しつこいけどまたイベルメクチン

イベルメクチンについての投稿、第三弾です。
自分、かなりしつこいです。

今回はイベルメクチンについての論文を紹介したいと思います。

先に崎谷博征先生のイベルメクチンへの考え方についてご紹介したいと思います。
以下のブログの中盤くらいからあとに書かれています。

『新型コロナ関連の最新のエビデンス〜再検討シリーズ』

実はこれ、2022年2月に書かれたブログなんですね。
約1年半前にはすでに見抜いていたようです。

その崎谷先生がいくつか論文を紹介してくれています。

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・犬たちの脳神経系にダメージを与えて、失明、運動失調、抑うつ症、意識障害などを引き起こすことが報告されています。
Ivermectin and piperazine toxicoses in dogs and cats. Vet. Clin. N. Am. Small Anim. Pract. 1990;20:453–468
←全文は読めません。
「イベルメクチンとピペラジンはともにガンマアミノ酪酸(GABA)作動薬であり、その主な作用は中枢神経系にあるようである。」と書いてあり、やはり脳に作用しそうですね。

・ヒトでも痙攣、運動失調、意識障害などが副作用として報告されています。
Toxic Effects from Ivermectin Use Associated with Prevention and Treatment of COVID-19. N. Engl. J. Med. 2021;385:2197–219
←メディアでも、動物用のイベルメクチンを内服して副作用がたくさん出たなど報道されました。どの用量でどの副作用が出たかは不明です。

また崎谷先生は、なぜイベルメクチンは、ヒトやワンちゃんに脳神経障害を引き起こすのかについて、以下の論文を提示しています。

・近年になって、イベルメクチンは食細胞を過剰刺激して炎症を引き起こすことが報告されています。
Immunotoxicity induced by Ivermectin is associated with NF-κB signaling pathway on macrophages. Chemosphere. 2022;289:133087

・イベルメクチンは活性酸素を過剰産生することで、ミトコンドリア障害を引き起こすことが明らかになりました。
Ivermectin-Induced Apoptotic Cell Death in Human SH-SY5Y Cells Involves the Activation of Oxidative Stress and Mitochondrial Pathway and Akt/mTOR-Pathway-Mediated Autophagy. Antioxidants (Basel). 2022 May; 11(5): 908
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イベルメクチンに関する否定的な論文が出ると、
「イベルメクチンを使わせたくないからだ」
「本当に効果がある薬を使われると困るからだ」
と言う人もいますが(しかもかなり)、上記で紹介した論文の特に最後2つは、基礎系の内容となっています。

「コロナに効くかどうか」に関しての研究だったら簡単に結果をコントロールできますから、確かに上記の様な推測は成り立ちます。
被験者の背景(生活スタイルや食事、飲んでいるサプリ等)によっても変わってきますし、なんならひどいケースだと都合悪いデータは集計に入れなかったり、観察期間を勝手に短くしたりするケースもあります。
しかし基礎系の論文は、確かに不正を働くこともできますが、「イベルメクチンを使わせたくないために」という理由は考えにくいのではないでしょうか。
かなりマニアックな内容ですし、この論文がメディアに取り上げられたり一般の人に目につくことはまずないです。
この基礎研究が「イベルメクチンを使わせないようにさせる」大きな力にはなりません。

ちなみに最後の論文(Ivermectin-Induced Apoptotic Cell Death in Human SH-SY5Y Cells Involves the Activation of Oxidative Stress and Mitochondrial Pathway and Akt/mTOR-Pathway-Mediated Autophagy. Antioxidants (Basel).)には、
SH-SY5Yという研究に使うヒト由来の神経の細胞株を使った研究で、「用量依存的な細胞死を誘導できることが示された」と書かれています。
つまりイベルメクチンの用量が増えれば増えるほど神経毒性が出やすいということです。
また、「活性酸素の産生、ミトコンドリア機能障害、細胞アポトーシスを有意に促進した」とも書かれています。

そしてこんなことも書かれているんですね。
「N-アセチルシステイン処理は、SH-SY5Y細胞におけるIVM(イベルメクチン)誘発活性酸素産生および細胞死を有意に抑制した」

N-アセチルシステイン?
そう、「NAC」(=N-アセチルシステイン)というサプリを飲まれている方も多くいるかと思います。
体内でグルタチオンに変化するアレです。
これによってイベルメクチンの有害作用は減らせるかもしれないとのことです。
つまりは強力な抗酸化作用によって、イベルメクチンによって作られた活性酸素を除去するということでしょうか。

実は崎谷先生は2021年12月に出版された著書でも、イベルメクチンのことについて書かれています。

ハチミツ自然療法の最前線 ポスト総ワクチン接種時代の処方箋

上記本の、99ページの後ろのあたりくらいからです。

イベルメクチンは遺伝子が格納されている細胞の核内にタンパク質を運ぶ機能をストップさせることによって、抗ウイルス作用を発揮すると書かれています。
しかし、イベルメクチンのように核内にタンパク質を輸送するシステムをブロックすると、マウスの実験では卵巣や子宮が発達せず、保護ホルモンであるプロゲステロン産生量が著明に低下したこと、その結果、不妊および受精したとしても死産してしまうこと、卵子だけでなく精子にも悪影響を与えること、筋肉などの組織も萎縮したこと、脳神経の異常、奇形も発生したことなどが書かれています。
もちろんそれぞれ、根拠となる論文も巻末に提示されています。

なんだか、ワクチンや訳のわからない新薬を回避したとしても、イベルメクチンに頼ってしまったら結局人口削減につながってしまう。
相手の思うつぼ。
そんな風にも思えてしまいます。いわゆる陰謀論的には。

もちろんイベルメクチンで絶対不妊になるということではないですよ。
でも、前回のブログにも書いたように、添付文書にはハッキリと
・妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験で催奇形性が認められている。
と書かれてあります。

子どもを持ちたい方にとっては男女ともに、イベルメクチンは最後の手段にした方が良いような気がします。
あるいは血液脳関門が壊れている、あるいは壊れかかっている人には神経疾患のリスクが高くなるかもしれないから、イベルメクチンを漫然と飲み続けることは避けるようにする。
という結論になると思うのですが、違いますかね?

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