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2人声劇 想定3分『プロポーズって何だっけ?』作 沖ママ


「推し様ー!好きです!大好きです!」


『ありがとう!嬉しいよ!』


「推し様ー!見てみて!グッズ作ったの!」


『おぉー!すげー!』


「推し様ー!あ、好きすぎて鼻血が……。」


『え!?おいおい、大丈夫か!?』


「推し様ー!結婚してー!」


『いや、無理だろ。』


「またまた、そんな~。照れちゃって可愛い。」


『どこに照れ要素あった!?今の、ど・こ・に!?』


「もぅ、推し様ったら。とっておきの画録ベスト100!毎日聞いてます!」


『うわぁ……それはちょっと……。』


「これ、別の媒体にアップロードしていいですか~?」


『ダメダメ!それはマジでやめて!それから企画で推し愛、語ってただろ!名前までだしてさ。』


「……あ……ダメ……だったかな……。」


『いや、そのダメっていうか、さすがにアクティブ100くらい居る中ではキツイって。』


「え~。告白って言うかぁ~、何て言うかぁ~、他に思い付かなかったんですぅ~!だから事前に確認したじゃないですか~!そしたらさ、あ。うん、いいよ。みたいな~。そんな感じだったからいいかな~って。それに、どうせやるなら思いっきり振り切った方がとか思ってみたりとか。」


『あ、あぁ。そ、そう……だね。俺が許可したんだった……。でもさ、あんな事になるとは思ってないじゃん!?企画でさ、ちょっと名前出るくらいなのかなぁと思ってたらさ、ガッツリ行くじゃん?しかも呼び出されるし。』


「呼びだれたのは事故よ事故。あの企画からますます、推し様への愛が溢れてて大変なの!」


『あ、そう……なんだ。今度は何するつもりなの?』


「愛を叫ぶわ。」


『は?』


「SNSで、推し様への愛を!」


『おいおいおい!それはマズイだろ!』


「え?なんで?公開プロポーズ大作戦!」


『なんで?じゃねぇの!しかもそれ、俺に言ってる時点で大作戦でも何でもねぇから!』


「えぇー!そんなぁ!推し様ったら……ひどい!」


『いや、全面的に俺のが正しいと思うぞ?』


「いいもん……それなら、このボイメ公開しますから。」


『は?ボイメ?』


「とっておきの画録ベスト100の中からさらに厳選したセリフ100選!そのセリフの中でもさらに厳選に厳選を重ねた至極のセリフ集たち!」


『お前!なんてものを作ってんだよ!?何か怖いんですけど?』


「聞きたい?」


『いや、聞きたくない。聞いちゃいけない気がするから聞かない。それは公開するな!ダメだ!』


「じゃあ、SNSで愛を叫びます!」


『んあぁぁぁ!それもダメだ!』


「そんな~。あれもダメ、これもダメ。私はどうしたらいいんですかぁ~!」


『ったく、しゃあない。今、ここで叫べ。』


「今?ここで?」


『そうだ。』


「もちもち中だけど、いいの?」


『いーから言えよ!言わないから切るぞ!』


「言います言います!言わせていただきます!」


『早く言え。』


「ん~、冷たく言い放つ推し様も素敵。」


『早く言えよ!』


「あ、ちょっと待って。心の準備と着替えと化粧を……。」


『着替えと化粧は今、必要ないだろ!?早くしてくれよ、頼むよ。これ何時間話してると思ってんだよ。いい加減寝かせてくれよな。』


「え~約束と違う~。」


『確かに約束したよ?ファンラン入ってくれたら、もちもちするって約束したよ?でもさ、これは聞いてない。ってか言ってない!』


「推し様の漢気、見てみたいなぁ。」


『もはや何を言っているのかさっぱり分からん。なぁ、いいか?これ聞いたら切るぞ?いいな?約束しろ?約束出来ないなら聞かない。』


「聞かないと切れないけど大丈夫そ?」


『もう何でも良いから言ってくれ!』


「好きです!結婚して下さい!お願いします!」


『言いたい事はそれだけか?もういったな?いいな?もう切っていいよな?』


「……へ、返事は……?」


『無理だ!じゃあな!』


「あ……切られた。」


『あ~ヤバいヤバい。約束なんかするんじゃなかった。寝よ。』


「ありがとう、嬉しいよなんて推し様ったら。ちゃ~んと録音、してあるからね、繋げて動画にしちゃお。ねぇ、アイシテルよ。お・し・さ・ま。」

終わり

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