4人劇 第5幕 『未来へ』今を生きるあなたへ 想定15分

🖊沖ママカーニバル 第5幕

第5幕 『未来へ』
今を生きるあなたへ

登場人物:cast
樹(イツキ) cast. (男性)
真人(マサト) cast.(男性)
京香(キョウカ) cast. (女性)
奈美(ナミ) cast. (女性)

 《樹 ナレーション》
物語はクライマックスへ。
今を生きるあなたは、どうするのか?どう生きるのか?

《真人 ナレーション》
第5幕 未来へ

※HAKUNAでの台本です。
HAKUNA以外で使用する際は入れ替わりを無視して下さい。

《ゲスト 京香、奈美、真人で開始》

京香
「樹……樹……。何でよ……私を……1人にしないでよ。約束したじゃない。結婚するって……ずっと一緒にいようって。なのに、なのに……どうして!どうして1人で悪者になるの!?ねぇ、樹!私……私、1人じゃ、無理だよ。真人も、奈美も居なくなっちゃった。私どうしたらいいの?」

奈美
「京香!」

京香
「え……。な、奈美……。」

奈美
「ただいま、京香。ごめんね。待たせちゃって。」

京香
「ううん、いいの。奈美、奈美!寂しかった、1人で残されたんだと思って寂しかった!」

真人
『ん?樹からメッセージ?何だ……これ。』

京香
「樹から!?そんな!だって樹は死んだハズじゃ!?」

奈美
「落ち着いて。メッセージなら予約送信だって出来る。事前に予約されていればサーバー内にデータは残されてるから、届ける事は可能なはずよ?」

真人
『そ、そうだな……。地下のPC?アイツいつの間に……。』

京香
「なに?樹……なんだって!?」

奈美
「京香、落ち着いて。真人、続けて。」

真人
『ああ、地下室のPCで……ん、これか。電源を入れるとホーム画面にフォルダがひとつあるはず……。お、あった。これか。』

奈美
「真人!これって……。」

真人
『ああ、樹からのメッセージ。だろうな。』

京香
「樹からの!?」

真人
『奈美、京香を押さえててくれ。』

奈美
「うん。京香、ごめんね。」

京香
「樹からのメッセージって何!?何なの!?何で樹は!」

真人
『開くぞ……。パスワードは……っと。K Y O U K A。京香、か。』

奈美
「樹……。」

《奈美 ゲストから降りる》
《樹 ゲストに参加》

真人
『ひとつだけ、ファイルがあるな……。』

《しばらくの間》


『やぁ、諸君。おはよう。』

京香
「樹!」

真人
『しっ!』

《真人 ゲストから降りる》
《奈美 ゲストに参加》


『このファイルが見られていると言うことは、だ。俺はもう存在しないんだろうな。まずはみんなに謝らなければならない。俺は誰にも言わずに今回の計画を立案し、実行した。その事については本当に申し訳ないと思っている。』

京香
「どういうこと!?樹!?何言ってるの!?」

奈美
「京香。聞こう。」

《奈美 ゲストから降りる》
《真人 ゲストに参加》


『今、このPCの前にいるのは真人、奈美……京香。だな?俺からはもう見ることが出来ないから、3人が居ると思って話させてもらう。世界滅亡プログラム。今ある世界を破壊し、限られた人間のみを残し、より優れた人類へと進化させる。その為のプログラムだが、世界に壊滅的ダメージを与える事だけは間違いないだろう。だからこそ、このプログラムの開発者、実行者には《悪魔》《罪人》などの汚名が与えられる事だろう。』

真人
『普通に考えたら、まぁそうなるよな。』


『お前たち3人にその汚名は着せられない。背負わせたくない。天才であるこの俺が、1人で勝手にやった事にしたらいい。そうすれば誰も傷つかない。俺は天才だからな。俺1人が全て背負えばいいんだよ。』

