マガジンのカバー画像

笑にもすがる思いで

49
自身のガン治療中は藁にもすがる思いでしたが、笑にもすがることが多かったです。ガン治療実体験の中でクスッと笑える出来事や面白話をまとめてみました。時には全く治療に関係ないのもありま…
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

#41 え?これは何ダイエット?

2021年 1月中旬 曇りの日のようなすっきりしない気分が続いている。 "気持ち悪い"が相変わらず長い。 慣例的に食べられない朝食をやり過ごし、 気分転換に朝のシャワーを予約した。 朝シャンして幾らかのリフレッシュ。 体を拭き、シャワールームを出ると向かいの体重計に目がいった。 入院したばっかりの時に計ったっきり、 それ以降は色々やる事があって体重を計るのをすっかり忘れていた。 久々に計ってみるか… うそ、あれ? 入院当初78キロだったのが、 わずか1ヶ月ちょい

#42 完熟の桃のイメージで・・・

放射線治療も残り少なくなってきた頃。 岡安の首周りの皮膚に少しづつ異変が起きていた。 現在の岡安の首周りの皮膚は日焼け程度の赤みがかった感じだが、この頃からの適切なケアで跡が残るか綺麗になるか分かれるらしい。 という事で 看護師さんが凄く丁寧にそのケアの仕方を教えてくれた。 特にお風呂での首の洗い方はすごく詳しく教えてくれた。 看「まずは低刺激のソープを使って下さい。できれば赤ちゃん用のがベストですね。それで泡だてネットを使って泡を作るんですけど」 岡「泡だてネット

#43 食事を変えてもらい食欲増進。しかし、タイミングがダメだった。

"気持ち悪い"は日を追うごとに落ち着いてきている感じはするが、やはり食欲がなかなか通常に戻ってこない。 出てくるご飯は毎回4分の1程度しか食べれず、食事の時間が近づくと吐き気を催す。 特に魚系は完全に苦手意識なのか、匂いだけでもう嫌悪感。 食欲がほぼなくなってしまった。 そんな時、栄養士さんが来て食事の見直しをしてくれた。 栄養補給用のゼリーをつけたり、果物を増やしたり、 朝はパン食にしたり。 そして、その日の夜からは白米→うどんに変更してくれた。 ー夜ご飯配膳ー

#44 ガンが可愛いサイズになりました。

2021年 1月下旬診察室。 先「ん?あれ?どこら辺でしたかね」 毎週行なわれる検診。 鼻から入れたファイバースコープを手元で操作し、モニターを見ながら先生は呟いた。 先「あ、いた。これですね」 モニターの写真には 2ヶ月前、喉の奥にいた歪で薄気味悪い忌々しいガンの姿はなく、小さく白い丸いガンがちょこんといた。 自分も写真を確認して一言。 岡「え?これですか?ずいぶん可愛くなりましたね」 先「そうですね、だいぶ可愛いサイズになりましたよ、すごく薬と放射線が効いてま

#46 ついに抗がん剤治療3クールと放射線治療全35回が終わった。

『ウィーーン、ズボボボボボーーーガッシャン』 いつもの大きい音の放射線治療が終わり、次に重たい扉が開いた。 技「はい、岡安さん、これで全ての放射線が終わりです。ご苦労様でした」 技師の先生、看護師さんや受付の方、スタッフさんも優しく声をかけてくれた。 岡「ありがとうございました、お世話になりました」 ほぼほぼ毎日放射線治療。1日2グレイ(放射線の単位)全部で35回の治療が今日を持って終了した。 色々な思い出がよみがえる。 ゆうちゃんも最初は羨んだ体と顔を固定するオ

#47 めでたく退院。タクシーで帰宅する車内で…

病院の大きなタクシープールには相変わらず沢山の空車が並んでいた。 後部扉が開き2週間分の入院用品の入った大きなバックを先に詰め込み乗り込んだ。 タ「どちらに行きますか?」 岡「〇〇通り行ってもらって〇〇通りの入り口の側道入ってもらえますか?」 タ「はい」 岡「近くなったらまた言います」 とカスカスになった声で言う。 やば。忘れていた。声が枯れているのを。 伝わったかな? 今はコロナ感染予防で運転手さんとの間には厚手で透明のシート!ナビの設定はしていないが、一応方向