FMC Advent Calendar 2020 (12/8)

この記事はFMC Advent Calendar 2020の8日目の記事です。12/7の7日目の記事はにこたまさんが担当されました。

スクランブルと解法

Scramble: R' U' F R2 U R2 U F2 L2 D' R2 U B2 U' L' U F' L R2 D' F' L' R D' R' U' F
Solution: F U D' F D F' U' F' R2 F D2 R2 F L2 F R2 F' R2 D' F2 L' D L (23 moves)

(Inverse)
Pre-scramble: F'

Orient edges: L' D' L
2x2x2 block: F2 D L2
2x2x3 block: R2 F R2 * F2
F2L minus 1 slot: R2 D2
All but 4 corners: F' R2 F2 D' F' + D
Correction: F'

Insert at *: R2 F' L2 F R2 F' L2 F
Insert at +: F D F' U F D' F' U'

所感

 12/3にやりました。ノーマルの3手EOは早々に諦めてインバースの3手EOからやってみたら流れるように残り4コーナーまで行った(所要時間5分程度)ので、多分同じ解答の人もいるんじゃないかなと思います。

近況

 お久しぶりです、岡山です。noteというものがあるらしいので使ってみようかなと思って試しにやってみました。最近はtriConのFMCを毎週やるくらいで、それ以外はあまりキューブに触れていません。キューブに触れる機会を作ってくれているのでtriConはありがたいですね。Domino Reductionが話題になっていますので自分でも試してみたりしていますが、DR triggerが3手F2Lのものくらいしか知らず、DR後のコーナーを揃えるやり方もよくわかっていないので、簡単な場合にしかやれていないのが実情です。

昔話(FMC関係)

 ついでなので昔話を書いてみようと思って書いたのですが、思ったよりもかなり長くなってしまいました。自分目線で書いたので自分語りも多分に入ってしまっていますが、もし興味がありましたらどうぞということで。