京香
「そんな……!樹!」

《京香 ゲストから降りる》
《奈美 ゲストに参加》


『この世界滅亡プログラムは世界中の細菌研究所のロックを解除し全ての細菌を世界中にばら撒く。そして主たる軍事基地を掌握し、世界中に配備されているミサイル基地から発射可能なものを発射させる。世界は混乱し、人類の半数は死滅する。恐らく、大戦に発展するだろう。』

奈美
「私は詳しく知らなかったけど、そんなヤバいプログラムだったのね……。」

真人
『あぁ、樹からこのプログラムの全貌を聞いた時には正直震えた。』


『さて……。奈美。巻き込んで済まなかった。このチームで1番何も知らない君が1番の被害者なのかも知れないな。それでも君の能力は今後の世界再構築には必要なものだ。』

奈美
「樹……。」


『真人……。お前には世話になった。本当に。お前が居なければこの計画は実行されなかっただろう。』

真人
『樹……お前は本当に天才だったよ。』

《真人 ゲストから降りる》
《京香 ゲストに参加》


『そして……京香。悪かったな。1番悲しませたのはきっと君のハズだ。俺と居れば、君も同様に世界中の非難を、浴びる事になるだろう。今回の世界滅亡プログラムは俺1人の独断専行で俺1人でやった。京香、君は何も悪くない。悪いのは俺1人だ。』

京香
「樹!私だって、私だって!樹と世界を敵にする覚悟は出来てた!なのに何で!?」


『きっと京香なら、一緒にその罪を背負おうなんて言うんだろうな。優しいんだよ、お前は。京香、君も奈美と同じく世界の再構築に必要な、人材だ。俺に次ぐ、天才。なんだからな。』

奈美
「京香……。頑張ろ、一緒に。」

《奈美 ゲストから降りる》
《真人 ゲストに参加》

京香
「奈美……私。私……。」


『このデータの再生が終わると自動的にプログラムは強制発動する。最終ロックが外れるハズだ。』

真人
『樹、お前は……。』


『そして、今回の世界滅亡プログラムの全貌は世界に公表される。このプログラムは世界再構築に必要なものだ。お前たちならわかるよな。』

京香
「プログラムの分解と解析、そして逆トレース。そして新たなプログラムの構築。」


『出来るハズだ。俺は罪人となり、お前たちは世界の救世主となる。これが俺の描いたストーリーだ。』

《樹 ゲストから降りる》
《奈美 ゲストに参加》

真人
『お前は、お前は本当にそれで良かったのかよ!なぁ、樹!お前のその全てをかけて守りたかったものの行く末を見ないで良かったのかよ!お前の、その身勝手な行動で俺たちは!俺たちはな!苦しむんだよ。罪は、犯した罪は消えないんだよ。』

奈美
「真人……。もしかして……あなた……。何か知っているの?」

京香
「真人!?何?何か知ってるの!?教えて。全てを。」

真人
『俺が……。俺が樹を……コロしたんだ。』

京香
「な、何でよ!?何で真人が樹を!?何で?何で?」

真人
『樹に!アイツに頼まれたんだよ……。』

《真人 ゲストから降りる》
《樹 ゲストに参加》

京香
「何で!何でなの!?ねぇ、真人!」

奈美
「待って!まだ再生続いてる。」


『……みんな。みんな何かしらの罪を背負って生きてる。俺のわがままに付き合わせて悪かった。でもな、俺は満足している。そしてお前たちが世界を救う事を願っている。』

《樹 ゲストから降りる》
《真人 ゲストに参加》

奈美
「……終わった……。」

京香
「罪を背負う?世界を救うですって……?馬鹿も休み休みに言いなさいよ、樹!私はあなたを許さない。」

奈美
「京香……。」

真人
『俺は……どうしたら……。』

奈美
「真人……。」

京香
「あんた達、来なさい。やるわよ。樹、あなたを許さないんだから。あなたが想像した以上の未来を作って見せる。」

奈美
「京香、行こう。私たちの未来を作りに。」

真人
『何かあれば真っ先に俺を切ってくれ。それだけの罪は犯したんだからな。』

京香
「誰も死なせないわ。私は天才。全てを生み出す創造主になる!」

終わり


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