そしてまたイベルメクチン
今回他のネタを書こうと思っていたのですが、先程たまたまこんな記事がネットに流れていたので、またまたイベルメクチンです。
「日本発の薬」が新型コロナに効く?…医師すら"イベルメクチン神話"を信じてしまった2つの理由
正直ここでコメントとしている先生たちは個人としては「う~ん」と思う人たちばかりですが、ここに書かれている「事実」は参考にはなるのではないでしょうか。
イベルメクチンに関するいろいろがまとめられていますので、ぜひ読んでください。
こういう記事を見ると、「プレジデントオンライン」が偏ったことしか書かないのか、つまり、ワクチン推奨だとか、新薬推奨だとかそっち推しなんじゃないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
以前にはこんな記事も掲載しています。
ワクチン後遺症の駆け込み寺から警鐘「あなたの体調不良は、コロナワクチンが原因かもしれない」
まぁ記事書いてる先生はあの先生ですけど…。
でもちゃんとワクチンの危険性についても取り上げて掲載しています。
ですから極端に偏ったメディアではありません。
こんな記事も過去にとりあげていました。
元厚労省官僚が警鐘「ワクチン接種期に震災以上の超過死亡」政府やマスコミが黙り込む"不都合な真実"
しかし、記事にもあるように、製薬会社の興和がおこなったイベルメクチンの臨床試験、厚生労働省から60億6387万円の支援を受けていたんですね。
それにびっくりしました。
質の高い本気の臨床試験には多大なお金がかかるとは聞いていましたが、こんなにもかかるのですか…。
確かに国がそれだけ出すってことは、それだけ期待できると思っていたのでしょう。
ちなみに、
「今回、北里大学の花木教授とイベルメクチンの臨床試験を担当した山岡邦宏教授に、改めて取材を申し入れたが、共に辞退するという回答だった。」
とありますけどなぜでしょう。
偏った思想のメディア媒体ではないですし、「事実」を取り上げてくれるチャンスなのですからぜひ取材に協力して欲しかったと思います。
ちなみにイベルメクチンに関して、ペルーの例やらインドの例やら、イベルメクチンを配布した地域で、感染者数や死亡率が「スーッと下がった」という事例が紹介されていますが、本当にイベルメクチンだけの効果といえるのかについてはわかりませんね。
もちろんワクチンのおかげといいたいわけじゃないですよ。
ワクチンの歴史を勉強してもらえればわかるかと思いますが、歴史的にみて感染症というものは、ワクチンによって収束したのではなく、「衛生環境の改善」によってもたらされています。
あらゆる感染症において、ワクチンが出回る以前から感染症による死亡率などはとっくに下がっていた事例がほとんどです。
詳しくはFacebookなどの本間真二郎先生の投稿を参考にしてください。
惜しみなくデータを出してくれています。
花木先生が紹介する事例は、なぜか人がいっぱいいそうで、普段の衛生環境はあまりよろしくなさそうなところなのですね。
「コロナなんかくそ食らえ」と思っている人たちでも、さすがに周囲で死亡者が増えてきたら、手洗い・消毒など感染対策を超がんばりそうです。
『感染者数や死亡率が「スーッと下がった」』という事実にこういう要素が関与していないか、検証はされたのでしょうか?
イベルメクチンだけが成果を独り占めしちゃってるみたいな感じになっちゃっていますが。
一番最初に紹介したイベルメクチンの記事には、以前ブログにも書いた論文の不正のことも書かれていますのでぜひ読んでみてください。
さて、イベルメクチンは安全性が高いと言われていますが、日本版イベルメクチンであるストロメクトールの添付文書にある副作用を列記してみます。
重大な副作用として
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
・肝機能障害、黄疸
・血小板減少
・意識障害
その他の副作用として
蕁麻疹、そう痒、発疹、ALP上昇、肝機能障害、BUN上昇、下痢、食欲不振、便秘、腹痛、悪心、嘔吐、めまい、傾眠、振戦、貧血、好酸球増加、白血球減少、リンパ球増加、単球数減少、無力症・疲労、低血圧、気管支喘息の憎悪、LDH上昇、血尿
が記載されています。
当然これは、適応となっている
・体重1kg当たり約200μgを2週間間隔で2回経口投与(腸管糞線虫症)
・体重1kg当たり約200μgを1回経口投与(疥癬)
の飲み方の場合です。
つまり、予防目的に連用するとか、コロナ後遺症、ワクチン後遺症目的に連用する場合は当然上記の副作用が出る頻度が高まると考えるのが自然です。
上記副作用の一覧を見ると、コロナ後遺症であるとか、ワクチン後遺症の症状とかぶるものもありませんか?
