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へし折られた鼻

Gloria FESTにお邪魔してきました。
名だたるバンドが勢揃いして主にpop punkの祭典なのだと友達から聞いてた。

俺はpunk全般を深く聴いて通ってきてはいないから詳しくなかったので、フォロワーさんに情報を聞いて観に行った。
凄く楽しみにしてた。

SBTWの下北沢進出の一件に秒で反応してくれるayumu君が主催するフェスに、久しぶりに訪れる下北沢に、わくわくしてこの日を待ってた。

まだ見知らぬバンドから得られるものを沢山学んで血肉に変えるんだ、って意気込んでたんだ。

ライブハウスとオーガナイザーの意図を知りたいから、勿論トッパーから出来るだけ多くのバンドを見て回った。

サーキットフェスを見る醍醐味だから、知ってるバンドも知らないバンドもできるだけ回った。

リハから見て音出しの勉強が出来たり立ち振る舞いをスクリーン無しに全部見えるのは醍醐味でしかない。
TCIP、redmarker、THENEWLEVEL、SBE、MAKEMYDAY…ありがたや。

pop punkだけじゃない、ラウドやミクスチャー、同期音が賑やかなバンド(ジャンルがわからない)とかいっぱいいたよ。

そうやって長い時間見て回ってさ、


俺、天狗になってるつもりはなかったけれど、ピノキオくらいの鼻ならへし折られた。


俺は勘違い野郎だった。
傲慢さと、調子に乗ってる大馬鹿野郎だったよ。


現実を突きつけられた。
そんな気分だった。

へし折られたのは、
Re;pagersとしてのバンド力とか音楽性とかじゃない。
(正直、Re;pagersでやったらどんなかな?って思いながらどの会場にも行ったよ。)




俺はバンドマンとして認知すらされていない。




その現実を突きつけられた。
バンドどうこう以前の話だ。

大型サーキットに出るくらいのキャリアも実績も人気もあるバンドの中で、俺は出演者にはほぼ認知されていない。

そして何が悲しいって大塚のラウドロックフェスでご一緒したバンドさんには名前もバンド名も知られちゃいないどころかバンドマンだとすら思われてなかった。

対バンとはいえ、あちらがこちらのライブを観ていなければ無理もない。
SNSで見る姿とフロアにいる姿の差異なんて気づかないのは無理もない。
所詮、俺はそんなもんだ。
所詮、俺達の現場での、最前線での露出度なんてそんなもんだ。
圧倒的なライブ量を誇る人からしたら微塵子。
茸の菌糸かスギの花粉くらいの影響力しかシーンには与えていない。

反省したよ。自分の驕りと傲慢さを。
調子に乗ってるイキってるSNSバンドマンくらいにしか思われちゃいない。
音源第一主義、現場至上主義の人からしたら、そりゃそうだ。ぐうの音も出ない。
これは卑下でも卑屈でもない純然たる事実だと意識せざる得ない。

そんなもんだ。今の俺は。

いくらかっこよかった、好きだ、と言ったところで、相手からしたらフロアで上がる声の一つがオーディエンスなのかバンドマンなのかなんて分からないんだろな。
どうでも良いんだろう。反応なんて。
才能と容姿とライブチャンスに恵まれた者の気持ちは俺には分からない。
挫折と後悔と苦悩と絶望の淵や底どころか汚泥に沈められて息すらできない日々から、やっと這い上がってきた俺には分からない。

たくさんの場所でたくさんの人の目に触れてたくさんの歓声と数えきれないくらいの両目と両手を眺める景色に慣れると、目の前の1人の視線も差し出した手の震えや声をかける勇気や頑張って振り絞った一声も日常の一コマになるのだろうか。

俺には分かんない。
未だそこにいないし、そうなってもきっと俺はそうはしないから。

いつ歌えなくなるか分からない恐怖と、マイク一本持ってステージで歌ってるだけで、何ら変わらない音楽好きバンド好きの人間だし、相手がどんな肩書きであれどうでもいい。
対人間でしかない。

ライブハウスで声をかけてくれた人を邪険になんて俺は出来ないよ。


それに、出口でフライヤーを配るバンドマンにも頭が下がる。


でもね、

同じ人に3回もらったよ。
あれだけの巨大なフェスだから受け取り手の認知なんてされていないんだろうけど、悲しかったなぁ。

その中のひとバンドはフォロワーさんに観るのを薦められたバンドだったから、一枚目はテンション上がったし、おぉすげぇ、ってなったけど。
2枚目、3枚目、と違う時間帯で渡されるのは悲しくなるよね。

