あの世

あの世の貸し借り

沖縄のお盆や清明には、紙銭(カビジン)というのを使う、

これは、紙に銅銭の形が刻印されたもので、あの世のお金である。

沖縄だけでなく、アジアの中国文化が浸透した土地にはある習慣だけど

あの世にも金が必要となると世知辛い感じがする。


こんな幽霊話もある、さる親方が墓の近くを歩いていると、

並んで立てられた亀甲墓でひそひそ声がする。

親方が聞き耳を立てていると、どうやら墓の中から

声が聞こえているようだった。

一方の墓の主が、

「前にあなたに貸したお供え物はいつ返してもらえるのか?」

ともう一方の墓の主に催促している。

催促された側は、

「今年こそは子孫が墓参りに来るので、

そのお供えからお返しします」と弱々しく答える。

親方は「はてさて不思議な事があるモノ」と考え、

お供えモノを催促されていた墓の所有者を探して歩いた。

そこは、いかにも生活が大変そうな家だった。

親方が一部始終を話すと、墓の所有者は大層驚き

「おっしゃる通り、ここ数年、不幸が続き、

清明の費用が捻出できず、無沙汰をしていました

まさか、うやふぁーふじまで困っていたとは・・」

と涙をこぼした。

親方は気の毒に思い、いくらかお供えモノのお金を融通した。

墓の所有者は喜び、早速、墓参りをして、

これまで、無沙汰をしていた事を詫びた。

それから、その家は、不幸が続いていたのが、嘘のように

幸運が続き、繁栄したという事だ。

あの世には社会保障なんてないのだろうか・・

家が絶えたら、ご先祖はどうなる事やら






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