世間(特にメディア)では、本来は「ワクチン後遺症」であるのに「コロナ後遺症」として扱っているケースが多々見受けられますが、
同じように、
本来は「イベルメクチン副作用」であるのに「コロナ後遺症」や「ワクチン後遺症」として扱っているかもしれないことに気づくべきです。
それに気づかずイベルメクチンを継続投与していても、そりゃ症状は改善しません。
ワクチン後遺症患者さんにイベルメクチンを勧め、全然疲労感が取れないなどがあった場合、ワクチンの副作用だけでなくイベルメクチンの副作用もさらにかぶってしまっている可能性があります。
あるいはイベルメクチンの副作用に「気管支喘息の憎悪」がありますが、「ワクチンの後遺症」でもみられることです。
ワクチン後遺症治療にイベルメクチン使っていて気管支喘息が増悪したらそれこそ命取りになりかねません。
自分が症状を引き出してしまっているかもしれないのに、ワクチンのせいばかりにするのは良くありません。
(あっ皆さんよくご存じかと思いますが、自分はこれっぽっちもワクチンの肩を持つ気はありません)
医者は謙虚であるべきです。
ワクチンに疑問を持つ人、現代医療に疑問を持つ人は特にイベルメクチンにワーッと群がってしまいました。
何度も言いますが、安全性は単回もしくは2回投与でしか検証されていないのです。
予防的にこまめに内服するとか、連日内服するとか、そのような使い方をした場合の安全性に関するデータはどこにもありません。
あるなら出して欲しい。
特にイベルメクチンゴリ押しの人にお願いしたい。
イベルメクチンはれっきとした医薬品です。
一応「劇薬」と書かれた医薬品です。
倫理的には、承認された方法以外での使用方法(適応外使用)をおこなう場合には、その有効性・安全性に問題が無いと認められた場合に限り、使用することが可能と考えられます。
もちろん医師が説明文書などを用いて患者さんにメリット・デメリットを詳しく説明し同意を得ることが必要でしょう。
ただし文書等による説明・同意取得を例外的に簡略化し、ホームページなどで公開しておくことは可能なようです。
という内容(実例)は、横浜市立大学病院のHPにありました。
それを「個人輸入なら問題ない」とのことで、特に一般の人がSNSなどで情報を広めまくる、人に勧めまくるのは問題があるかと思います。
勧めるなら、必ず「妊婦さんでは催奇形性のリスクがある」などを明示しなければなりません。
あるいは上記にあげた副作用についても説明しなければなりません。
医薬品であるイベルメクチンをSNSで熱狂的に一方的に推奨している人たちはあまりにも無責任すぎます。
何かの法律に引っかからないのだろうか。
結局副作用が起きても、個人輸入だから自己責任でしょってことになります。
ワクチン副作用も自分で同意したんだから自己責任でしょ、と同じ構図です。
結局すべて人のせい。
同じことをしていることに気づかないのだろうか。
医師も十分リスクを説明した上で(頻回内服の場合の安全性に関するデータはないことを含め)、患者さんが納得したら個人輸入などの方法を勧めると言う形が良いように思います。
もちろん医師が勧める以上そのあとのフォローも大事です。
もちろん自分はイベルメクチンを使用している医師を批判しているわけではありませんし、足を引っ張るつもりもありません。
「適応外使用」という言葉があるように、種々のデータなどから医師の裁量によってイベルメクチンを勧めるのは可能かと思いますし、効果や安全性も考慮された上で勧めているのかと思います。
ちまたにはいろいろな疾患に対していろんな治療法があります。
これといった決まった治療法だけでなく、代替療法も含め、本当にたくさんあります。
それぞれの信念で医師たちはそれを実践しています。
自分は神様でも何でもないですしそれが正しいかどうかを判断する立場でもないですしわからないですし、ですからそれぞれのお医者さんを尊重しています。
もちろんいかにも怪しいと思うところはダメですけどね。
自分はこれまで何回も書いてきているように、イベルメクチンの単回投与はアリだと思っています。
コロナに感染したときや、濃厚接触してしまった場合などです。
ただ今となってはイベルメクチンを使わずともコロナを克服できるケースも多いかと思いますが。
ただ自分は、予防目的にこまめに内服するなどの使用方法に関しては行いません。
なぜならそのような使い方に関する安全性のデータがないから。
