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ビットレートと音質の関係。聴き比べファイル付き。

ライブ配信が増えて、ビットレートの話がよく上がります。
弊社のようなマスタリングも行うスタジオですと、音が最終的にどうやってお客様へ届くかを考えているので、変換後の音質は常にチェックしてます。

音質劣化を簡単にチェック出来るプラグインも活用して、どうしたらよく聞こえるかを研究している訳です。

↓これが、ビットレート違いで音質をチェック出来るプラグインで、
NUGENAudio MasterCheckといいます。スタジオなら持っているべきプラグインです。このようなものを使い、聴き比べをする訳ですね。

MasterCheckのコピー

今回は映像チームやプロダクションで、あまり深く考えず変換にかけるという想定で、どのように音が変わるかを実験してみました。

↓まずはProToolsでピンクノイズを作成し、アナライザーで確認を行います。全帯域が綺麗に出てますね。

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↓次に、そのピンクノイズを高音質と言われるビットレート、AAC192Kbpsに変換しました。17kHz位が削られてますね。

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↓次はAAC160Kbpsへ変換。高域の削り幅が多くなりました。

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↓次は普通と言われる、AAC128Kbpsへ変換。高域の削り幅が増えましたが、まだYouTubeより高域は伸びてますね。YouTubeは16kHzより上が出ません。

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↓次に、低音質のAAC64Kbpsへ変換。全く高域が削られてしまっていて、もう籠っている状態です。

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このように、ビットレートを下げていくと、高域に影響が出てきます

因みにファイナルカットで書き出す際、Appleデバイス書き出しにすると、オーディオ形式がAACのみの表示になりますが、これは128Kbpsに変換されます。高域が少し削られる訳です。

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では音のビットレート数値はどれが良いか

エンジニアとしてはAAC192Kbpsまでは許せますが、それ以下に下げられるとミックスに影響がでると考えます。
回避策として10kHzあたりを少しブーストして高域が伸びている様に、擬似で聞こえさせる方法を取らなければなりません。
映像系のサイトでは、以下のようによく書かれてます。
「音のビットレートは128Kbpsで十分、映像に影響あるなら、64Kbpsまで下げよ」トークイベントとかなら良いかもですが、音楽ライブ配信ともなると、これでは困ります。設定は192Kbpsにしましょう。

以下に聴き比べファイルを作成してアップしましたので、ダウンロードしてご確認ください。
ピンクノイズに高域が目立つリバーブを足してみました。
ビットレートが下がると、こんなに音が変わります!!

いかがですか、こんな風に音が変わるので、皆さんも音のビットレートを気にされてはいかがでしょうか??

是非192Kbpsでいきましょう!


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