2009年
 僕がキューブをやり始めたのは2008年の9月です。同じ研究室の後輩がやっているのを見て、自分もやりたくなって始めました。それから研究室の仲間でハマり、初めて大会に出たのはJRCA関東支部定例会&夏大会2009のときでした。このときに日本で初めてFMCが開かれ、参加しました。あまりよくわからず参加だけしてみた感じだったのですが、一時間あるのに、ろくに試行錯誤もできず一つ解法を正しく書き下すだけで精一杯で、記録を残した中では最下位でした(59手)。ただ、スピードを競うだけでなく、手数を競う競技もあるんだなと、強く印象に残りました。
 次にFMCが開かれたのは日本大会2009で、このときにはそれなりに練習して臨み、準優勝しました(41手)。僕の使っているスピード解法はPetrus methodという方法なので、その方法でいろいろ試していたら、Suneの対角交換COLLするとEPLL skipするものが見つかって、それを提出しました。
 日本大会で準優勝したわけだから、自分は結構すごいんじゃないかと思っていたのですが、世界はどうなんだろうと思って調べてみたのです。すると、Fewest Moves Challenge というサイト(最少手数競技をFMCと呼ぶゆえんのサイト、今はなくなってしまいました……)でオンライン選手権が毎週開かれていることを知り、参加してみることにしました。参加できるものには四種類あり、(1)一発解きのもの、(2)一時間制限のもの、(3)時間制限なしのもの(スクランブルは一時間制限と同じ)、(4)コンピュータを使っていいものがありました。トップ層は一時間制限のものでだいたい30手を切っており、同じ解法を時間無制限のものにも提出していたりしました。40手程度ですごいのではと思っていた自分には意味がわかりませんでした。
 投稿履歴を見ると解法の説明が書いてあるので、トップ層の人のものを夢中で読みました。まあ読んでもわかったのはこの人たちはcrazyだということくらいでしたが、毎週やっているうちに、言っていることは理解できるようになってきました(なぜそれが見つかるのかはやっぱり理解できませんでしたが)。また、非常に大変だったのですが、毎週がんばって時間制限なしのものでは30手を切るものを投稿することを目標にしていました(30手で妥協したことは数回ありましたが)。Guus Razoux Schultzさんが考案し使い出したNISSも、当初はどう考えてもそんなの一時間ではやっている余裕はないだろうと思っていたのですが、時間無制限の方でやってみていて慣れてしまうと非常に便利なもので、依存症なくらいほぼ毎回使うようになっていました。
FMCの解法の書き方について
 自分のFMCの解法の書き方は、この選手権に投稿していた人たちの書き方を参考にしたものも多いです。例えば、一つのスロット以外F2Lが揃っている状態はF2L minus 1 slotと書いています。単にF2L-1と書く人が多いのは知っていますが、slotまで書けばF2L minus 1 cornerとかF2L minus 1 edgeとかと区別ができる(F2L-1だけだと何がマイナスなのか不明瞭)ので、個人的にはこれが好みです。また、クロス全て+対角2スロットが揃っている状態はSiamese 2x2x2 blockと書くのもここで学びました。F2L minus 2 slotsだと2x2x3 block + 1クロスという状態と区別できないので、やはり個人的にはこれが好みです。All but 4 cornersのような言い方もここで学んだものです。3CP+1COとか2CP+2CPとかだと書き分けるのが少し面倒(4CPは存在しない)だし、また3CPかCP3のどっちが正しいのかよくわかっていないのですが、ひょっとしてこの書き方してるの主に日本の人ですかね?あとleave 3 cornersの意味でL3Cと書いているのは世界の実力者も含めしばしば見ますが、この選手権に参加していた頃はあまり見なかった書き方です。スピソルWikiを見るとL3Cはlast 3 cornersで、コーナー3つを残すという意味ではなく、最後のコーナー3つを揃える手順を指すようですね。確かにRoux methodでいうL6Eだとlast 6 edgesなので、それと同じということだと思います。Lの意味が違って混乱するのでこれもちょっと個人的には使いにくいかなと。
 Pre-scrambleはPremovesという方がメジャーだと思いますが、後者だとPremoveかPremovesか毎回気をつけないといけないというのが嫌で、Pre-scrambleを使っています。最後のCorrectionは、そもそもはPremoves correctionと書いている人を真似していたのですが、自分はPremovesではなくPre-scrambleと書いているしなと思い、そこを略して書くようになってしまいました。Insert at *: というのは自分で勝手に使い始めてしまったもので、これもそこまで良いとは思っていないのですが、ずるずる使い続けてしまいました。例えばGuusさんはAt * insert: のように書いていて、insertは他動詞なのですぐ目的語が後ろにくるこの形の方が自然だろうとは思います。他に例えばTeemu TiinanenはInsert F U F' D F U' F' D' at dot to cancel 2 moves.というように最後にまとめの文章のように書いていました。自分はそれの中間みたいな感じにしたんでしょうね。(この段落にある私の書き方は個人的な書き方なのであまりおすすめはしません、基本的にFewest Moves Tutorialの書き方に沿ったものが好ましいのではと思います)