彼らとは面識ないからバンドマンとして認知されていないのは仕方ないけど、サーキットフェスをくるくると行ったり来たりするオーディエンスとしてすら認識されてないのは哀しみすらをも通り越えた。

通りすがりのティッシュやビラと同じか、と悲しくなった。
数打ちゃ当たる的な。


結果的に見に行かなかった。
薦めてくれた人には申し訳なかったし、一生懸命配っていた彼には申し訳ないけれど、心が無理だった。


気分を害したからだけじゃない。
単純にバンド名の入ったそれを魂込めてるその3枚の紙が可哀想に思えたから行けなかった。

もしかしたら他の人との縁を繋いだかもしれないのに、俺が受け取ってごめん、って。
悲しくなった。俺がその場にいなければ、もっと有用な使い方をされたかもしれないのに、ごめん、って。


バンド名の入ったフライヤー1枚が縁を繋ぐ事もあれば失う事もある。


例えば、
渋谷GARRETで配ってたTHENEWLEVEL
渋谷cycloneで配ってたTCIP
大塚MEETSで配ってたWORSTRASH

俺はその3組はフライヤーで知ったし、観に行ったし、昨日のGloria FESTにも出てたね。


一期一会。
楽しさもあり、怖いものです。


つらつら書いたけど、

要するに、俺はまだその程度、SNSでイキってるだけのぽっと出の坊ちゃん、って事だ。
裏でバンドマンにごちゃごちゃ言われてるのも知ってる。
現実的なRe;pagersの立ち位置も見られ方も扱われ方も分かってるよ。
揶揄されようがdisられようがバスケとhiphopで育って来た俺には奮起材料にしかならない。
トラッシュトークは表でやるから面白いんだ。


その中でもさ、

友達のバンドマンはハコに入るなり指さして気づいてくれたり、フロアで声をかけてくれる音楽好きの人はいた。

amiさんやてぃけ君の様に都内のライブハウスによくいる音好きさんやSBEの為に遠征するくらいの音好きさんが声をかけてくれるのはシンプルに嬉しかった。

音源のリリースもない、ライブ本数も決して多くはない、ルーキーバンドの俺達を今の段階で知ってくれていて「心からありがとう」って思う。


LoGのHamaさん(Ba.)やSBEのアベケン君(Ba.)は秒で気づいてくれてハンズアップや表情で返してくれたり、LoGのtomoなんてドラムなのにステージ最後方からフロア最後尾をちゃんと気づいてくれたりする。
京都でソールドアウトさせるpop punkバンドがだぜ?俺もああいうスタンスでありたい。

GORILLA SNOCのユーリ君(gt.vo)は去年の夏にRe:Sail records大塚5会場ラウドロックフェス以来、SNS上では話してたけど、ライブを観るのは実際初めてなのに、しっかりと気づいてくれた。

俺は知らないジャンルのフェスだからと、メガネに革ブーツの大人見仕様で行ったことを激しく後悔したよ。

途中、ユーリ君がギターを解放弦でガーン!とやった後に吠えた…まさにあれぞ咆哮だった。

スキル的なスクリームとかシャウトとかじゃなくて、感情的な咆哮、叫び。

その日の感情を曝け出す事を躊躇わない、そこで生きてる奴が出せる声。


そして、その次の曲が美しいメロディの曲。

あんなもん魅せられたら、無理だよ。
ずりぃぞ。ユーリ君😁

最前行くわ。
引っ張られた完全に。

最後の曲でVo.さんがフロアにスタンドマイクごとマイクを向けて下ろしたから、奪い取って、思わずスクリームした。

叫び返したよ。

TAJADAROのタジャ君も更にそれを奪って叫んでたな。俺は、あいつも大好きだ。
フロアの雰囲気とか関係ねぇ!ってハードコアムーヴかますとことか愛おしさしかない。
ああいうのって、ライブしてる側は嬉しいよね。
思わずやっちまう、を引き出せた瞬間って最高。
https://music.apple.com/jp/artist/tajada-ro/1713654099



