発生してしまいます。
だからまずは自分の好き嫌いを見つめていきましょう。
好きな物に近づいて、嫌いな物は遠ざける。
たったこれだけで、多くの小さな消耗が無くなることが実感できます。
ただし『自分が嫌なことから遠ざかること』にばかり目が向き、今までやっていたことをいきなりボイコットする・誰かに押し付ける、などはNGです。
単に『他人に消耗を強いる形』になるので、今までの信用を失うばかりか嫌われます。
嫌われても得なことはなく、また別の消耗が発生しかねないので、周囲と摩擦が生まれないような工夫を必ずしましょう。
たとえば掃除が嫌だからやらないのは構いませんが、ごみ屋敷にするのは話が違います。
まず周囲に迷惑が掛かりますし、本人にも健康面でマイナス補正が掛かること請け合いです。
優しい誰かが手を差し伸べてくれるかもしれませんが、厚顔無恥に頼り切るのは違うでしょう。
そんなに優しい方との関係を軋ませるほどやりたくなければ仕方ありませんけれどね。
結局我慢して片付けるしかないだろ、となると不快の解決はできていません。それは諦めですからね。
望む条件は『綺麗な部屋を維持する』ことであり、次に『努力が小さいほどいい』となります。
さぁ、解決策はなんでしょうか?
ぱっと簡単に思いつく解決策は――
・物を増やさない・物を減らす(物がなければ片付けることすら不要)
・収納場所を限定する(分類するだけで整理される)
・お金で解決、ハウスキーパーを雇う(仕事の発注なので相手も喜ぶ)
意外性抜群な回答としては『嫌いなモノを好きになる努力をしてみる』というのも一つですね。
せかっくですから、いろいろと試して自分が楽しめる過程や結果を得られる方法を探すのは、根本的な解決なのでとても有効です。
身の回りのことこそ、やってみるのをオススメします。
そうして一つ一つ『不快の芽』を摘んでいけば、必死に回復力を追い求める必要性は小さくなっていきます。
何せ『嫌い』が排除されていれば、身の回りは『好き』で満たされていますからね。消耗しようがない、というわけです。
個人の好き嫌いに感じ方を含めると千差万別の事情や思いがあるでしょう。
けれどこんな風に俯瞰して大別して考えれば、物事はよりシンプルになっていきます。
そして大味になってシンプルになったものを再分解し、現実を変えるべく具体的にしていけば、複雑に感じたものでも解決策がひらめきます。
今回のポイントは以下の4点。
1:自分の好き嫌いを探す
2:嫌いから遠ざかる(つらい努力を必要としないように工夫する)
3:減らした嫌いの分だけ好きにもっと近付く
4:1に戻って繰り返す
最近疲れが抜けないなーって思ってる人は、回復よりも消耗の方に目を向けてみてはいかがでしょうか!
#もやしいため #日常エッセイ #QOL向上 #仕事術の前に
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