4人声劇 想定20分『第5話 ディスティネーション』

🖊沖ママカーニバル2024

『No Limit(ノーリミット)』 作 沖ママ

第5話 ディスティネーション

法医学者 サトウ シンヤ : (男性)
法医学者 ミマカサ ミユキ : (女性)
助手 フカザワ ユキヒコ : (男性)
事務員 スガワラ ミネコ : (女性)

-以下本文-

サトウ シンヤ
「調べたのか?俺の経歴。」

ミマサカ ミユキ
「調べました。」

フカザワ ユキヒコ
「やめとこうって言ったんですよ!?」

サトウ シンヤ
「で、どうだった?」

フカザワ ユキヒコ
「サトウさん!ミマサカさんも!やめましょうよ!仲間内(なかまうち)で揉めてる場合じゃないでしょ!?あぁ、もう!スガワラさんも何か言って下さいよ!」

スガワラ ミネコ
「ユキヒコ君。黙ってて。」

フカザワ ユキヒコ
「そんな!?」

サトウ シンヤ
「……どうだったんだと聞いているんだが?」

ミマサカ ミユキ
「……真っ白だった。何もかも、真っ白。白紙だった!どういう事なんですか!?経歴が白紙なんて有り得ない!」

サトウ シンヤ
「どうもこうもねぇよ。そういう事だ。」

ミマサカ ミユキ
「そういう事って……。」

スガワラ ミネコ
「まぁまぁ、2人とも。サトウさんも、教えてあげてもいいんじゃない?仲間、なんでしょ?」

サトウ シンヤ
「そうだな。お前らには言っておくべきかも知れない。……俺は8年前に1度、死んでいる。」

フカザワ ユキヒコ
「は?死んでる?」

ミマサカ ミユキ
「どういう事?」

サトウ シンヤ
「元々いた、サトウ シンヤは死んでるんだ。戸籍上はな。」

ミマサカ ミユキ
「でもサトウさん結婚してるんじゃ!?」

サトウ シンヤ
「ミネコさん、話したのか?」

スガワラ ミネコ
「既婚者だって事だけね。それ以外は喋ってないわよ?」

サトウ シンヤ
「サトウ シンヤは既婚者だった。家庭があり、法医学者として生きていた。でもな、ある事件で犯人に狙われてその生涯を閉じたんだ。」

スガワラ ミネコ
「その現場に偶然居合わせたのが、所長と私。天才法医学者だった所長と医療従事者だった私はサトウ シンヤの遺体を冷凍保存したの。」

フカザワ ユキヒコ
「何で!?何でそんな事を?」

スガワラ ミネコ
「犯人をおびき出すため。サトウ シンヤは生きている。そう思わせる事で犯人は再び動き始める。そう考えたの。」

ミマサカ ミユキ
「でも戸籍上死んでるって。そんな事出来るもんなんですか!?」

スガワラ ミネコ
「賭けだったわ。サトウ シンヤの脳が再生する事も、犯人が再び動き出すことも。」

フカザワ ユキヒコ
「で、どうなったんです?」

サトウ シンヤ
「秘密を知られている犯人は再び動き出し、逮捕された。そして冷凍保存されたサトウ シンヤの蘇生が行われる事になる。」

ミマサカ ミユキ
「それって、違法なんじゃ……。」

スガワラ ミネコ
「そう、違法よ。完全に黒。真っ黒。だから蘇生措置は極小数の限られた人で行い、多くの臓器が必要だった。」

サトウ シンヤ
「新鮮な遺体から抜き取ったんだ、臓器を。」

フカザワ ユキヒコ
「そ、そんな事が……信じられない。」

ミマサカ ミユキ
「馬鹿げてる!めちゃくちゃだわ!」

サトウ シンヤ
「あぁめちゃくちゃだよ!俺の人生も、何もかも全てめちゃくちゃなんだ!」

フカザワ ユキヒコ
「え、ちょっと待って下さいよ。もしかして所長がこのDAIE(ディーエーアイイー)を作ったのって……。」

サトウ シンヤ
「俺の存在を隠すためだ。そして、罪滅ぼしなんだろうよ。」

ミマサカ ミユキ
「ご遺族には?」

サトウ シンヤ
「死んだと伝えてある。戸籍上は死んでるんだからな。」

ミマサカ ミユキ
「それなら、サトウさんが既婚者って事にはならないじゃないですか。」

スガワラ ミネコ
「そう言っておけば諦めるでしょ?」

ミマサカ ミユキ
「そ、そうかもしれないですけど!」

サトウ シンヤ
「さ、この話はおしまいだ。何か機会でもあればまた話してやる。それより今は、連続変死体事件だな。フカザワ、何か分かったか?」

フカザワ ユキヒコ
「今度、じっくり聞かせてもらいますからね。連続変死体事件の方ですけど、調べられた数は数件。その変異体の全てで内蔵の激しい損傷が見られました。でも死亡検案書には書かれていない。担当者から聞き出しました。」

サトウ シンヤ
「ミマサカ。2年前の事、覚えてるか?」

ミマサカ ミユキ
「知りません!」

スガワラ ミネコ
「ミユキちゃん。サトウさんね、今まで誰とも組んで来なかったのよ。どんな事もひとりで動いてひとりで解決してきた。でもね、今回はみんなの力が必要なの。分かってあげて。」

