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『人の為に誰かの為に』 想定30分



ハルカ……出版社に在籍する特派員記者、アキヤの嫁

アキヤ……大手企業に務める会社員、ハルカの夫

           《以下、本文》

《ノックする音》

アキヤ
『ハルカ。今、いいか?』

ハルカ《早口で》
「ん?どうした……あ。ごめんね、晩御飯まだだったよね。もうこんな時間じゃない。あぁ~!私ったら!すぐ用意するわ。ちょっと待ってて。でも、時間遅いから簡単なものでいい?」

アキヤ
『あ、いや。うん……。ご飯はそれでいいんだけどさ。』

ハルカ
「え?違う話?」

アキヤ
『ここのところ、取材とかで色々と働き詰めだろ?大丈夫なのか?』

ハルカ
「あ~、今追いかけてるのがちょっと大事(おおごと)になりそうなのよね。その裏取りとかあってさ。」

アキヤ
『なるほどな。政治絡みとか、社会派記者としてのスクープか。』

ハルカ
「そんなんじゃないわよ。大企業の闇に迫る!みたいな?そんな感じ。今は正統派の記事より、身近なインパクトのある記事の方が売れるのよ。」

アキヤ
『売れる記事も書かなきゃならんとはな。まぁ、それも時代の流れに乗らなければならない出版社ならではの悩みか。』

ハルカ
「そうよ~。この間、久しぶりに本社に顔出したら編集長がさ、スクープはないのか!スキャンダルは!?ってあちこちに連絡取ってたわ。そんなにポンポン出てくる訳無いのに、編集部の空気も悪くてさぁ。」

アキヤ
『うちの会社は、役員や部長やらが躍起になってライバル社に勝つんだとか騒いでいるが、一般社員やパート従業員までにはその熱は伝わらん。何か黒い噂もあるしさ。』

ハルカ
「お?スクープネタがまさか身内から?」

アキヤ
『そんな事したら2人とも終わりだろ。』

ハルカ
「そうねぇ~。なんかさ、生きにくい世の中になっちゃったわね。あ、ご飯食べたらお風呂先に入っちゃって。私、これ終わらせてからにするから。」

アキヤ
『分かった。あんまり遅くならないようにな。』

ハルカ
「うん、ありがと。」

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《ゆっくり時間かけてOK》

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『やっぱり……会社、辞めちまおうかなぁ……。何か息苦しいよな。無理してまで……体壊してまで務める必要ないよな。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『ハルカにはさっき、ああやって言ったけど……うちの会社の闇、深そうだよなぁ。色んな噂話は絶えないけど、日本屈指の大企業がまさか!ってね。あはは、それはそれで面白いかも知れないけどな……。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『夜は1人で居ると、余計な事を考えちゃうな。今日は寝よう。ハルカ、おやすみ。』

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《ゆっくり時間かけてOK》

ハルカ
「ん~……。あぁ……。終わった~。やっと終わったわ。2時半……か。あっ……。仕事から解放されたらお腹空いてきた……。ダメよ。深夜なんだから。私のお腹、鳴り止みなさい……くぅ……でも……お腹が……空いた……。」