彼らの出番が終わった後に曲名を聴くぐらい、昨日一食らった。

悔しかったなぁ。
俺もライブしてぇ…って思わず、Xでポストするくらいがっつりと衝動を持っていかれた。

お互いに「初めましてな気がしねーよな😁」って一緒にタバコを吸って笑いながら話せるくらい最高のバンドマンでさ、

その後のredmarkerやELLEやLoGなんかの他の箱に行ってもだいたいユーリ君は居て、かっこいいバンドマンはちゃんとほかのバンドも観に行くんだよね。

ライブハウスへ行って、
劇場型のshowじゃなく激情型のliveが観たい奴は、目の前でこの瞬間を生きてるバンドマンが好きな奴はGORILLA SNOC今のうちに見といた方がいい。

俺はスニーカーにTシャツで必ずリベンジしに行きます。久しくああいう芯から滾るライブは観てなかったな🔥

https://music.apple.com/jp/artist/gorilla-snoc/1638564520

一番食らった曲がサブスクにないってのもライブハウスならでは過ぎて粋だわ。好きだよ。
聴きたかったらライブへ行きゃいいんだ😁

オンステージ/オフステージどちらもかっこいいバンドマンは間違いない。

楽屋に篭りきりだったり対バンも見ずに灰皿周りに屯して駄弁ってたり、裏で呑んでる奴、俺は基本的にあんまり好きじゃない。むしろ嫌いだ。

それよりは出番終わった直後なのに、機材をさっさと片付けて、redmarkerの出番に間に合うように、LIVE hausへ飛んで行って、いっ太君の前、最前列で思いっきり頭振ってるsleepless endorphineのJoe君(vo.)の方が俺は好きだなぁ😊

対バン相手の出番を思いっきり楽しめるバンドマンってかっこいいよ。

SHADYVOXのvoさんもよく見かけたな。
東京へ来て、出番終わっても、すぐに帰らずに見て回る姿、刺すようにフロアから見上げる視線はライブ中にステージから飛ばす視線と全く変わらなかったなぁ。



俺ね、

昨日も俺は物理的に下北沢で迷子になってて心細かった。
大勢の人がそぞろ歩く日曜日のシモキタで独り彷徨うのは恐怖ですらあった。
路行く楽器を持ったバンドマンと思しき人らは楽しそうに仲間と語り、古着屋は軒を連ねて並び、三々五々皆々様あちらこちらを眺めては晴れた道の楽しそうに足を停めて笑っている。
絵に描いたような穏やかで平和な休日の風景。


きっとバンドってそんな景色に似てて、どこまで行ってもずっと迷子なんだと思う。
どこか他人事でどこか賑やかななのにどこか拠り所もなくて、虚空でも群衆でもなく目の前にいる人に投げかけるけれど、彼らはミュートしてるから届かなくて、いくら叫んでも歌っても、電線に止まり歌う雀にも、ゴミを啄むカラスの咀嚼音にすら敵わない。

観たい物、聴きたい物しか人は意識を向けないし興味がない。
それは俺も同じだから否定しない。

だからさ、
視界に入ったり、ノイズだっていい、ほんの一瞬、1秒でも彼ら彼女らの無意識下に潜り込めたなら、と足掻くんだろな。
ありとあらゆる手段を使って。

1秒なんて贅沢は言わない。
tiktokやXやInstagramで次へ行かれる0.5秒でいい。
領域展開、一撃必中させるだけの刃を携えているバンドマンであればいい。俺が。

精進します。もっともっと。
ジャンルとか知らん。
対バンした相手が、目にしたバンドマンが、悔しがるようなライブしたくなるようなライブができるように。
観た人がバンド始めたくなるような衝動をぶちかませるように。


幸い俺にはこんな俺を理解して好きにやらせてくれるバンドメンバーがいて、Re;pagersなら大丈夫!と応援してくれる人がいて、期待してくれるオーガナイザーやバンド仲間がいる。


「なんでRe;pagers今日出てないの?」
そう言ってくれる人が何人かいた。


断ったんじゃないよ。
単純に俺達の実力不足。
認識されるように動ききれてない俺達が悪い。

他のフェスやイベントもそうだ。
俺達が悪い。
呼ばれるだけの強烈なインパクトと実力、実利を伴った認知度や大人の事情を黙らせるだけの圧倒的存在が無い俺達が悪い。

未熟。


でもね、未熟ならこれから"熟れれば"いいんだ。

だから、
Re;pagersが何故いない?なんて破格の賛辞はシンプルにこんなに嬉しいことはないよ。
ありがとう。


そう言ってくれた君の目と耳と感受性が決して間違いじゃないと俺が証明してみせるから。必ず。


恩には音で返すぜ。

Re;pagers 熾火(vo.)


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