2010年
 日本大会2009のときにはFMCの日本記録は田渕雄夢さんの37手だったので、自分も日本記録に挑戦できるのではとその時は思ったりしたのですが、世界大会2009で同じく田渕さんが29手のアジア記録で更新したので、まただいぶ遠い存在になったなと思った記憶があります。次に日本でFMCが開かれたのは日本大会2010でした。このときにはだいぶ実力もついてきていて、31手を出して優勝しました。この頃のAvg of 12が32.8だったみたいなので、これは上々の出来だったと思います。実際、次にFMCが開かれた松戸大会2010では34手でした。
 オンライン選手権も続けてがんばって取り組んでいたら、Guusさんが speedsolving.com(通称スピソル)の掲示板に参加しようよと勧めてくれ、登録してThe FMC thread(通称FMCスレ)にはじめて書き込んだのがこの投稿です。実は既に半年ROMってはいたのですが(死語)、これがきっかけで実際に登録し、掲示板で憧れのFMCerとやりとりをするようになりました。英語の読み書きは大変だった(このときのGuusさんのリプライのジョークさえ分からなかった)のですが、やはりトップの人たちと情報交換できるのが非常に楽しく、よくチェックして書き込むようになりました。スピソルでもオンライン選手権をしていたので、それにも参加するようになりました。参加しはじめて2回目のときに20手を出したことをよく覚えています。当時の非公式世界記録は19手だったと思います(参照)が、自分でもこんな手数を出せることがあるんだと思うと同時に、「本番で出ろよ」と思いました。
 ちなみに残り少ないピースをのぞいて揃える手順をGuusさんがframeと呼んでいたので、僕も最初はそれにならっていたのですが、それはskeletonって呼ぶのが正しいよってPer Kristen FredlundさんにFMCスレで指摘されたので、それからはskeletonと言うようにしています。Perさんは「1. スケルトンを作る 2. 残りをインサートして揃える」というステップを提唱した人です。Fewest Moves Challengeの管理人で、その選手権の初期の頃(Dan's Cube Station!でホストされていた頃)にDomino Reduction系で解法を投稿していました(19手の例)。平均24手前後だったそうです。ただ、おそらく一時間ではなく時間無制限ではないかなと思います。
 個人的にもコンピュータでの解法を人間にも出来ないかと興味があったので、Human Thistlethwaite Algorithmを参考にそれをオンライン選手権で時間制限なしの方でやってみたこともあります。ただこれは一時間でやるには普通の人間には相当きついだろうという実感だった(その旨をこの投稿の最後に書いている)ため、それからはこのアプローチには見向きもしませんでした。現在ではDRが実用的になっているのをみると、NISSが出てきたときの第一印象(それやるの時間的にきついだろ)を思い出します。人間ってすごいですね。
 実力もついてきたかなと思ったので、タイで開かれたアジア大会2010に参加することにしました。はじめての国際大会でかなりドキドキでした。結果はFeliks Zemdegsと同率で優勝(32手)で、アジアチャンピオンになりました。FeliksはPLL skip、僕は25手残り3コーナーのスケルトンで、optimalなら30手でしたが、インサートの時間がなく32手止まりでした。そういう意味では少し悔しかったですが、はじめての国際大会でこのような結果を残せたのは素直にうれしかったし、かなり自信になりました。ただ、このときはスピソルでやりとりしているトップ層(欧米勢)はほぼ参加していなかったので、ある程度はいけるだろうという読みはあったのですが。
2011年
 次に日本でFMCが開かれたのは日本大会2011で、このときも31手で優勝しました。30手を切ることがそろそろ出来ないかと思っていたのですが、その次のキューブキャンプ金沢2011(通称CCK)では28手を出し、これが日本新記録となりました。この大会は日本でははじめて2回試技が行われ、1回目が28手、2回目が31手だったのですが、そのときの解法を見ると、2回目の5コーナーのインサートは1回目のインサートした箇所できちんと探せば25手があったみたいです。この時点での2回インサートの実力不足がわかりますね。ちなみにCCKを企画していたJRCA北陸支部は、FMCが含まれた大会をこの頃からしばしば(CCK以外にも)開いてくれており、FMCがある大会は日本では非常に貴重だったので、よく参加させてもらいました。CCKは2010年から2019年まで毎年参加して皆勤しています。