《間を開ける2秒》

ハルカ
「あ~!プリン!深夜に冷蔵庫を開けるとそこにはプリンが!この時間にプリンはぁぁぁぁ!」

ハルカ《小声》
「っといけない。アキヤさん、寝てるんだった。……周囲に人影は無し。物音……無し。よ、よし……ゴクリ。」

《プリン食べながら》

ハルカ
「アキヤさん、何かあったのかな。明日聞いてみようかしらね。あ~プリン美味しかった!あっ、全部食べちゃった……。てへっ。」

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アキヤ《玄関に入る》
『ただいま~。』

ハルカ《リビングから話しかける》
「あ、おかえり~。ちゃんと玄関で花粉とか払ってから入ってよ~?」

アキヤ《リビングに届かせる様に》
『分かってるー!』

ハルカ《リビングから話しかける》
「あと、それからー!」

アキヤ《リビングに届かせる様に》
『そっち行ってから聞くー!』

《アキヤ 服を払う》

ハルカ《独り言》
「あ、そか。そうよね。わざわざ大声張って話す事ないわ。」

アキヤ《リビングに来る》
『そうだよ、近所迷惑になるかもしれないぞ?』

ハルカ
「ごめんね。つい黙って居られなくて。そうそう、昨日の話よ昨日の!」

アキヤ
『昨日?』

ハルカ
「何か言いたかったんじゃないの?」

アキヤ
『あぁ、その話か……。』

ハルカ
「何?言いにくい事?」

アキヤ
『いや……。俺さ、仕事辞めようと思って!』

ハルカ
「あ~、なるほどね。そういう話か……。」

アキヤ
『なんだ、驚かないのか?これからの生活どうすんのよ!とか、人生設計狂った!とか色々、言いたい事もあるだろ?』

ハルカ
「まぁね。でもさ、そんな事いちいちいち言ってても仕方ないじゃない?だったらこれからどんな楽しい事して生きていくか考える方がよっぽどか建設的だわ。」

アキヤ
『ハルカ……君のそういう所に俺は惚れたのかも知れない。』

ハルカ
「な、なに言ってんのよ!バ、バカじゃないの!?ほんとに……。恥ずかしいじゃない。ご飯作っちゃうから、ほらその辺で休んでて。」

ハルカ《小声で次のセリフ被せるけど最後まで言い切る》
「真面目な話してるのに突然何よ……真顔で目を見て言われるとか反則じゃない。どうしてくれんのよ、まったく。ホントに考え無しに言うんだからこっちが困っちゃう。」

アキヤ《前のセリフの途中から被せる》
『何ひとりでぶつぶつ言ってんだよ。普段の仕事してる顔も好きだけど、そうやって照れてるとこも可愛いよな。』

ハルカ
「ひゃっ!こ、今度は不意打ちのバックハグ!?もぅ、ご飯作ってるんだから危ないでしょ!」

アキヤ
『なぁハルカ。俺に付いてきてくれないか。』

ハルカ
「つ、付いてきてって……どこによ!?」

アキヤ
『都会から離れて、田舎に行かないか?君の今の仕事なら地方に居ても出来ない事もないと思うんだ。』

ハルカ
「ま、まぁ……ね。私は本社に出社しなくていいし、記事作ってデータ提出するのと、定期的にオンラインでミーティング出来れば問題ないけど。」

アキヤ
『だから君は、仕事を辞める必要は無い。』

ハルカ
「ふぅ~。で、いつ会社辞めるのよ?」

アキヤ
『え?まだ辞表出してないから、これから話をするところだけど?明日からフリーターですって言うのは流石に有り得ないだろ?』

ハルカ
「そうね、それなら3ヶ月後にしましょう。」

アキヤ
『3ヶ月後?またどうして?』

ハルカ
「あなたのボーナス入るまで待つのよ、当然じゃない。給料とボーナスと退職金、ちゃんと計算しておかなきゃ。」

アキヤ
『ハルカ、君は凄いな。』

ハルカ
「それに合わせて私も仕事辞める!」

アキヤ
『君はそこまでしなくても!』

ハルカ
「私はあなたと歩むわ。付き合ってる時も、結婚した時も、今でもそう思ってる。だから私も仕事辞めるわ。」

アキヤ
『ハルカ……分かった。それならあと3ヶ月、お互いに頑張ろう!』

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《ゆっくり時間かけてOK》

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『とうとう、来ちゃったな。2人とも会社辞めて本当に、田舎来ちゃうんだもんな。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『静かだな……ここは。サイレンを鳴らして走る車も居なければ、クラクションを鳴らす車も居ない。闇に支配された場所。そんな感じだ。都会じゃ見られない景色、音、匂いがここにはある。確かに不便さはある。スーパーもコンビニも歩いては行けないし、地元のお店は夜8時には閉まってる。その不便さがまたいいんだけどね。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『ハルカのやつ、同じ都会からの移住者さんとこ顔出してくるって、だいぶ遅いな……。ん?とは言っても、まだ9時か。都会にいた頃ならまだ仕事してたりする時間だ。ホント、ここは静かだ。俺は移住して来て良かったと思ってはいるが、ハルカはどうなんだろうな。特派員記者辞めたってのに、あっちこっちで知り合い作ってさ。人付き合い上手いよ、アイツは。こんな田舎にはもったいないのかも知れないよな。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『こっちで出来る事、やっとくかぁ~。』

