脂質ナノ粒子とリポソーム

ごくまれですが、
「リポソーマルグルタチオンはmRNAワクチンと同じ脂質ナノ粒子(LNP)の技術を使っているから危険なのでは」
というご質問をいただきます。

たまにって、これまで2~3人でしたが。
聞くところによると、どうもネット上でそのように主張して騒いでいる人がいるとか。

この主張には根本的な間違いがあります。

まず「リポソーム」「脂質ナノ粒子(LNP)」は厳密には違います。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpstj/82/2/82_63/_pdf

上記資料の3ページ目に、
『主にリン脂質を主体とした脂質二分子膜小胞体がリポソームである.基本的には内水相を有し,水溶性薬物は内水相に,脂溶性薬物は脂質二分子膜中に保持される.・・・(中略)また,siRNA や mRNA などの核酸医薬との複合体が必ずしも内水相を有しないこともあり,こちらの場合には脂質ナノ粒子(英語名は lipid nanopar-ticle, LNP)と呼んでいる.』

基本的に、厳密に言うと「リポソーム」と「脂質ナノ粒子」は構造が異なります


(画像はネットからお借りしました)

きったない字で書いてあるとおり、構造が異なります。

わかりづらいかもしれませんので、まずはQSS社のパンフレットにある、「リポソーム」の図です。
脂質二重層という構造を取っています。

そして、次はmRNAの図です。
noteのこびナビのページにあったものから取ってきてやりました。
https://note.com/cov_navi/n/nd2e018ea9ed3

自分に負けず劣らずのきったない字で「脂質ナノ粒子」と書かれていますね。

膜の構造が全然違います。

こちらの図も参考になります。

どちらもmRNAが中に入っていますが、新型コロナワクチンは右側の構造です。

一番最初にあげた資料にあるとおり、水溶性のものを内側に含有できるものが「リポソーム」なのですね。
しかしその資料の6ページ目「5.リポソームと脂質ナノ粒子の違いは?」という項目には、
『「リポソーム」と「脂質ナノ粒子」は同じものなのか,それとも違うものなのかと尋ねられることが多くなった.これに関しては,筆者も明確な回答を持ち合わせていないが,この「脂質ナノ粒子」という名称を世界に広めた前述の Pieter R. Cullis 教授,Alnylam 社,Acuitas 社等による 2019 年の共著論文 10)が参考になると思われる.彼らによれば,脂質を用いたナノサイズ(100 nm 以下)の粒子が「脂質ナノ粒子」であり…』
なんて書かれています。

ここはちょっと疑問ですね。
「大きさ」で定義が変わるのは違うと思います。

で、QSS社のリポソーマルに使われている膜の成分である「リン脂質」の成分は「フォスファチジルコリン」となっています。
脳にも良いと言われている成分ですね。
リポソーマルグルタチオンを包んでいる膜の成分は、「フォスファチジルコリン」です。

一方、新型コロナワクチンの膜の成分は、
ファイザーが、ALC-0315、DSPC、コレステロール、ALC-0159
モデルナは、SM-102、DSPC、コレステロール、PEG-DMG
となっています。
わけのわからん成分ばかりです。


(画像はネットからお借りしました)

「構造」も違うし、「膜の成分」も全然異なります。

そもそも良いサプリメントにALC-0315だとかわけのわからん人工的な成分は使用しません。

リポソームも脂質ナノ粒子も、薬剤などの成分を効率よく細胞内に入れる技術として研究されています。
そこは共通した目的ではあります。

しかしリポソーマルグルタチオンなどのようなリポソームのサプリメントは、その技術を良い方に利用し、mRNAワクチンは悪い方に利用している。
そういうことです。

ちなみにリポソームの粒々の大きさも重要で、適度に細かく均一なものが吸収効率が良いです。
「適度に細かく均一に」作る技術が結構大変らしく、いやらしい話ですがそこが値段の差となってきます。

ちなみにのちなみに意外と話題のリポソーム製品も、リポソーム技術としてはいまいちで、粒子が均一でなかったり大きすぎたりすることがあるようです。

一番最初にあげた資料は専門家書いたものでしょうけど、そんな人ですらリポソームと脂質ナノ粒子の違いについて「明確な回答を持ち合わせていない」と言っちゃっている。
ですから混同してしまうのは仕方ないかもしれませんが、ネットでちょっと調べればわかることです。

でも、新型コロナワクチンの仕組みを説明しているページとかでも、リポソームのような図を使っているような所もあり、適当だなぁと思ってしまいます。

余談ですが、最初の資料の専門家?の方は余談でこんなこと書いています。

『余談になるかもしれないが,近年「エクソソーム」が注目されている 8).この細胞が作り出す直径 100nm 前後の脂質二分子膜構造を有する小胞体は天然のリポソームともいえることは,筆者が今まで多くの講演会や論文で述べてきたことだが,このエクソソームは構造的にまさに天然の「脂質ナノ粒子」でもあると考えている.』

「エクソソーム」という言葉が出てきましたねぇ。
エクソソームは天然のリポソームとも言えるとのこと。
エクソソームに触れられているところはいいところです。

でも…
「エクソソームは天然のリポソーム」と言っておきながら、直後に「エクソソームはまさに天然の脂質ナノ粒子」と結んでいる。
どっちなんだ!
ごっちゃになってるじゃん。

なんなら続きの文章で
『「リポソーム」であれ「脂質ナノ粒子」であれ「エクソソーム」であれ,筆者は名前や定義にはあまりこだわりがなく・・・』
なんて元も子もないこと言っちゃってる。

定義とかどうでもいいらしい。
専門家なのにね。

「薬剤などの成分を細胞内に効率よく入れる」という意味合いでは、どれも目的は一緒だし区別する必要はないかもだけど、でも一応専門家ですからねぇ。
ちゃんと区別してくれないから、リポソーマル製品と遺伝子注射をごっちゃにしちゃう人がいるんですよ。

リポソーマルグルタチオンは、グルタチオンをフォスファチジルコリンという自然な成分で包んで、細胞内に効率よく伝達するものです。
mRNAワクチンのような炎症を起こすような不自然な化学物質は使用されていません。

大体リポソーマルグルタチオンが危険なものだとしたら、日々摂りまくっている自分は今頃どうにかなっていますね。

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