訳ありみかんって、あり?なし?

   愛媛のポンジュース🍊 みかん農家でも好きな人多いんです!私も、普段は飲みませんが、東京に行けば自販機で売っているところもあって、ついつい買って飲んでいます。
   そんな愛すべきポンジュースの原料は、見た目の傷が目立つ、いわゆる規格外品であろうことは皆さんご存知かと思います。

   とあるところで、傷があると腐らないか心配なんです...。という声を聞き、ポンジュースになる前に、心配のタネを検証してみることにしました!

左側は害虫による傷。右側は風による傷。
主に病気や生理障害と思われる傷。一部不明。

   いつもはあまり気にしたことの無い傷の原因ですが、選果の時にポンジュース行きの果実は秒速ではねます。ただ、絶対に腐る生傷はつぶさに観察しないと見落としがち。
   市場出荷されるみかんは、昔は腐敗を広げないために、ワックスで果実をコーティングしていたそうですが、最近はやっていないと聞いています。

   約1ヶ月後の状態がこれです⬇

右上の腐りは枝が果実に刺さったあとの生傷。
ヘタの周りのヒビ割れ(クラッキング)は腐りやすい。
かいよう病は腐ると聞いていたのにまだ平気。
絶対に買わない傷ですが、腐りはしません。
スリップスも腐ると言われていますが、被害程度によるようです。
まだ青い時期の風による傷は腐りません。

   農家の常識とされる傷はほぼ腐りました。もちろん、コンテナでの保管だったので、ダンボール箱に入れたままだと腐りやすく、隣りのみかんも腐らせますのでお気を付けて。

   岡﨑農園では、このように腐る原因とならない傷に関して、程度の軽いものについては「訳ありみかん」として販売しています。生産量の問題で、一般販売は控えていますが、贈答用、家庭用(若干傷あり)、訳あり(めっちゃ傷あり)の中では、訳ありみかんが安さのためダントツ人気です。でも、スーパーではあまり見かけませんよね?

   今、農業界は変わろうとしています。環境に配慮した、持続可能な栽培方法があちこちで進められています。農薬の低減もそう。でも、ピカピカみかんを求められてきた時代が長く、また病害虫の発生が多い日本の気候では、写真のような外観のみかんが増える可能性も無くはありません。生産性の向上も大事ですが、外観の善し悪しで価格が決まる状況では、なかなか農家としての意識も変えづらいというのが本音です。

   訳ありみかんって、ありですか?なしですか?
   安さだけでは続けられません。美味しさの向上を目標に据えて、これからもみかん作り頑張ります!

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