サトウ シンヤ
「ミマサカ、今回の事件。2年前の事件がポイントなんだよ。話してくれないか?」

ミマサカ ミユキ
「被害者は男性。年齢は……若くはなかった。死因は胸部圧迫による圧迫死。ただし、内蔵に激しい損傷あり。そのくらいしか覚えてません。」

フカザワ ユキヒコ
「その、2年前のご遺体が何か?」

サトウ シンヤ
「通常、検死に疑問点があれば死亡検案書に所見として書く事になっている。が、それを許されなかった。そうだな?」

ミマサカ ミユキ
「ええ、そうです。でも大学病院じゃ、DAIE(ディーエーアイイー)と違って調査権も捜査権も無い。黙って従うしか、無いんです。」

スガワラ ミネコ
「しかも、そういういわく付きのご遺体は大学病院でしか解剖されない。」

フカザワ ユキヒコ
「それって……誰かが故意に証拠隠滅を図ってるって事になるじゃないですか!?」

スガワラ ミネコ
「それがね、ずっと謎だったの。」

サトウ シンヤ
「今回のような変死体事件は、数年前から起きていた。そして、上の連中はその特異性に気付いていた。」

ミマサカ ミユキ
「なら何で?何で事件を解決させようとしなかったの!?」

フカザワ ユキヒコ
「そうですよ。おかしいじゃないですか。」

スガワラ ミネコ
「考えてみて。この数年で医療も医学も飛躍的に進歩してきた。その反対に数年前では分からない事が、今の医療では分かるようになってきたのよ。」

フカザワ ユキヒコ
「スーパーキラーT細胞は、既にこの国に出回っている、そう言いたいんですか?今の科学でそれがやっと分かるようになってきた。」

ミマサカ ミユキ
「フカザワ君、この国だけじゃない。世界中に、だよ。この国の検閲は世界的に見てもかなり厳しいし、優秀なの。既に世界中にばらまかれている。」

サトウ シンヤ
「そう考えるべきだろうな。この国は、外側からには強いが、内側からには弱い。」

ミマサカ ミユキ
「ちょっと待って!スーパーキラーT細胞って細胞でしょ?」

フカザワ ユキヒコ
「……細胞なら培養出来る?」

ミマサカ ミユキ
「そう。ひとたび手に入れてしまえば、あとは培養しさえすればいくらでも増やせる。」

サトウ シンヤ
「しかしな、一般人がそう易々と細胞の培養なんて出来んだろう。」

スガワラ ミネコ
「あら、今どきは小学生の自由研究でも、カビの培養とか人工細胞の生成とかやってるわよ?」

サトウ シンヤ