 そしてこの年は、昨年のアジア大会が開かれた場所と全く同じ場所で世界大会2011が開かれ、ほぼ迷うことなく参加しました。掲示板でしかやりとりできなかった世界のFMCerと会えることを非常に楽しみにしていました(スピソル登録一年記念の投稿にその旨が)が、一番会いたかったGuusさんは参加されませんでした。大会の結果は非常に残念なことにDNFでした。確認はしていませんが、おそらく書き間違いがあったのだと思います。提出したものは35手(25手残り4コーナー、最適インサートでは32手)だったので、いずれにせよ振るわない手数でした。このときに世界チャンピオン(28手)になったSébastien Aurouxとは今後もしばらく切磋琢磨し、また共にWorld Cube Associationの役員を務める仲となりますがそれはまた別の話。
 今思うと、自分が世界チャンピオンになれる確率はこのときが一番高かったように思いますが、ここで非常に悔しい思いをしたからこそ次のステップに行けたのだと思います。実際、翌年は自分にとってとても記憶すべき年になります。例えばここでもし3位とかで表彰台に登るようなことがあったら、その後同じようなことができたかというと、非常に疑問です。
 オンライン選手権への参加も休むことなく続け、Fewest Moves ChallengeのRound 376では再び20手を出しました。また、上述の(4)コンピュータを使っていいもの、にも投稿をはじめました。何をやっていたかというと、残り数コーナーのスケルトンを見つけるのをコンピュータにやらせて、それを自分なりにNISSなどを使って解釈し、もし人間ならそれをどうやって見つけるかということを説明する、ということをやっていました。全部解くのをコンピュータにやらせるとDRっぽくなるので解釈してもあまり役に立たなかったのですが、スケルトンを見つけるのをやらせると意外と解釈できる解法を出したりするので、参考になることもあったのです。ちなみに最後のインサートにはInsertion Finderを使わせてもらっていました。当時は現在ほど高機能ではなく、コーナー2〜3回インサートくらいしかできませんでしたが、目的には十分でした。Webインターフェースを作ったBaiqiang Dongにその話をしたら、「あ〜日本からなんかアクセスが増えたなと思ったら君だったんかw」と言われました。
 また、当時日本では非常にFMCがマイナー競技であったため、FMCが活発になって参加者が増えて欲しい(結果として大会もたくさん開かれるようになって欲しい)という願いもあり、この頃FMC関係の講習会もしていました。2011年にはCommutator入門という講習会(個人企画)、2012年にはBlock building入門という講習会(JRCA関東支部企画)をしました。Webではなかなか伝えにくいところをハンズオンセミナー形式でやっていました。
2012年
 この頃FMCで力をつけてきてオランダのNR(24手)もとったErik Akkersdijkが、FMCを6回行う大会を企画しているとFMCスレで話題にしていて、自分もぜひ参加したいと打診していました。するとまず3月にFMCが3回ある大会が開かれるということを聞き、6回ではありませんでしたが、同じくオランダのGuusさんと会えるというのもあって参加を決めました。大会の場所はErikとGuusさんが生まれ育ったEnschedeというところです。飛行機で空港に着いた初日はアムステルダム市内で観光しようとしていたのですが、そこで一日乗車券を買っていたら声をかけられて、なんとGuusさんでした。お互い偶然だったのでとてもびっくりしましたが、非常にうれしかったです。
 大会の結果は29手、37手、26手で、3回目の26手がアジア新記録となりました。最後の試技では(でも)インサートの時間が足りずスケルトン全部は探せませんでしたが、Guusさんがチェックしてくれ、結局26手が最適だったみたいです。ベストを尽くせて結果を出せたんだと非常にうれしかったことを覚えています。地元の新聞にも載りました(Web記事)。ちなみにこのときは25手、DNF、32手のGuusさんが優勝しました。この当時はFMCは平均で競うということが規則上できず、Best of Xという形式しかありませんでした。このときはBest of 3で順位が決まったということです。実は自分の2回目の37手は、大会中に出される速報では38手とされていて、37手ではないのかとErikに確認したところ、たしかにそうだねと修正してもらったのです。このとき「Best of 3なんだから別に2回目が37手でも38手でも関係ないのに、細かいねw」と言われました。ただ後でFMCの平均記録が導入されたときに、この3回の平均が世界記録に認定されたので、きちんと修正しておいて良かったと思いました。