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《ゆっくり時間かけてOK》

ハルカ《移住者に話しかけてる》
「あら、もうこんな時間じゃない。ごめんなさいね、話し込んじゃって。私たちもまだ引っ越してきて1ヶ月くらいだけど、仲良くしてね。それじゃ、またね!」

《間 2秒くらい開ける》

ハルカ《独り言》
「ホントこっちは暗くなるの早いわね。って言ってもまだ9時か。明日からも忙しいわよ~。青年会の青年会長のとこ行って、村の村議会議員さんの所にも顔出して、商店やってるお華(はな)おばあちゃんのとこにも行かないと。」

《間 2秒くらい開ける》

ハルカ
「そうだ。もらったお野菜、どうやって食べようかしら。味噌和えと、醤油炒めと、白和え……はアキヤさんあんまり好きじゃないみたいだし……あ~やっぱり鍋かなぁ。田舎暮しって面白いわ。付いてきて良かった~。」

《間 2秒くらい開ける》

ハルカ
「さ、帰って仕込みするわよ~。それからブログとSNSも更新しなきゃね。特派員記者としてのスキルがこんなところで役にたつとはねぇ~。」

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アキヤ
『お、帰って来たみたいだな。ハルカー!おかえりー!』

ハルカ
「ただいま~、遅くなっちゃってごめんね~。っと、ちょっと手伝ってー!」

アキヤ
『どれどれ……また凄い量の野菜だなこりゃ。』

ハルカ
「村のおばあちゃま達が持ってけ持ってけってくれるから。で、最近引っ越してきた原田さんとこにも分けてきたのよ。」

アキヤ
『ハルカはホントに人付き合いが上手いよな。良かったのか、こんな田舎に来ちゃって。』

ハルカ
「めちゃめちゃ楽しい!ありがとね、付いてきて良かったよ。」

アキヤ
『そうか、それなら良いんだけど……っと。なぁ、見てみろよこれ。』

ハルカ
「ん~どれどれ……。ヤバっ!こんなに反響あるの!?」

アキヤ
『あるある、ハルカの野菜レシピのブログ人気あるみたいよ?』

ハルカ
「材料には困らないからね。おばあちゃま達に感謝だわ。」

アキヤ
『それから、この記事。ほら。』

ハルカ
「あ~これね。都会から田舎に引っ越してきたシリーズのヤツ。結構反応来てるじゃない。上出来上出来。」

アキヤ
『ハルカ、そろそろ企んでいる事を話してくれてもいいんじゃないかなぁ~。』

ハルカ
「あちゃ~、バレてた?」

アキヤ《笑いながら》
『そりゃ、これだけ精力的に動いてたらバレるだろ!何でバレないと思ってた?』

ハルカ
「分かった、話すわ。」

アキヤ
『よし、聞こう。話したまえ。』

ハルカ
「まず、田舎に引っ越して来て思ったのは、いかに田舎が都会から切り離されているかって事。都会の当たり前が田舎では通用しない。また反対に田舎での当たり前が都会では有り得ないという事。」

アキヤ
『なるほどね。』

ハルカ
「それから、都会では体験出来ない体験が、田舎にはめちゃくちゃある。田舎の魅力をもっと発信するべきだと思うの。お店、宿、地物(じもの)の野菜や特産物。そしてここに暮らす人々。都会には無いものがここにはたくさんある。」

アキヤ
『まぁ、そうだね。ハルカはそういうの見つけるのも上手いよな。俺なんて何にも出来ないし、君は凄いよ。』

ハルカ
「そんな事ないでしょ?田舎に居ながらにして、都会に負けない発信力があるのは貴方のおかげよ。貴方の環境整備がなかったら、きっかけをくれなかったら私はただの特派員記者で終わってた。」