「なんだと!?」

フカザワ ユキヒコ
「今どきの小学生って凄いですね。」

ミマサカ ミユキ
「私でも細胞の生成とかやった事ないのに!?」

フカザワ ユキヒコ
「いや、普通やんないですって。」

サトウ シンヤ
「しかし、細胞なぁ……。ウイルスなんかじゃ無い訳だから、どうやって被害者に埋め込むかだ。」

スガワラ ミネコ
「そうね。細胞はウイルスと違って空気中を移動出来ないわね。」

ミマサカ ミユキ
「アレじゃないですか?ほら、傷とかに貼る皮膚再生シートみたいな。」

フカザワ ユキヒコ
「もしかして……。」

サトウ シンヤ
「フカザワ、何だ?」

フカザワ ユキヒコ
「ミマサカさんの話してた技術、皮膚を再生するシート。あれって内蔵とか血管の再生にも使われてますよね?って事はシート自体は人体には影響しないんだから、細かくしてしまえば食べ物、特に生物になら忍ばせる事が出来るんじゃ?じゅうぶんな水分もあるから細胞も生きていける。」

ミマサカ ミユキ
「確かに!それなら知らないうちに体内に取り入れることが出来る!」

スガワラ ミネコ
「でもそれだと、特定の誰かを狙う事は出来ないわね。不確定要素が多すぎるわ。」

サトウ シンヤ
「確かにな。確実な方法とは言い難い。」

ミマサカ ミユキ
「いや、でも……そうか!ちょっと待ってて!」

フカザワ ユキヒコ
「ミマサカさん!」

サトウ シンヤ
「おぃ!ミマサカ!」

スガワラ ミネコ
「ふふふ、若いっていいわねぇ。サトウさんも昔は……。」

サトウ シンヤ
「ミネコさん、昔の話は今はやめてくれ。」

ミマサカ ミユキ
「分かりました!独身です独身!」

フカザワ ユキヒコ
「え?」

サトウ シンヤ
「確かにミマサカ。お前は独身だよな。」

ミマサカ ミユキ
「違います!被害者が独身、または単身での生活をしているんです!」

サトウ シンヤ
「どういう事だ?」

ミマサカ ミユキ
「あーもう、分かんないかな。このスットコドッコイ!」

フカザワ ユキヒコ
「あ、分かったかも。」

ミマサカ ミユキ
「フカザワ君、分かる!?」

フカザワ ユキヒコ
「独身、単身者であれば被害者を特定する事は出来る。しかも1人しかいない訳だから生物であれば早期に食べてしまう可能性が高い。食べられたとしても、細胞が体内で定着し増殖、その後に体内組織を破壊したとしても相当の時間がかかるはず。ほぼ、完全犯罪ですよこれ。」

