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不安定な世の中
人々の心の中に暗い雲が渦巻いている。
世の中の不安がひしひしと伝わってくる。
渡辺白泉の句を思い出す。
「戦争が廊下の奥に立つていた」
・・・・・・・
2022年2月24日ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始した。
2022年11月15日ポーランドにロシア製ミサイルが着弾した。
台湾有事に備えるという名目で、南西諸島には次々に部隊が配備されている。
30万人が暮らす那覇の軍港では、オスプレイが飛び交い日米合同の訓練が行われている。
いやだいやだ
戦争の準備なんてやめて
・・・・・・・
重くのしかかる空気に胸がしめつけられ動悸がする。
世の中が不安定になったときに現れるという妖怪の件(くだん)を思い出す。
件は人間の顔に牛の体をしている。
生まれるとすぐに死んでしまう。
人間の言葉を話して、凶作や疫病や戦争といった重大で不吉な予言をする。
いやだいやだ
件なんて現れないで
・・・・・・・
わたしは件(くだん)ではなく、白沢(はくたく)が現れることを願います。
琉球の天才絵師、自了(城間清豊)が描いた白沢之図が有名です。
Wikipediaには、こう書かれていました。
白沢図
伝説によれば、中国最古の王、黄帝が東海地方を巡行したおりに、恒山に登ったあとに訪れた海辺で白沢に出会った。その時黄帝に1万1520種に及ぶ天下の妖異鬼神の知識について語り世の害を除くため忠言した。黄帝はそれらの知識を部下に書き取らせた。こうしてできた書物を『白沢図』という。ここでいう妖異鬼神とは人に災いをもたらす病魔や天災の象徴であり、『白沢図』にはそれらへの対処法も記述されており、単なる図録ではなく今でいうところの防災マニュアルのようなものである。
〜中略〜
以上のような『白沢図』とは別に、唐代以降の中国の民俗宗教では、白沢そのものの図画が厄よけ(辟邪絵)になるとして信仰された。日本でも江戸時代には、旅行ガイドブックに描いて道中のお守りとして身につけたり(八隅蘆菴『旅行用心集』など)、病魔よけに枕元においたりした。
白沢図とは世の中の害を除くために作られた、災いに対するマニュアルだったそうです。
時代が移り変わる中で、残念ながら白沢図は散逸してしまったそうですが、災いがおこらないようにするにはどうすればいいのか、考えていた人たちが昔からいたことに励まされました。
パンドラの箱の中に残された希望。
人間の叡智に期待をこめて、わたしは白沢を描きました。
この図が皆さまの厄除けになりますように。
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人と人との温かい交流を信じて、世界が平和になるように活動を続けていきたいと思います。