アキヤ
『君は都会に居た時より、今の方が活き活きしてるよ。それを見ているのもまた楽しいんだよな。』

ハルカ
「最近ね、思う事があってさ。」

アキヤ
『うん?』

ハルカ
「地方からの方が中央に影響力ある記事書けたり、発信出来たりするんじゃないかって。」

アキヤ
『地方の魅力を発信すると共に、声や現状を届けながら、地方に根深く残る問題提起をしようってのか。』

ハルカ
「そう。私の取材力と記事。そしてアキヤさん、貴方の……。」

アキヤ
『人脈、分析。』

ハルカ
「うん。使えるものを全て使ってこの田舎を、地方軽視の現状を打破したい。中央1局集中のこの国のシステムすら変えられるかも知れない。」

アキヤ
『出来るのか?そんな事が、俺たちに……。』

ハルカ
「誰かも言ってるけど、限界を決めてしまったらそこまでよ。自分で決めた限界は絶対に越えられない。」

アキヤ
『そうかも知れないけど!流石に話がデカすぎるだろ!』

ハルカ
「私たちに従えって事ではないの。私たちは誘導するだけ。」

アキヤ
『誘導ねぇ……言ってる事、めちゃくちゃ難しいけど大丈夫なのか?』

ハルカ
「出来るわ、私たちなら!」

アキヤ
『分かった、君が言うのならきっと出来るんだろうな。』

ハルカ
「乗ってくれる?」

アキヤ
『畑や田んぼの手伝いしながらだけどな!』

ハルカ
「それは是非やって!地域の人達との繋がりが無くなるのは困る。地域に溶け込みながら問題点を抽出して中央に届けなくちゃならないから。」

アキヤ
『それじゃ、敢えて聞こう。これからの戦略は?どうやっていく?』

ハルカ
「ふふん。それはね……。」

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《ゆっくり時間かけてOK》

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『ハルカ、凄いこと考えてるよな。まさか地方から中央を変えようだなんてさ。何にも考えて無いようでちゃんと考えてんだよな。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『だとしたら、俺はこれからどうする?……って言ってもやる事はひとつか。あはは、そうだよな。俺がハルカを連れてきたんだ。出来るだけの事はするさ。』

《煙を吐く》《ふぅ~。》

アキヤ
『誰をどのタイミングで出すか。まずやらなきゃならん事は……連絡取り合わないとな。んで、雑談からネタを引っ張ると。直接の関わりが無くなった分、言える愚痴もあるだろうし……畑も田んぼも手伝いながらかぁ~。体力持つかな~。』

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ハルカ
「アキヤさんなら、きっと分かってくれると思ってた。私のやりたい事をいつも一番に考えてくれてる。ふふふ、いい旦那さんだよね。」

《間 2秒くらい開ける》

ハルカ
「インフルエンサーになりたいんじゃない。表舞台に立ちたいんじゃないのよ。私は私の出来る事で、出来る事をやるだけ。そうよ、そうだわ。都会とこっちでの同時刻に何があったか……。面白いじゃない。思い付いちゃった。」

《間 2秒くらい開ける》

ハルカ
「しっかし、良い時代になったわよねぇ~。雑誌も新聞も電子版あるから、都会での動きが分かるわ。そこに対比する形でこっちの出来事を記事にして……と。これからが楽しみだわ。」

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アキヤ
『ハルカ!ハルカ!ちょっと手伝って!』

ハルカ
「アキヤさん?どうしたのよ?」

アキヤ
『この機材運び込むんだよ。』

ハルカ
「うわ……何これ……。」

アキヤ
『地方から中央を変えるんだろ?だったらこのくらいの機材は必要だろ。』

ハルカ
「そりゃあ……ねぇ……まぁ……。あればあるだけ嬉しいのよ?」

アキヤ
『だろう?』

ハルカ
「それにしても凄いわね。」

アキヤ
『モニタリング用のPCのセットと、リアルタイムで色んなところに繋がれるように、いくつか手配しておいたんだ。』

ハルカ
「アキヤさん……あなた……。」

アキヤ《笑いながら》
『元日本屈指の大企業に勤めてたコネは使わなきゃな。因みに1箇所でまとめずに、分散してるからひとつひとつはパーツを買ってる様に見せかけてる。あとは手配した日にちもずらしてるから大丈夫。』

