過去の日記「まっくらやみのエンターテイメント Dialog in the Dark」(2011/05/25)

目以外のなにかで、ものを見たことがありますか?
 暗闇の中の対話。
 鳥のさえずり、遠くのせせらぎ、土の匂い、森の体温。水の質感。
 足元の葉と葉のこすれる枯れた音、その葉を踏みつぶす感触。
 仲間の声、乾杯のグラスの音。
 暗闇のあたたかさ。
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、まっくらやみのエンターテイメントです。
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、何人かとグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験します。
その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ、人のあたたかさを思い出します。 


行ってきました。ダイアログインザダーク。不思議な体験だった。

興味があったけど一緒に行く人もおらず迷ってたら、全員個人参加の「一期一会ユニット」があるということで行ってきました。

真っ暗って、ほんと真っ暗。自分が今目を閉じているのか閉じていないのかもわからない暗闇を、自分の白杖とまわりの声だけを頼りに進む……。少しの段差に驚き、ちょっとの距離がとても遠く感じます。たった数歩声が遠くなっただけで不安になり、逆に人の服に触れるだけでものすごい安心が得られます。

人の手が、声が、とても柔らかかった。 

だんだん慣れてきて、終盤にバーでドリンクとお菓子。手と舌だけの食事は自分の感覚が新鮮になったようでした。手探りで感じる机はとても大きく、でも人と人は近くて。人見知りですが、いろんな会話ができました。見えないけど、見えないから、声だけで人を感じる。

 

そして逆に、声を出さないと自分の存在を周りの人に感じてもらえない。いないものとなってしまうことはちょっと驚きでした。 

しゃべらないと、もう、いないんです。 

今この中で自分がいないことになっていると思うと、とても不安になる。 

そんな中で名前を呼ばれるとそれだけで認められた気がしてうれしい。 

やっぱり、不思議な体験でした。 


終わった後に係の人が言った 「暗闇の中で気づいたことは暗闇の中だけではなく、いつもの日常でも大切なことなんだと思います」って言葉が印象的でした。

しかもその方は視覚障害者。まさに暗闇が日常である方の言葉だと思うと、より考えさせられます。

大学の手話サークルでは耳が聞こえない人に会い、ここで目が見えない人に会った。目で聞く人がいて、耳で見る人がいる。俺にとって普通のことが普通でないんです。 

「ない」ということを想像するのは難しい。それぞれいったいどんな世界なのか。まだまだよくわかんないです。 

久しぶりに会話が楽しかった。なんていうか、動物撮ってばかりじゃなくて、人と会話しなくちゃと思った。

しばらくたってから、また参加してみようかなー

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