【映像の為の音響講座】Vol.03、MA機材はコンパクトに。
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【映像の為の音響講座】Vol.03、MA機材はコンパクトに。

沖田純之介 サウンドデザイナー

株式会社okidesign沖田純之介です。
映像音楽業界に19歳で入り、現在26年目です。
最近、モバイルMAが多かったので、この内容で記事を描かせて頂きます。

自分は20代前半まで、ProToolsとアウトボードでミックスを行ってました。ApogeeAD8000からSSL4000Gにパラ出し、GMLやSontec、1176、そしてStuderかApogeeのADに戻すという感じです。アナログ感を増したい時は、テープメディアに録再させてProToolsへ戻してました。この録再方式だとアナログでもスピードが狂わないのです。この手法で狙った音が好きに出せたので、完璧だと考えてました。

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サチュレーション
しかし、このような大掛かりなシステムだと、「そのスタジオでしかミックスが出来ない」状態になります。スタジオ側としてはお客を呼べるので良いことですが、エンジニアとしてはあまり良くはありません。
これに気づかせてくれたのが、今は亡きAudioCityの北村さんでした。「沖田はなんでアナログボード使うんだ?サチュレーションに騙されてるだけじゃないか?本当に良い耳もっていたら、ProToolsだけでも同じミックス作れる筈だぞ」と言って頂き目が覚めました。

そこからProTools内部でミックスを行えるよう研究を進め、どうにか狙った音が出せるようになりました。でもまだ機材は大きい時代で、ポリタンクMacとエキスパンションシャーシ、そこにDSPカードが数枚入り、インターフェイスも多く、小さいラックが2本くらい。移動は大変で外部スタジオで作業する時などは音が出るまでに数時間かかりました。
「機材、もっと小さくなんないかな?」とずっと考えてました。

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持ち運べる
少し経過するとMBoxという、USBだけで動作するProToolsのインターフェイスが登場します。電源も要らなくコンパクト。まさに求めていたものが出たのですが、非力なMacBook内部で全てを仕上げるので限界はありましたが、トラック数が少なければ問題なくこなせました。
映像も外部オプションでQT同期が出来るようになったので、会議室とかでもMAが出来ようになり、「スタジオに居なくても、自分の音が出せる」と確信し始めました。

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クライアントやアーティストの所へ行き、その場でミックスとか、
テレビ局で収録し、テレビ局のロビーでミックスとか、旅行中に音源納品や、新幹線の中やキャンピングカーから納品など、場所はどこでも、常に100%の力で仕事に取り掛かれました。

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機材選択
このような機材を構築するにあたり、気をつけているのが「シンプル」です。複雑なシステムだと組み立てと撤収に時間がかかりますし、運搬も大変です。そして「買いやすい」も意識しており、量販店で買える機材で仕事をします。特にMacBookProですが、特注すると壊れた時に代替えがききませんので、量販店で持ち帰れるスペックのもので仕事をしてます。このどこでも買えるものを選ぶ事で、予備機を準備しなくてよくなります。そして「電車で移動できるサイズ」これも意識してます。大阪などの地方都市移動は新幹線移動だったり、アーティスト事務所は駐車場がなかったりするので、簡単に持ち運べるサイズにする事が重要です。

このような、小さくて自分を常に発揮出来るシステムを組む事により、常にお客様の近くに行けてメリットだらけになり、高価なアナログ機材が必要なくなったので、新たな分野へ投資もできました。

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金額設定
このモバイルMAでよくご利用頂くシュチュエーションはCMのMA修正です。映像に修正が出てしまい、ポスプロ編集室を抑えるがMA室がとれなく、ポスプロ会議室で行うパターンです。

この場合は必ずポスプロの会議室を押さえてもらっており、そこに機材セッティングをして監督やクライアントチェックを頂きます。編集室内で行う事もできますが、ポスプロに迷惑かかるので、クライアントさんや制作会社にポスプロ会議室を押さえて頂き、会議室代金を納めてもらいます。
自分の金額は通常の人件費に機材費を乗せます。勿論旅行先や新幹線の中でミックスした金額も請求します。

このように、新たな分野の金額設定では、次の世代に迷惑かけないようにと、高めに設定してます。仕事は無料に近づくと産業自体がなくなり、高すぎると自動化させようとするソフトウェア会社が出てきます。
今のナレーターさんの世界がそうではないでしょうか、個性が必要でなければ無料か自動がよい。利用者側からすればそう考えますよね。

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モバイルMAでのポイントまとめ

機材はシンプルで小さく。
自分の音が出せるように工夫を。
説明できる範囲で高めの金額設定を。

上記を意識して、次の世代に繋がるように動きましょう!


機材リスト
現在のモバイルMA機材リストです、参考やヒントになればと思います。

機材はこんな所ですね、プラグインは沢山持ってますが、通常のMA作業はWavesプラチナム程度で十分です。

このSSDを使ってますが、今のところ事故はないですね。

最後にケースですが、ゼロハリのPCケースを使ってます。
お客様の大事なデーターを運びますので、頑丈なものが必要と考えてます。

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沖田純之介 サウンドデザイナー

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これからもよろしくお願いいたします!
沖田純之介 サウンドデザイナー
株式会社okidesignの代表、サウンドデザイナー26年目。 日本音響学会、音楽音響研究会所属。 音響心理学を勉強しながら、映画とかライブのお仕事してます。 放送大学生。キャンピングカーの旅好き。長男が若年ミクオロニーてんかん。日本てんかん協会編集委員。