サトウ シンヤ
「特定の被害者にどうやって生物なんて渡すんだ?」

スガワラ ミネコ
「生物とは限らないんじゃないかしら。ほら、チルドパックとかだってあるじゃない?半冷凍?違うわね。冷蔵!そう、要冷蔵なら細胞も死滅しないわね。」

ミマサカ ミユキ
「それですよそれ!プリンとかゼリーとか!って事は贈答品(ぞうとうひん)?」

フカザワ ユキヒコ
「って事は、運送業者か発送元。」

ミマサカ ミユキ
「取り敢えず警察にも連絡してきます!」

フカザワ ユキヒコ
「俺は運送業者当たってみます!」

スガワラ ミネコ
「若いって、いいわねぇ。」

サトウ シンヤ
「あの行動力はもう、俺には無い。」

スガワラ ミネコ
「そんなこと言って。裏でこそこそ、やってんでしょ?」

サトウ シンヤ
「なんだ、知ってたのか?」

スガワラ ミネコ
「あなたがじっとしてる訳ないじゃない。何年一緒に居ると思ってるの?」

サトウ シンヤ
「結婚する前からだから、もう25年か?」

スガワラ ミネコ
「いい子達よ、あの子達。話すの?」

サトウ シンヤ
「そうだな。いずれ、話さなきゃならん時が来るかもな。」

スガワラ ミネコ
「私が亡くなったサトウ シンヤの嫁です。なんて知ったらどうするのかしらね。」

サトウ シンヤ
「どうもしねぇだろうよ。俺がボコボコにされるだけだ。」

スガワラ ミネコ
「あははは、おっかしい。でもまぁ、そのくらいの方がいいわ。」

サトウ シンヤ
「さてと、俺もちょっと行ってくる。留守を頼むよ。」

スガワラ ミネコ
「はいはい、行ってらっしゃい。」

《しばらく間を開ける》

スガワラ ミネコ
「みんな、行っちゃったわね。お茶でも煎れて、待ってようかしらね。」

《しばらく間を開ける》

ミマサカ ミユキ
「あ、フカザワ君!」

フカザワ ユキヒコ
「ミマサカさん、どうでした?」

ミマサカ ミユキ
「今、タナベさんに調べてもらってる。そっちは?」

フカザワ ユキヒコ
「運送業者から情報提供してもらったの調べてるんですけど……。」

ミマサカ ミユキ
「何かあるの?」

フカザワ ユキヒコ
「変死体として調べた数件の被害者の名前と届け先が一致しました!」

ミマサカ ミユキ
「やったね!」

フカザワ ユキヒコ
「ミマサカさんの発想があってこそですよ!」

ミマサカ ミユキ
「でもそれを突き止めたのは他でもない、フカザワ君なのよ!……あ、電話。もしもし?タナベさん!どうでした?えぇ、変死体は独身者!ビンゴ!こちらも、運送業者当たってて、配送先に被害者の名前が見つかりました!これから共有します!……フカザワ君!」

フカザワ ユキヒコ
「分かりました!……これで……OKです!タナベさんからもリスト来ました。」

ミマサカ ミユキ
「このふたつを照合したら!」

スガワラ ミネコ
「あら、ふたりとも戻ってきてたのね。お茶煎れたんだけど、飲む?」

ミマサカ ミユキ
「飲みます~。」

フカザワ ユキヒコ
「いただきます。」

ミマサカ ミユキ
「サトウさんは?」

スガワラ ミネコ
「ちょっと出てくるって。それより、ずいぶん大きな声で話してたみたいだけど?」

フカザワ ユキヒコ
「繋がったんですよ!」

ミマサカ ミユキ
「運送業者の配送先に被害者の名前があったんです。」

フカザワ ユキヒコ
「しかもこれ、何人かは同じタイミングで配送されてる。」

スガワラ ミネコ
「それじゃあ、配送元をたどれば犯人に繋がるってこと?」

ミマサカ ミユキ
「そーゆー事!」

サトウ シンヤ
「ミマサカ!フカザワ!居るか!?」

ミマサカ ミユキ
「サトウさん!繋がりましたよ!」

フカザワ ユキヒコ
「犯人が絞れるかも知れません。」

サトウ シンヤ
「なら、それは警察に任せておけ、付いてこい!ミネコさん、悪いがあとは頼む。」

スガワラ ミネコ
「はいはい、行ってらっしゃい。ホント、忙しい人なんだから。それにしても、あんなに生き生きとしてる姿見るのも久しぶりね。ふふふ、2人には感謝しないとね。」

