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小学校で明るかった私が中学で暗くなったきっかけの話

性格は環境によって変わる。交流関係が変わったり、自分の意思だったり、人それぞれきっかけは違うと思うが、私の場合後者だった。

小学校の時、私は比較的快活な子供だったと思う。当時の小学生はみんなやっていた遊戯王カードやポケモンも強かったし、何より足が速かった。小学生で「足が速い」ということは、非常に強いブランドとして誇れるものだったので、そのブランドを振りかざせば、大体の欠点は帳消しにできるくらいのパワーだった。

明るくて足の速いクラスのお調子者、そんな立ち位置だったと思う。そんな私は、一冊の本に出会った。

松本人志の「遺書」である。

当時の私には衝撃だった。
明るくて面白いのが何よりも善しと思っていた私には、「根暗、女好き、貧乏が面白い」という哲学が深く刺さったのだ。
また、同時期に伊集院光のラジオとも出会う。「非モテは面白い」という伊集院さんの語り口は、私を新しい世界へと連れて行った。


その次の日から、私は誰とも喋らなくなった。自ら根暗非モテになったのだ。

明るく振る舞うことをやめた。女子とも最低限しか話さなくなった。安易な下ネタやギャグも一切やめ、大喜利などのシニカルな笑いを求めるようになった。



少し話は変わるが、当時の小学生にはコロコロコミックという雑誌が流行っていたのだが、その巻末に読者からのお便りを掲載するコーナーがあった。その中の一つに、読者から投稿されたオリジナルキャラをトーナメント形式で戦わせるというコーナーがあった。
これが、最も大きなターニングポイントになる。

シニカルな笑いに魅力を感じ始めていた私は、「〇〇ドラゴン」や「□□マン」などの如何にも小学生が考えそうなキャラクターが投稿されている中で、
「イオンのオーナー 必殺技: 商店街殺し」
という大喜利全開のキャラクターを投稿した。商店街会長の父親が大型ショッピングモールの乱立に頭を抱えている姿をみていた私は、それを笑いに昇華させようとしたのだ。

次の次の週のコロコロコミックに採用された。
今でも覚えている。
香川県の小学2年生が投稿した「ウンチ仙人 必殺技: ブリブリアタック」に一回戦で負けていた。
この出来事はコロコロコミックを購読するのをやめ、根暗シニカル笑いの追求に拍車をかけた。


2022年4月現在、非モテは続いている。
始めは自ら進んでなろうとしていたはずが、いつの間にか自分の意思を超え、自動的にモテない人間を生み出してしまった。


今、自分のキャラを変えようとしている人がいたら、少し立ち止まって考えて欲しい。


15年後、その自分でいたいですか?


少しでも躊躇したら、もう一度考え直した方が良いですよ。性格は矯正されますから。私と同年代の人は、転職や結婚などで環境や交流関係が一新されることもあると思う。その時にこの記事の内容を思い出してくれたらな、と願うばかりである。



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