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WE ARE LITTLE ZOMBIES、サントラマスタリングの話①

映画を見て頂き、サントラまでご購入頂いたお客様が多い様なので
サントラのマスタリング話をさせて頂きます。

今回のマスタリングは、長久監督と打ち合わせを密に行い
どのように聞いてもらうか、全体音量をどこに設定するか、各曲の間はどうするか等、細かい設定を考えました。

お客様の試聴環境
まず「どのように聞いてもらうか」ですが、
一番多く聞いて貰えるシステムはiPhoneだろう。
そしてそれに付属しているイヤホンが、世界で一番数が出ているものなので、そこをターゲットにしました。
イヤホンはこれです。↓
EarPods with Lightning Connector
長久監督には主にこれで確認をして頂きました。

マスタリングを行った沖田の自社スタジオでは
スピーカで鳴らしながら音を作り、
確認の為にiPhoneへ落として監督と同じイヤホンで試聴しました。

因みにスタジオシステムは以下です。同じセットを組めればマスタリング時と同じ音で聞けますね。
スピーカーはB&W805D2、アンプはRotelRB-1592
ボリュームコントローラーはDemgerousMusicMonitorST+SR
オーディオインターフェイスはAntelopeOrion32+
ソフトウェアはProToolsHD2018
以上です。

デジタルマスタリング
今回マスタリングのお話を頂いた時に、
アナログ処理で行うか、デジタル処理するか迷いましたが
より細かい事が出来るデジタル処理を選び、ProToolsの内部で全てを行いました。

ProTools内部では主にアナログシュミレーターの系のEQを使い
暖かい音を目指し、1曲ずつ丁寧に仕上げてます。

8Bit音もありますが、耳障りが良く、昔のテレビで再生されているようなマイルドな所を意識しており、主に真空管系のシュミレーターを入れてます。
これは、実際の真空管を通す事も考えたのですが、
再現性が乏しいので、シュミレーターとしました。

曲によっては、ヒスノイズを足したりもして、アナログ感を高めており
曲始めと終わりに、ワザとノイズを残していたりもします。

1曲の中でもAメロBメロ、サビ、大サビで分解してEQを変えたりもしてますし、左、右、真ん中と別のEQ処理をしている曲もあります。
そんなマニアックに長久監督と攻め込んで、お客様に最大限楽しんで頂こうと努力しました。

音量戦争
音源のマスタリングでは、音量が大きくないと聞いてもらうチャンスを逃す
という事が多々あります。音量戦争と呼んでます。
でもこの作品の場合、気になる方がアクセス頂ければよいと考え
長久監督と、「音量は大きくなくてよい」という結論を出しました。
一般的なJ-Popより4dB程音量は小さいです。
それよりも、映画のダイナミックレンジを極力生かしながらも
イヤホンで聞いても問題ない程度、スピーカーで聞いても楽しめる所へ
ダイナミックレンジを狭めてます。

iPhoneで試聴にあたり、、
iTunesでは自動音量調整昨日が、デフォルトでオンになってます。
それをオフにして頂いた方が、全体を聞く際に、こちらが意図した音量で聞く事ができます。

全曲を続けて楽しむには、以下の画像の「イコライザー」「音量を自動調整」をオフにしてください。

CDで聞いて頂く為に
最終的にはソニーマスタリングスタジオで、音の確認試聴を行いました。
これは最終的な曲の間の時間や、適切にCDに落とし込む為にする作業で
ここでもスピーカーは自社と同じ、B&W805でした。

CDは配信音源と同じファイルを使ってますが、
マスターを作る機械、プレスする機械が別なので、多少の音の違いがあると思います。

それも確認試聴して納得の仕上がりになっておりますので
余裕のある方は、両方手に入れて頂き、違いを確かめてください。

弊社はもちろん、両方購入しました
子供がヘビーローテションで聞いてます。

本日はお時間きてしまいましたので
ここまでとさせて頂きます。

サポート頂けますと、書くスピードが上がります、 皆様是非よろしくお願いいたします。 これからも、より為になる記事を書かせて頂きます。