《時間経過 間を開ける》

フカザワ ユキヒコ
「終わってみると、何か呆気ないですね。」

ミマサカ ミユキ
「いいのいいの、犯人は逮捕されたし、これでロックダウンは解除かな。」

サトウ シンヤ
「やっとここまで、こぎつけたな。」

スガワラ ミネコ
「みんなお疲れ様。今回は大活躍だったわね。」

サトウ シンヤ
「おいおい、今回も!だろ?」

ミマサカ ミユキ
「そ~ですよ~!私がビシッと捜査員に指示出すところ、スガワラさんにも見せたかったなぁ~。」

スガワラ ミネコ
「私はここでみんなの帰りを待ってるのがいいの。」

フカザワ ユキヒコ
「ちょっと待って。ミマサカさんは、俺の隣で座ってただけじゃないですか!具体的に説明したのは俺だし!」

ミマサカ ミユキ
「言わなきゃ分かんないじゃない!余計な事は言わなくていいのよ!」

フカザワ ユキヒコ
「すぐそうやって自分を良く見せようとするんだからなぁ。」

ミマサカ ミユキ
「フカザワ君!」

フカザワ ユキヒコ
「なんですか?俺、間違ったこと言ってますか?間違ってるなら違うよって言えばいいじゃないですか!」

ミマサカ ミユキ
「間違ってはないから余計なことを言わなくてもって言ってんの!」

スガワラ ミネコ
「ホント良いコンビね、あの2人。」

サトウ シンヤ
「あぁ。あの2人が未来のDAIE(ディーエーアイイー)を背負(しょ)って立つ。そう思うよ。」

スガワラ ミネコ
「ねぇ、シンヤ。たまには、飲みにでも行く?」

サトウ シンヤ
「お?ミネコから言って来るなんて珍しいな。」

スガワラ ミネコ
「たまには、ね。」

ミマサカ ミユキ
「サトウさん!サトウさんも何とか言って下さいよ!」

フカザワ ユキヒコ
「あ、ひでぇ!サトウさんは関係ないだろ!?」

サトウ シンヤ
「はぁぁ……。お前らなぁ、その辺にしとけよ。俺たちはチームなんだ。俺たちはDAIE(ディーエーアイイー)。」

フカザワ ユキヒコ
「俺たちに限界は無い。」

ミマサカ ミユキ
「見せてやりましょ、私たちの No Limit(ノーリミット)を! ですよね?」

フカザワ ユキヒコ
「だな。」

サトウ シンヤ
「お前ら……。それなら、限界はないってところ、見せてもらおうか!さぁ、仕事だ!今日もご遺体が待ってるぞ!」

ミマサカ ミユキ
「えぇー!?ちょっとくらい休ませてよ~!」

フカザワ ユキヒコ
「労働環境の改善をと求めます!」

サトウ シンヤ
「お前ら、限界はないんだろ!?No Limit(ノーリミット)の精神はどこにいった!」

ミマサカ ミユキ
「スガワラさ~ん!」

スガワラ ミネコ
「はいはい、終わったらお茶と美味しいお菓子、用意しておくからね。」

フカザワ ユキヒコ
「あ、俺、コーヒーが良いです!」

サトウ シンヤ
「ほら、行くぞ!」

ミマサカ ミユキ
「は~い!」

スガワラ ミネコ
「ふふふ、本当に、仲が良いんだか悪いんだか。でも良いところよね。DAIE(ディーエーアイイー)はさ。さ~、私も事務仕事、終わらせないとなぁ~。それにしても所長、ちっとも姿見せないわね。何やってんのかしら。今度来たら文句言わなきゃ。」

サトウ シンヤ《ナレーション》
「連続変死体事件の犯人は逮捕され、事件は解決。警察の特別捜査本部も解体され、無事にロックダウンも解除。人々は慌ただしくも日常を取り戻しつつあった。」

ミマサカ ミユキ《ナレーション》
「ロックダウンの解除と共に、報道協定も解除、犯人の裁判も始まり事件の全容解明が進むと思われた。が、黙秘を続ける犯人。真の事件解決はいつになるのか。」

フカザワ ユキヒコ《ナレーション》
「警察、検察、弁護人、そして犯人。検察の参考人として呼ばれるDAIE(ディーエーアイイー)のメンバーたち。物語は第2ラウンド、法廷へと場所を変えての心理戦が繰り広げられる。」

スガワラ ミネコ
「え、ちょっと待って?これ、続くの!?私、聞いてないわよ!?」

サトウ シンヤ
「俺だってきいてねぇぞ!?どうなってんだ!?おぃ!?誰か!いねぇのか!?」

ミマサカ ミユキ
「誰かって誰なんですか!?さぁ、行きますよ、裁判所!犯人が待ってますから。」

フカザワ ユキヒコ
「俺も聞いてないから!ねぇ、裁判所って何!?心理戦ってどういうこと!?」

スガワラ ミネコ
「本当の闘いは、これからだ。なんてね。」

サトウ シンヤ
「どんな相手でも全力でぶつかるのみよ!」

ミマサカ ミユキ
「やってやろうじゃないの!」

フカザワ ユキヒコ
「はぁ……就職先、間違えたかなぁ……。」

第5話 ディスティネーション 終わり

第1話はこちらから


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