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のほほん日記200501金曜快晴「2番目のキス」とニューロティカ

 人に会えなくなってよかったことは人に会わずに済むようになったことだ。

もともと人見知りでコミュ障気味なところがこの年になっても消えない。
僕がいつもうっすらアルカイックスマイルを浮かべて人の良さを演じているのは、波風を立てず早いとここの場から立ち去りたいからだ。
人の話の二手三手後を読む妙な癖もある。「この人はこっちがこう言ったらああ言うから先を読んでこう言っておこう」「あの人は最終的にはあの結論を言いたいのだろうからこちらは今はその結論は出さずに話さなければいけない」などといつも考えているから疲れて仕方がない。
仕事先ならまだしも、飲み屋、それこそ「赤ひょうたん」とかでの酒席でもそうなのだもの、けっこうめんどくさい。人間嫌いのええカッコしいなのであろう。誰よりアンタがめんどくさいよ!
緊急事態宣言、外出禁止要請によって他人とのコンタクトが制限されて、あのピリピリする毎日の対人ストレスが無くなった。
正直、その面に関して言えば僕は今スッキリした気分である、、、

と、どんな状況にあっても、いい面を見つけてみよう、と試みたところ、強いて言えばそんなあたりがあるだろうか。
あとはどうだろう?困ったもんだ。

まず、暇だ、浪人時代くらいに暇だ。ライブが全部飛んじまったんだ。
昔見た映画を家でまた観る。
浪人時代なら一泊千円くらいでレンタルビデオ屋に借りに行った映画を今はiPadで観る。
こりゃなんて楽なんだ。どこででも見れる。ベッドに置いたらヌンチャクふりながらでもドリュー・バリモアが観れる。「わー!こりゃいいや!ああっ」ドリュー・バリモアがふっ飛んだ。壁に。ヌンチャクによって。
タブレット映画鑑賞はどこででも作品が観られるシネマ大革命だが、近くでヌンチャクをふると危険だという点はまだ修正の余地があるのでは無いか。appleさんには猛省を促したい。
「あのぅ、iPadのそばでヌンチャクふったらぶつかって、そういうとこ御社もうちょっと気を付けて欲しいんですよぅ」弊社クレーマーである。

ドリュー・バリモア主演「2番目のキス」はラブコメ。
ドリュー演じるエリート女性がレッドソックス(野球チームです)のファンの男と恋に堕ちるが、男のレッドソックス好きがトゥーマッチ過ぎて、、、とてもよくできたシナリオの作品、面白い。オススメ出来ます。 

ラブコメはある程度の枠組みが決まっている中で、他の作品と、ではどこを味付けどころにするのか?これはシンプルにしてなかなか難しい取り組みだと思うんですけれど、この映画は、彼氏の趣味に付き合ってはあげるけど付き合いきれはしない、という、永遠の恋愛の難題をそこに持ってきていて笑いと涙に昇華して見せる。
「う、うん、き、君の好きなオーケンっての、確かにいいね」
「でしょ?次のオーケンのライブチケット買っといたから、あなたの分も、8回分」
「え?」
「ね?オーケンのバンドで何が好き?私はみんな好きだけどやっぱ電車かな〜。ね?あなたは?ね?筋少?それとも、おーつきけんじとえまにえる5?ね?」
「、、、ひげだん、、」
「え?」
「ひげだん」
「ひげ?何?髭とボイン?ユニコーン?オーケン、ユニコーンにはいないよ」
「髭男!official髭男dismだよーっ!オレは今流行の音楽が好きなんだよ、大槻ケンヂなんか本当は好きじゃねーんだよー、ああああっ!」
「ひどい、私より髭とボインが好きなのねええっ!服部!」
で、修羅場へ。この場合男女が逆ですが、ま、恋愛における趣味の共有っていうのはいつの時代ももめるもんです。つまり、踊るカメヤプシ、ということです。違うか。違うよ。
恋と趣味(生きがい)の二者択一の苦しみをコメディで描いた傑作でした。暇が僕に傑作を再見させてくれた。これも外出禁止のいい面の一つ、と考えよう。

それと、、、なんということだ、僕は見返すまでドリューの相手役の役者を忘れていた。「アダム・サンドラーだったかベン・スティーラーかどっちかだったよなぁ?6・4でベン・スティーラー!そうだ思い出した間違いないって、ベン・スティーラーだって」
ジミー・ファロンだった。

そこまで記憶って曖昧か。ヌンチャクで吹っ飛ばされたくらい驚いた。
なるほどならば、このあまりある時間に、我がボケ脳海馬周辺の記憶を一つ一つ確認していくのもアリかもしれない。

いろいろ再見再聴を試みてみよう。記憶違いが多く見つかるだろう。
たとえば僕が忍者を演じた、と思い込んでいる映画「ドス竜」はよく見たら袴田吉彦さんかもしれないし、映画「ファンシィダンス」に登場しているのは大槻ケンヂではなくみうらじゅんさんかもも分からない、ひょっとしたら氏神一番さんだったかもしれないじゃないかでごじゃるか。
そこまで違っていたらそれはもはや異なる世界線である。んなわきゃない。
と、話がまたどうでもいい方向へ流れてしまった。
つまり、どんな状況にあっても、非常事態宣言下においても、それが長引くと聞いても、何か、小さなことでも、取るに足らないくだらないことであっても、発見と開放感と好奇心を自分のなかに常に見つけ続けるということが大切だ、ということだ。 
そうすれば、そう試みていれば、やがて日々は過ぎて行き、その先に、また、日常がある。待っている。、、、本当、困ったもんだけど、きっと楽しいこと、なぁんかありますよ。どなたにも。僕にも。

夜、YouTubeでニューロティカのあっちゃんと電話対談。
あっちゃんが実家でピエロのメイクしたら仲良しな近所のワンちゃん・チャチャ丸君に「お前誰だ!!」ガブっと手を噛まれた話などして笑う。

人に会えなくなって残念なことは人に会えないことだ、とも感じる。

ロティカは現在、ライブは全部飛んだけどネットやリモートでさまざま製作をしているとのこと。
何人かのバンドマンとYouTubeで電話対談したが、誰もくよくよしていない。前向きに今できることをやっている。
ロックとは発見と開放感と好奇心のことだから、当然ちゃそれは当然のことなのである。

ps ドリュー・バリモアのラブコメは「ウエデインングシンガー」もいいですよ。相手役はベン・スティーラー(多分)
「おーつきけんじとえまにえる5」とか、なんだかわからないワードについては、各自ご検索ください。それでもわからなかったらappleに相談、、絶対しないでください。「踊るカメヤプシ」はわかりますよね?

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サポートはライブにおけるコール&レスポンスのようでとても嬉しいです。やる気になりますね。「イェーッ!」「イェーッ!」的な^_^ありがとうございます皆さんに長寿と繁栄を!