一応「劇薬」なのですから、そこら辺のデータはほしいところです。
ただこれはあくまで自分の考えであって、予防的にこまめに内服することを推奨している医師もいるでしょうし、それはそれでいいんじゃないんですかというスタンスです。
どの医師の言うことを信じるかは、結局自己責任になっちゃうんですね。
ガイドラインや添付文書の用法どおりに使用してれば、副作用が出ても医師が訴えられることはまずないでしょう。
しかし一方で医師の裁量で「適応外使用」している場合は、何か問題があったとき訴えられる可能性があります。
イベルメクチンに限らず「適応外使用」をおこなっている医師たちは訴えられることを覚悟でやっています。
だから上記の横浜市立大学病院のように、患者さんの「同意書」とかいう言葉が出てくるんですね。
医師は責任とる覚悟で情報発信しているのだから(たぶん)、一般の人が他人に強く推奨したりゴリ押しするのはどうなのかなと思ってしまいます。
ちなみに劇薬であるイベルメクチンは、薬事法により
「14歳未満の者や安全な取扱いをすることに不安を認める者への販売や交付は禁じ」られています。
ただし医師の処方せんで調剤された医薬品は14歳未満でもOKです。
そして劇薬というものは、
『薬局が一般の方へ毒薬・劇薬を販売・交付する際には、「年月日・品名・数量・使用目的・購入する人の住所・氏名・職業」等を記入し、かつ「購入する人の署名又は記名押印」を入れた書類を提出してもらい、販売した日から2年間保管しなければなりません。』
という規則が定められているように、気軽なものじゃないんです。
一般の人が気軽に「予防目的に飲みましょう」とか言えるものではないのです。
というか言っちゃいけないんじゃないかなと思うのですが。
それに忘れてほしくないのですが、
ワクチンを5回も6回も打つことが人体実験であることと同じように、イベルメクチンをこまめに飲むことも人体実験です。
こまめに飲んだときのデータどこにもないんですから。
なぜそこはスルーできるのか不思議です。
ちなみに、つい最近「睡眠薬が認知症予防に有効かも」との報道がありました。
ベルソムラという商品名の睡眠薬になりますが、認知症予防目的にこの睡眠薬を飲むことは、立派な適応外使用です。
今のイベルメクチン熱狂者たちがやっていることは、「認知症予防にベルソムラをガンガン飲もうぜ!」とSNSで情報を広げたり、周囲の人にゴリ押しするのと一緒です。
ベルソムラは当然頭に作用する薬ですからいろんな副作用があります。
添付文書 → https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066563.pdf
で、ここに書かれていない副作用もあります。
一番不気味なのが「自殺念慮、自殺行動」です。
製薬会社作成の以下の資料に書かれています。
ベルソムラ®錠 10mg、ベルソムラ®錠 15mg、ベルソムラ®錠 20mgに係る医薬品リスク管理計画書
上記資料には、
「本剤群では用量依存的に自殺念慮が認められた。新規作用機序である本剤の臨床使用経験が限られていることも踏まえ、重要な潜在的リスクとして設定した。」
と書かれてあるんですね。
用量が増えれば増えるほど自殺念慮が増えるということです。
精神神経系に関する副作用もありますし、認知症予防のために安易に勧められるものではありません。
研究をおこなった人も
「アルツハイマー病になることを不安に思っている人が、毎晩スボレキサントを飲み始めるべき理由として解釈するには時期尚早だ」
「長期的なスボレキサントの使用が認知機能の低下の抑制に有効なのかどうかは不明であることや、長期的な使用が有効である場合、どの程度の量を、どのような人に投与した場合に有効なのかも不明である」
ともちゃんと言っていますしね。
ちなみにこの「ベルソムラ」を扱っている会社は、米国メルク社の日本企業の、ポンコツ子宮頚癌ワクチンを扱っており、ストロメクトール(イベルメクチン)の製造販売元でもあるMSD社なんですね。
これまた不気味ですね。
ちなみにのちなみに、上記研究では「アミロイドβが低下した」と書かれていますが、アミロイドβだけに注目しても認知症を克服できないことは今や常識です。
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