 このときにGuusさんと遊んだものの一つに、FMC Duel(Guusさん考案)というものがあります。どんな感じのものかというのはここの説明や動画を見てもらうといいと思いますが、一手ずつ交互に回して早く揃った方が勝ち、というものです。最初に交互に相手のキューブをスクランブルするのですが、後でスクランブルした人はキューブを相手に渡した後にタイマーを押さずにそのまま自分のソルブに入り、自分のキューブを一手回した後にタイマーを押すというのが間違えやすいのでそこだけ注意が必要です。オフ会で割と盛り上がりますのでおすすめです。広島オフでもやったことがあります(動画)。
 次のFMCの大会は日本の早稲田頭脳戦2012でした。結果は29手、36手でそこまでふるいませんでしたが、本番でSub 30が出せるようになってきたのは成長してきたなと思いました。さらなる記録更新は回数を重ねればできると感じたので、FMCが開かれる大会により多く出たいと思いました。この頃(も?)、日本に比べてヨーロッパでは非常に多くFMCが開かれており、毎週のようにFMCに参加しているヨーロッパの人たちがうらやましかったです。
 少しでも試技回数を増やそうと、国際会議でベルギーにいくついでに前後の週末でヨーロッパの大会に出ることを決めました。まずはドイツのSaarbrückenで開かれたSaarland Open 2012に参加しました。このときの結果は世界大会で4位だったTim Reynoldsが24手(NAR)、世界チャンピオンのSébastienが25手を出す中で31手とふるわず、この頃はオンライン選手権でもあまり成績が良くなかったので、スランプかなと残念に思いました。
 国際会議を終えて、次はチェコのPardubiceで開かれたCzech Open 2012に参加しました。この大会はキューブだけでなく、数独やチェス、囲碁、バックギャモンなどの色々な部門が開かれる歴史ある大会のようです。キューブの参加者も空き時間にチェスなどをやっていたりしました。この大会のオーガナイザーの一人のTon DennenbroekはTwente Openのときに一泊させてくれた人で、僕が来ると知ってFMCの試技回数を1回から2回に増やしてくれました。その1回目の試技が世界新記録となった20手です(解法はスピソルのスレにあります)。この前の世界記録は22手で、長らく更新されておらず全競技の中でこの当時最古の世界記録となっていました。
 2回目の29手の印象はもう残っていませんが、1回目の試技の様子は今でも思い出せます。だいたいこの頃の戦略は最初に一手回してc/eペアができるものを探していたのですが、そのうちインバースでのB2が、既存のc/eペアを壊すが別のところに新しくc/eペアができるというものでした。この既存のc/eペアを壊す一手を使ってみようと思ったのが決め手だったのだと思います。これを使って2x2x2 blockを作ってみたら、ちょうど擬似2x2x3 blockができたので、そこでノーマルにスイッチしたら流れるように残り4コーナーになりました。ここで19分くらいでした。13手スケルトンだったので、まあ2回インサートは嫌いだけどやってみるかとシールを貼りにいきました。最初から探していって、途中はそこまで良いのはなかった(と思う)のですが、最後の最後で5手キャンセルのものが見つかりました。それで新しくスケルトンを書いて2回目のインサートを最初から探したら、ここでも最後の最後で4手キャンセルのものが見つかりました。それでまとめの解法を書いたところで50分くらいでした。
 ここまでは本当に無心というか、やっている途中で「何手キャンセルなら合計何手だぞ」とか余計なことは何も思わず単にやるべきことを淡々とやっていました。ここで清書して手数をカウントしたときに、はじめていま何が起こっているのか脳が認識したようで、動悸がして手が震えだしました。もちろん書いた手順が合っているかキューブを回して確認するのですが、その間ずっと「やばいこれはやばい」と手を震わせながら確認していました。55分くらいになって、これは絶対に間違いないと確信して、解答用紙を提出しました。ジャッジの人に「今確認して欲しい、これ20手で、合ってれば世界新記録なんです」と言ったら、「よしじゃあこうやって確認しよう」と言ってキューブを(スクランブルした後)机の下に隠して見えない状態で僕の解法を回しました。「終わった」と言ってジャッジが机の下から出したそのキューブは、揃っていました。

おわりに

 ここまで読んでいただいてありがとうございます。まだまだ話は続くのですが、このあたりで一区切りですので筆を置こうかと思います。もし興味がありましたらCubing Dare Magazine (2012年9月号)に掲載されたインタビューもご覧ください。何かみなさまの心に響くことがありましたら幸いです。
追記:ルービックキューブ最少手数部門の世界新記録樹立(togetter)

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