ハルカ
「いや、その……そういう事じゃなくてさ……。」

アキヤ
『ん~?何か不満なのか?』

ハルカ
「いやぁ……秘密基地みたいじゃない、これ。」

アキヤ《笑いながら》
『あはは、どうせやるならこのくらいやった方が面白いだろ?』

ハルカ《笑いながら》
「まぁね。ここの所、何かしてると思ったらそんな事してたのね。ありがと。」

アキヤ
『やってやろうぜ、徹底的にさ。ハルカだって都会と田舎の同時刻での比較記事書いてるだろ?だったら都会と田舎だけじゃなくて世界ではってのも入れてもいいんじゃないかなと思ったんだよ。』

ハルカ
「なるほどね!それ、面白いかも!田舎で種まきしたその日、都会では農作物に関する輸入規制を緩和する法案が閣議決定される。」

アキヤ
『その同時刻、世界では食料難から暴動が起きて治安が悪化。国外退去が始まる。また、内戦が続く地域ではインフラの不安が常に付きまといながら必死に生きてる人たちがいる。』

ハルカ
「うんうん!国内だけじゃなくて世界にも発信して行くべきね。そしたらYouTuberとかブロガーとも繋がらないとだわ。」

アキヤ
『ま、そうゆう事だ。よし、俺は田中さんとこと佐藤さんとこの畑仕事手伝って来るから。セッティングやなんかは任せた。』

ハルカ
「は~い、行ってらっしゃい。こっちで出来る事はやっておくわね。」

アキヤ
『おう、頼んだ!あ、そうそう。昼過ぎには帰って来るから!』

ハルカ
「分かったー!ご飯炊いて待ってるわ。」

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《間 2秒程度開ける》

アキヤ
『さて、田中さんとこと佐藤さんとこだよな。っと……。あれ、田中さんの畑、どこだっけなぁ?お?そうだ、ここの道曲がって真っ直ぐだった。』

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《間 2秒程度開ける》

ハルカ
「アキヤさんたら時々、行動力おかしいとこあるのよねぇ……。せっかく準備してくれたんだもんね、私もやるかぁ~!」

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《間 3秒程度開ける》

アキヤ
『ふぁ~、もうこんな時間か……なぁ、ハルカ。』

ハルカ
「ん?なぁに?……ってもう8時なの!?あちゃ~、一日過ぎるの早いわねぇ、ホント。」

アキヤ
『あのさ、真面目な話があるんだけど。』

ハルカ
「え?なぁに?真面目な話?」

アキヤ
『サイトの収入も安定してきたし、そろそろ事業として企業してもいいんじゃないかと思ってさ。』

ハルカ
「会社作るの!?」

アキヤ
『あぁ、田舎に来ても多くの人が、第一次産業に携わってる。地域の人たちも協力はしてくれてるけど、やっぱり個人なんだよ。』

ハルカ
「なるほどね。そして地方からの人の流出を食い止めると。」

アキヤ
『あぁ。全てでは無いけれど、ひとつの選択肢として提示する事は出来るんじゃないかな。』

ハルカ
「そしたら……あなたが社長ね。私は……なんだろ。食堂のおばちゃん!?」

アキヤ《笑いながら》
『あはは、何でだよ。本体の社長はハルカ、君だ。まだまだこの国では女性社長の方がインパクトがある。俺はそこの関連会社の人材派遣会社の社長だな。』

ハルカ
「あー!なるほどね!人手が少ないところに派遣するのね!いいね、それ!」

アキヤ
『だろ?これからも頼りにしてるぜ、社長!』

ハルカ
「まっかせなさい!やってやるわよ!あなたも一緒に、ね!」

アキヤ
『おぅ、任せとけ!』

終わり

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