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「AmazonGO」と「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店」を比較して見えてきた日米の違い

訪問レポートはこちらから

「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店」訪問

「AmazonGO」訪問


クレジットカードについて

トライアルの場合

トライアルでのクレジットカードの取扱姿勢がよくわかるのがこの告知だ。

実質的には、トライアルはクレジットカードを導入していない会社と言って良いだろう。レジにも支払いは現金かプリペイドと注意書きがあるくらいだ。しかも、専用レジの場合はプリペイドのみとなる。

これに関しては企業側の考えによるところが大きいので是非の話は出来ないが、やろうとしている方向性については凄くわかる気がする。

理想は全てプリペイドにするということだろう。その際に重要なのは、プリペイドなので先に売り上げ予測が立ちやすいという事だ。実売り上げの前に兆候が掴めるので一歩先の手が打ちやすい。

ただそれは綺麗な説明で、実際は保証金の供託金以外を運転資金に回せるので、借り入れを起こすよりメリットがある事の方が重要だと思う。プリペイドの規模にもよるが、クレジットカードの手数料と合わせると無視できない利率差になる。

個人的な考えだが、3月/9月に「チャージキャンペーンで、10%増えます」とか言い出すと、ちょっと会社の資金繰り的に怪しくなってきたとみておいた方がいいと思う(苦笑

2018/03/12追記:偶然、こんなのを見つけました。いや、資金繰りとかとは理由が違うと思いますが(笑 >Amazonチャージ 初回購入で1000ポイントキャンペーン

余談ではあるが、お釣りを会員カードに貯めることができて次回の買い物で使えると言うサービスをしているチェーン店を視察したことがある。(20年近く前)

その際に累積されている金額を聞いたのだが、両手の指をほぼ使う桁数だった。
最近ホームページをみていたらサービスを終了していたので、企業の成長具合ではそれなりにリスクがあるのかもしれない。


AmazonGoの場合

対極的なのはこちら。クレジットカードを登録していないと入店すら出来ない。そして、クレジットカードの限度内ならいくらでも買い放題になる。

さすがに、カードが限度額を超えた状態での買い物テストは出来てないが、Amazon.comでの買い物の扱いと同じと考えると、最後の買い物がエラーなら入店出来ないという制限ぐらいだと思われる。

取扱商品から考えても、損失額は許容範囲とみているだろう。仮にそういうケースがあっても既存店舗での窃盗(万引き)額よりも低いと思う。



買い方の比較

トライアルの場合は既存店舗での問題点や効率の改善を目的としていて、AmazonGoは新しい売り方を実現することを目的としているように見える。


Amazonの場合

「1クリックで今すぐ買う」をリアル店舗で実現した感じ。考える限り、リアル店舗で商品を買うのなら、これ以上に手順を減らすことは出来ない。

何回か買うと慣れてくるので、そこからが本当のAmazonGoだと言うことは強調しておきます。「ふらっとジュースを買いに来た」と言うのができるようになると最高に面白い体験になる。

AmazonGoでの買い方についてはこちらも参考にしてください。
AmazonGo視察報告2 〜マニアック編〜


トライアルの場合

決済のステップをそのままカートに導入してしまっているので、清算が完了するまでに非常に手間がかかるのが気になるところだ。

その中でも特に気になるのは、
・レジ袋購入の画面
・ポイント利用の画面
だ。

まず、レジ袋が必要なら最初に購入したい。そしてそのまま袋に入れていきたい。その方がカゴから詰め替える手間が減る。現状ではサッカー台が必要だし袋を手渡す人員も必要になる。

ただ、袋に入れる方法だと画像で個数を自動認識と言うのが出来なくなるが、カゴに多層で商品を入れていくのが普通なので、どちらにしろ無理なのではと思う。

差分を取っていけば可能かもしれないが、購入している時にカゴにうまく入らず並べ替えるとかは普通にあるので、厳しいだろうと言うのが個人的な見解だ。


また、ポイントを貯める仕組みの方が未換金ポイントが発生して収益性が上がるのはわかるのだが、いっそのことポイント分は毎回自動値引きにして欲しい。買い物客はチャージ金額で足りてるのかどうかを知りたいだけだと思う。

企業の利益面を重視して顧客の買い物体験を向上させるような取り組みを感じられないのが残念だ。もしかしたら、何かしているのかもしれないが、今回の視察では見つけることが出来なかった。

*この項目については、何か情報をいただければ訂正・更新します。


企業風土

面白いのは、Amazonは本のネット販売からクラウドまで広がっていたのに対し、トライアルも元々は流通業向けのITシステムを開発していて現在の小売業に至っているという事だ。[引用]

Amazonは当然だが、トライアルもITに関する理解度も高く、問題を解決する力を自社内で保有しているのではないかと思う。
また、聞いた話ではあるが、既存の製品を安く組み合わせてのシステム構築が得意という事なので、今後も様々な取り組みをしていくと思われる。


新システム導入時の顧客へのサポート

ちょっと気になったのが、来店客へのサポートだ。

AmazonGoの場合

amazon正社員と思われる人員が入り口にいてアプリの使い方について説明してたり、店内を巡回して来店客の様子をみていたりしていた。

アメリカだからかもしれないが、かなりフレンドリーだった。


トライアルの場合

システム担当と思われる人間が説明したり、決済ゾーンにパート2人(多分。でも手馴れていたので1人は社員の可能性もある)がいて操作をしていた。しかし、入り口のカートには説明員が立っていなかった。
カードの登録端末はあるのに、カードは店内奥のサービスカウンターまで行くように案内があったりと、そもそもの導線を見直すべきだと思う。


新システムの展開

ここはあくまで個人的な予想だが、それぞれが構築しているシステムは開発主体が違うことで外販に関して大きな違いが出てくると思う。

AmazonGoの場合

ハードウェアからクラウド側の処理までが自社で実現していることと、クラウドが全世界にリージョンを持っていることから、世界展開まで可能な体制が見えてくる。しかもマネージドサービスで。
極論を言えば、誰でも従量課金(ハードウェア投資は除く)で、棚単位の無人販売所を構築出来る可能性があるのだ。

当然、外部が利用できるのは何らかの制限があったりも考えられる。なので、AmazonGoで販売できても他企業では販売できないタイプの商品が出てくる可能性もあり、そこが差別化になることも容易に想像できる。


トライアルの場合

様々なメーカーが作ったものを導入しているので、強豪との差別化が難しいのではないかと思う。基本的に小売業は真似する業界で売れているところをパクるのがデフォなので、あっという間に抜かれる可能性(低いけど)と言うのはあると思う。


最後に

個人的には、やはりこの言葉に尽きるように思う

「新しい酒は新しい革袋に盛れ」

皆さんはいかがでしょうか?


おまけ情報

ワンダーレジ

残念ながら常設店舗ではないのだが、カメラを使って商品購入を自動判別していたらしい。陳列とカメラの感じからすると、商品を入れ替えた場合の動作が気になるところだけど、意欲的ではないだろうか。

無料公開なので、この下には何もありません。
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